イオンのお葬式の6つのデメリットと注意点|元葬祭ディレクターが本音で解説

この記事を読むとわかること

イオンのお葬式の具体的なデメリット6つと対処法 ✅ 料金が「思ったより高くなる」理由と追加費用の内訳 ✅ 他社との客観的な比較で見えるイオンの位置づけ ✅ 利用前に確認すべき重要ポイントで失敗を回避する方法 ✅ あなたに合う葬儀社かどうかの判断基準

結論: イオンのお葬式は低価格で明瞭な料金体系が魅力ですが、「対応地域の限定性」「追加費用の発生可能性」「個別対応の限界」などのデメリットがあります。これらを理解した上で検討することで、後悔のない選択ができます。


イオンのお葬式とは?市場での位置づけ

イオンのお葬式は、小売大手のイオンが運営する定額制の葬儀サービスです。2013年のサービス開始以来、「分かりやすい料金設定」と「大手の安心感」で注目を集めています。

葬儀業界でのカテゴリー分類

カテゴリー特徴代表例
大手・定額制全国展開、料金明瞭、パッケージ化イオン、よりそうお葬式
地域密着型地元に根ざした運営、柔軟な対応地域の葬儀社
ネット特化型オンライン完結、低価格重視小さなお葬式、やさしいお葬式
老舗・高級志向伝統重視、手厚いサービスベルコ、公益社

イオンのお葬式は「大手・定額制」カテゴリーに位置し、安心感と分かりやすさを重視する方に支持されています。


イオンのお葬式の6つのデメリット

1. 対応地域が全国ではない

最大のデメリットは、サービス提供エリアが限定されていることです。

対応地域(2024年時点)

  • 関東:東京、神奈川、千葉、埼玉
  • 関西:大阪、兵庫、京都、奈良
  • 東海:愛知、岐阜、三重
  • その他:宮城、福岡など一部地域

なぜ問題なのか?

  • 全国チェーンのイメージがあるため、どこでも利用できると誤解しやすい
  • 故人の出身地や家族の居住地によっては利用できない
  • 転居などで急に対象外になる可能性がある

対処法: 事前に公式サイトで対応地域を必ず確認し、対象外の場合は地域の葬儀社や他の全国対応サービスを検討しましょう。

2. 追加費用が発生する可能性

基本プランに含まれない項目が多く、実際の費用が予想より高くなるケースがあります。

基本プランに含まれないもの(追加費用例)

項目追加費用の目安
火葬料金5,000円〜70,000円(地域により大幅に異なる)
ドライアイス追加1日あたり5,000円〜8,000円
生花の追加5,000円〜50,000円
料理・飲み物1人あたり3,000円〜8,000円
返礼品1個あたり500円〜3,000円
寺院費用15万円〜50万円(お坊さん派遣利用時)

実例: 「19.8万円の家族葬プランを選んだが、火葬料金6万円、ドライアイス追加1.5万円、返礼品5万円で、総額32.3万円になった」

3. 個別の要望への対応に限界がある

定額制・パッケージ化されたサービスのため、細かい要望やイレギュラーな対応が困難な場合があります。

制約の例:

  • 祭壇の装飾変更が難しい
  • 特定の宗派の作法に完全対応できない場合がある
  • 式の時間延長や内容変更に追加費用が発生
  • 地域の慣習に合わせた細かい調整が困難

こんな方は注意:

  • 故人の趣味を反映した個性的な葬儀を希望する方
  • 地域独特の風習を重視したい方
  • 宗教的な作法を厳格に守りたい方

4. 直接相談できる実店舗が少ない

イオンモール内に相談窓口はありますが、専門スタッフが常駐していない場合が多く、詳細な相談は電話やオンラインが中心になります。

デメリット:

  • 事前相談で実際に担当者と顔を合わせにくい
  • 急な質問や相談に即座に対応してもらえない
  • 地域の葬儀事情に精通したスタッフとの相談機会が限定的

5. 提携葬儀社によってサービス品質にばらつき

イオン直営ではなく、地域の提携葬儀社が実際のサービスを担当するため、対応品質に差が生じる可能性があります。

考えられる問題:

  • スタッフの経験や対応力に差がある
  • 地域によって設備や会場の質が異なる
  • イオンブランドの統一感が保たれない場合がある

6. キャンセル・変更に関する制約

契約後の変更やキャンセルについても、一定の制約があります。

注意点:

