大切な人を亡くされた悲しみの中で、このページをお読みになっているあなたへ。
「いつまでこの辛さが続くのだろう」「誰かに話したいけれど、迷惑をかけたくない」「泣いてばかりの自分はおかしいのだろうか」——そんな気持ちを抱えていませんか。
そのどれも、おかしくはありません。大切な人を失ったとき、人は誰でも深く傷つきます。その悲しみには、適切な支援が助けになることがあります。
この記事では、東京都内で利用できる実在のグリーフケア支援を、確認された情報のみに基づいてご紹介します。
グリーフケアとは——悲しみは「乗り越えるもの」ではない
「グリーフ(grief)」とは、大切な人を失ったときに生じる悲嘆・悲しみのことです。「グリーフケア」は、その悲しみに専門的に寄り添い、支援することをいいます。
「時間が解決してくれる」とよく言われますが、グリーフは時間が過ぎるだけで消えるものではありません。また、「早く立ち直らなければ」と焦る必要もありません。悲しみは失った愛情の大きさの証であり、その気持ちを抱えながら、少しずつ新しい日常を見つけていくことが、グリーフケアの考え方の根幹にあります。
🌿 グリーフケアで大切にされること
グリーフケアは「悲しみを取り除く」ことを目的としていません。故人への思いや悲しみを抱えながらも、再び自分らしく生きていく力を取り戻すための、長い旅のような過程に寄り添うものです。答えを急がず、自分のペースで進んでいいのです。
グリーフで起きること——あなたの反応は「異常」ではない
死別後に経験する反応は人それぞれですが、次のような状態は多くの方が経験します。これらが続いていても、あなたがおかしいわけではありません。
| 種類 | 具体的な状態 |
|---|---|
| 感情面 | 深い悲しみ、空虚感、怒り、罪悪感(もっとこうしてあげればよかった)、安堵感への罪悪感、感情が出てこない感覚 |
| 身体面 | 食欲の変化(食べられない・過食)、眠れない・眠りすぎる、疲労感、胸の痛み・圧迫感 |
| 思考面 | 集中できない、決断できない、故人のことが頭から離れない、夢に見る |
| 行動面 | 人との関わりを避けたくなる、以前楽しんでいたことへの興味が薄れる、涙が出る・出ない |
⚠ 専門的なサポートを急いで求めるべきサイン
次のような状態が続く場合は、グリーフカウンセリングに加えて、精神科・心療内科への受診も検討してください。自分を責めずに、どうか声を上げてください。
・「死にたい」「消えてしまいたい」という気持ちが繰り返し浮かぶ
・日常生活が何か月も送れない状態が続く
・アルコールや薬物に頼ることが増えている
今すぐ誰かに話したい場合は、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)またはいのちの電話(0120-783-556)にお電話ください。
東京都内の支援機関——確認された実在の窓口
以下は実在が確認された機関です。詳細な料金・日程・空き状況は変わる場合があるため、各機関のウェブサイトまたは電話で最新情報をご確認ください。
公的・無料の窓口
とうきょう自死遺族総合支援窓口
東京都が委託運営する、自死(自殺)で大切な方を亡くされた遺族向けの相談窓口。無料・原則匿名。
対象:身近な方を自死で亡くされた遺族(原則として都内在住・通勤・通学者)
費用:無料
詳細:東京都保健医療局のウェブサイトでご確認ください
東京都の遺族の集い(各区市町村)
東京都と民間団体が連携して開催する「わかち合いの会」。区によって開催日程が異なります。
費用:多くは無料または低額
詳細:東京都保健医療局「遺族の集い」ページをご参照ください
(港区・品川区・世田谷区など各区での定期開催あり)
NPO・民間支援団体
認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ(港区赤坂)
自死遺族のための電話相談・分かち合いの会を運営する認定NPO法人。1990年代から活動を続ける実績ある団体。
主な活動:電話傾聴相談(火・木・土 11時〜17時)、対面の分かち合いの会(毎月第3日曜日)、オンライン分かち合いの会(年数回)
対象:自死遺族の方(大切な方を自死で亡くされた方)
費用:電話相談・分かち合いの会は無料
電話:03-3796-5453(相談)/03-5775-3876(事務)
URL:https://www.jishi-griefcare.org/
※自死遺族に特化した団体です。病気死・事故死の遺族の方は他の窓口をご検討ください
NPO法人全国自死遺族総合支援センター(グリーフサポートリンク)
東京都の委託を受けて自死遺族支援を行うNPO法人。各区との連携で「わかち合いの会」を都内複数か所で開催。
主な活動:各区・市との共催による分かち合いの会(港区・品川区など)、若者向けオンライン会(18〜30代対象)
費用:参加無料(一部要予約)
NPO法人生と死を考える会(千代田区神田駿河台)
死別を経験した方向けの「分かち合いの会」を定期開催。
主な活動:月複数回の分かち合いの会(第1水曜・第1・2・4土曜 14〜16時)
費用:参加費は問い合わせをご確認ください
電話:03-5577-3935(火・金 13時〜17時)
一般社団法人日本グリーフ専門士協会
死別に特化したオンラインカウンセリング・わかちあいの会を全国で展開。東京在住でも利用できます。
主な活動:個人カウンセリング(オンライン・有料)、わかちあいの会(無料〜低額)
グリーフ・カウンセリング・センター(GCC東京)
死別・離別を専門とするカウンセリング機関。海外の最新グリーフケアを取り入れた個別カウンセリングとオンライン講座を提供。
主な活動:個人カウンセリング(予約制・有料)、専門家向け・一般向け講座
聖路加国際大学 天使の保護者ルカの会
流産・死産・新生児死などでお子様を亡くされた方専門のグリーフカウンセリング。
上智大学グリーフケア研究所について
📝 よくある誤解について
上智大学グリーフケア研究所(四谷)は、日本初のグリーフケア専門研究・教育機関として実在しますが、主な活動は専門家(ケア職・支援職)向けの人材養成課程と公開講座です。一般遺族への個人カウンセリングサービスの直接提供は確認できていません。グリーフケアを「学ぶ場」として、また公開講座「悲嘆について学ぶ」への参加は検討できます。詳細は公式サイト(sophia-griefcare.jp)でご確認ください。
支援の種類——自分に合った形を選ぶ
| 支援の形 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 個人カウンセリング | 専門家と1対1で話す。プライバシーが守られ、自分のペースで話せる。有料が多い | 誰かに個別に話を聴いてほしい方。特定の悩みを深く話したい方 |
| 分かち合いの会・グループセッション | 同じような体験をした人たちで集まって話す。「自分だけじゃない」という感覚が得られる。多くは無料〜低額 | 人の話を聴くことで心が楽になる方。孤立感を感じている方 |
| 電話相談 | 外出しなくてよい。匿名で話せる場合が多い。深夜にも対応している窓口あり | 外出が難しい方。まず誰かに話してみたい方 |
| オンラインカウンセリング | 自宅からビデオ通話で受けられる。地理的な制約がない | 遠方の方。外出が難しい方 |
| 医療機関(精神科・心療内科) | うつ症状・不眠など身体的な影響が大きい場合は保険適用で診察・治療が受けられる | 日常生活に著しい支障がある方。希死念慮がある方 |
最初の一歩——どこに連絡すればよいか迷ったら
どこに相談すれば良いかが分からないとき、まず以下の順番で考えてみてください。
今すぐ誰かに話したい→よりそいホットライン(0120-279-338、24時間無料)または東京都自殺相談ダイヤル(0570-087478、12時〜翌朝5時半)
自死遺族として誰かに聴いてほしい→グリーフケア・サポートプラザの電話相談(03-3796-5453)
同じ体験をした人たちと話したい→近くの「分かち合いの会」を探す(東京都保健医療局のページで確認)
個別のカウンセリングを受けたい→グリーフ・カウンセリング・センターや日本グリーフ専門士協会のウェブサイトで問い合わせ
眠れない・食べられないなど体の症状が強い→かかりつけ医または精神科・心療内科に相談
🌿 「完璧な選択」をしなくていい
どの機関が正解か、どの方法が最適かを今すぐ判断しなくてもいいです。まず一つ問い合わせてみて、合わなければ別の窓口を試していい。それでいいのです。悲しみの中で完璧な判断をしようとすることは、あなたにとって負担になります。「とりあえず電話してみる」だけでも、大きな一歩です。
よくある質問
人によって大きく異なります。一般的には死別後の最初の数か月が感情的に最も激しい時期とされますが、悲しみの深さや形はその人によって全く違います。「○か月で終わる」という決まりはなく、あなたのペースが優先されます。定期的に自分の状態を振り返りながら、必要と感じる限り継続することが大切です。
グリーフカウンセリング単独では健康保険は適用されません。ただし、うつ病・不安障害などの診断がついた場合、精神科・心療内科での診察・治療として保険が適用されます。費用が心配な場合は、無料の分かち合いの会や電話相談から始める方法もあります。
多くの会では「話したくない場合は聴くだけでも大丈夫」というルールがあります。黙って座っているだけでも参加できる場所がほとんどです。初回に「話せないかもしれない」と正直に伝えてもいいですし、まずは見学だけできる会もあります。無理に何かを話さなければならないということはありません。
担当者を変えることや、別の機関を試すことは何ら失礼ではありません。カウンセラーとの「相性」は支援の効果に関わる重要な要素です。合わないと感じた場合は、その機関に「担当者を変えてほしい」と伝えるか、別の機関に問い合わせてみてください。
「時間が経ったのだから」「前を向いて」と言う人たちは、多くの場合、悪意からではなく、あなたを心配してのことです。しかし、その言葉が傷になることは確かです。グリーフには決まった「終わり」がなく、個人差があることは広く認識されつつあります。カウンセラーや支援者に「周囲からプレッシャーを感じている」と率直に話すことで、周囲への伝え方のヒントをもらえることもあります。
はい。例えば流産・死産・新生児死については聖路加国際大学「天使の保護者ルカの会」があります。子どもを亡くした親の会、配偶者を亡くした方の会など、死別の状況に特化した支援グループが全国に多数あります。日本グリーフ専門士協会や全国自死遺族総合支援センターのウェブサイトから探すか、電話相談窓口に「○○で亡くした場合の相談先を教えてほしい」と問い合わせると紹介してもらえます。
まとめ:一人で抱え込まなくていい
- グリーフは悲しみの自然な反応。「乗り越える」のではなく、悲しみと共に生きる力を取り戻すことがグリーフケアの考え方
- 今すぐ話したいときはよりそいホットライン(0120-279-338、24時間)
- 自死遺族向けの無料相談・分かち合いの会は認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザが窓口の一つ
- 東京都の自死遺族支援ページ・各区市町村の分かち合いの会が無料で利用できる
- 個別カウンセリングを望む場合はグリーフ・カウンセリング・センター(GCC東京)や日本グリーフ専門士協会に問い合わせを
- 機関の詳細料金・日程は変わることがあるため、必ず各機関の公式ウェブサイトまたは電話で最新情報を確認してください
- 希死念慮がある場合は、カウンセリングとともに精神科・心療内科への受診も検討を
最終更新:2026年5月|TERASU by 玉泉院 編集部
※各機関の情報は変更される場合があります。利用前に必ず公式サイト・電話でご確認ください