  • キャンセル料が発生する場合がある
  • プラン変更時の差額調整が複雑
  • 急な人数変更への対応に限界がある

他社との客観的比較

主要葬儀サービス比較表

項目イオンのお葬式小さなお葬式よりそうお葬式地域密着型葬儀社
基本料金19.8万円〜14.8万円〜14.9万円〜20万円〜50万円
対応地域限定的全国全国地域限定
追加費用ありありあり相談により調整
個別対応制限あり制限あり制限あり柔軟
ブランド力高い中程度中程度地域により異なる
事前相談電話・オンライン中心電話・オンライン電話・オンライン対面相談可能

各社の強み・弱み

イオンのお葬式の強み:

  • 大手ブランドの安心感
  • 明確な料金表示
  • 全体的なサービス品質の安定性

イオンのお葬式の弱み:

  • 対応地域の限定性
  • 個別対応の制約
  • 実店舗相談の限界

料金体系の完全解説

基本プラン内容

火葬式(直葬): 98,000円

  • 含まれるもの:棺、骨壺、搬送、納棺、基本的な手続き
  • 含まれないもの:火葬料金、ドライアイス、返礼品

一日葬: 298,000円

  • 含まれるもの:火葬式の内容+告別式、祭壇、霊柩車
  • 含まれないもの:火葬料金、料理、返礼品、ドライアイス追加分

二日葬(一般的な家族葬): 398,000円

  • 含まれるもの:一日葬の内容+通夜
  • 含まれないもの:同上

実際にかかる総費用の目安

火葬式の場合: 基本料金98,000円 + 火葬料金50,000円 + その他30,000円 = 約18万円

家族葬の場合: 基本料金398,000円 + 火葬料金50,000円 + 料理100,000円 + 返礼品50,000円 + その他50,000円 = 約65万円


利用者の評判・口コミ分析

良い評判

「料金が分かりやすかった」(50代女性)

他社では見積もりが複雑で理解できなかったが、イオンは最初から明確な料金提示があり安心できた。

「大手の安心感」(60代男性)

知名度があるイオンなので、変な業者に騙される心配がなく、家族も納得してくれた。

「手続きがスムーズ」(40代女性)

必要な書類や手続きを整理して案内してくれたので、混乱している中でも迷わずに進められた。

悪い評判とその背景

「思ったより高くなった」(50代男性)

基本料金は安かったが、火葬料金や食事代などを含めると結局60万円を超えた。最初の説明で追加費用についてもっと詳しく教えてほしかった。

背景分析: 基本プランの内容理解不足と、事前の総費用確認不足が原因。

「融通が利かない」(60代女性)

故人の好きだった花を使いたいと頼んだが、パッケージ外のため高額な追加料金を請求された。もう少し柔軟に対応してもらいたかった。

背景分析: 定額制サービスの制約による。個別要望がある場合は地域密着型を検討すべき。

「担当者と事前に会えなかった」(40代男性)

電話でのやり取りが中心で、実際に担当する方と事前に面談できなかった。当日になって初めて会う不安があった。

背景分析: サービス体制の特性による。事前相談を重視する方には不向き。

悪い評判を避けるための対策

  1. 事前見積もりで総額を確認
    • 基本料金以外に必要な費用をすべて算出してもらう
    • 火葬料金、ドライアイス、返礼品など必須項目を確認
  2. 個別要望は事前に相談
    • 宗教的な要望や特別な希望があれば、契約前に対応可能か確認
    • 対応困難な場合は他社も検討
  3. 地域の提携先を確認
    • 実際にサービスを提供する地域の葬儀社について事前に情報収集
    • 可能であれば会場見学も実施

イオンのお葬式利用の完全ガイド

Step1: 事前準備・情報収集

まずチェックすること:

  • 対応地域の確認(公式サイト)
  • 基本プランの内容理解
  • 追加費用の概算
  • 地域の火葬料金相場

準備すべき情報:

  • 参列予定人数
  • 宗教・宗派
  • 希望する会場エリア
  • 予算の上限

Step2: 相談・見積もり依頼

相談方法:

  1. 電話相談(24時間365日対応)
  2. オンライン相談
  3. イオンモール店舗での相談(事前予約推奨)

見積もり時に確認すべき項目:

  • 基本プランに含まれる詳細内容
  • 必須となる追加費用
  • キャンセル・変更規定
  • 支払い方法・タイミング

Step3: 契約・詳細打ち合わせ

契約前の最終確認:

  • 総費用の上限額
  • サービス内容の詳細
  • 当日の流れ・タイムスケジュール
  • 緊急時の連絡先

Step4: 葬儀当日

当日の流れ(家族葬の例):

  1. 通夜前(午前中): 納棺、最終打ち合わせ
  2. 通夜(夕方): 受付、読経、通夜振る舞い
  3. 葬儀・告別式(翌日午前): 読経、お別れ、出棺
  4. 火葬(午後): 火葬場での最終お別れ、骨上げ

Step5: アフターフォロー

葬儀後の手続きサポート:

  • 各種届出の案内
  • 法要の相談(別途費用)
  • 仏壇・仏具の紹介(別途費用)

よくある質問(Q&A)

Q1: 本当に追加費用はかからないの?

A: 基本プランに含まれない項目については追加費用が発生します。特に火葬料金(地域により5,000円〜70,000円)は必須なので、事前に地域の相場を確認しておきましょう。見積もり時に「総額でいくらになるか」を必ず確認することが重要です。

Q2: 急な申し込みでも対応してもらえる?

A: 24時間365日対応しており、急な申し込みにも対応可能です。ただし、希望する日時や会場によっては調整が必要な場合があります。特に土日や大安の日は混雑しやすいので、柔軟性を持って相談することをおすすめします。

Q3: キャンセル料はかかる?

A: 契約内容やキャンセルのタイミングによって異なります。一般的に、葬儀の準備が進んでからのキャンセルでは費用が発生する可能性があります。契約時にキャンセル規定を必ず確認しておきましょう。

Q4: 他の家族が反対している場合はどうすれば?

A: まず家族会議を開き、イオンのお葬式のメリット・デメリットを共有しましょう。特に費用面の透明性や大手の安心感を説明し、他社との比較資料も用意すると理解が得られやすくなります。最終的には家族全員が納得できる選択が重要です。

Q5: 宗教・宗派の指定はできる?

A: 主要な宗派には対応していますが、特殊な宗派や厳格な作法を求める場合は事前相談が必要です。お坊さんの派遣サービス(別途15万円〜)も利用できますが、菩提寺がある場合はそちらを優先することをおすすめします。

Q6: 生活保護を受けている場合は利用できる?

A: 生活保護の葬祭扶助制度では、基本的に最低限の火葬式のみが対象となります。イオンの火葬式プラン(98,000円)でも扶助の上限額を超える可能性があるため、まず福祉事務所に相談することが重要です。


まとめ:イオンのお葬式が向いている人・向いていない人

向いている人

分かりやすい料金体系を重視する方

  • 複雑な見積もりが苦手で、明確な料金提示を求める

大手ブランドの安心感を求める方

  • 知名度のある企業でのサービス利用を希望する

標準的な葬儀で十分と考える方

  • 特別な演出や個別対応を重視しない

対応地域にお住まいの方

  • サービス提供エリア内での葬儀を予定している

向いていない人

個別の要望が多い方

  • 故人らしさを反映した個性的な葬儀を希望する

地域の慣習を重視する方

  • 地元の風習や伝統を大切にしたい

事前相談を重視する方

  • 担当者と何度も顔を合わせて相談したい

対応地域外にお住まいの方

  • サービス提供エリア外での利用を検討している

最終判断のポイント

イオンのお葬式は**「安心感のある定額制サービス」**として一定の評価を得ていますが、デメリットも存在します。

選択前の最終チェックリスト:

  1. 対応地域内か? → 公式サイトで確認
  2. 総費用は予算内か? → 追加費用込みで算出
  3. 個別要望への対応は必要か? → 事前相談で確認
  4. 家族全員の同意は得られているか? → 十分な話し合い

これらの確認を行った上で、あなたとご家族にとって最適な選択をしてください。葬儀は故人への最後のお別れの場です。後悔のない選択をするために、複数社の比較検討と十分な事前準備をおすすめします。

最も重要なのは、故人を偲び、遺族が心から納得できる葬儀を行うことです。