この度はご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。葬儀の準備で大変な時期に、喪主の挨拶についてご不安のことと存じます。この記事で必要な文例をすぐにご利用いただけます。
喪主の挨拶で最も大切なのは「気持ちを伝えること」です。完璧な言葉でなくても、原稿を読みながらゆっくり話せば十分です。この記事では場面ごとの文例を多数ご用意しました。そのまま使えるものを選んで、故人のお名前や状況に合わせて書き換えてください。
- 喪主が挨拶する全場面のタイミングと構成
- 通夜(式終了後・通夜振る舞い開始・締め)の文例×複数パターン
- 告別式(出棺前)の文例×複数パターン
- 精進落とし(開始の献杯・締めの挨拶)の文例
- 立場別の文例(妻・息子・娘・父母)
- 状況別の文例(長患い・突然死・高齢・若くして)
- 家族葬向けの簡略版文例
- 忌み言葉一覧と正しい言い換え表
- 挨拶を上手にするための5つのコツ
目次
喪主が挨拶する全場面とタイミング
| タイミング | 内容の要点 | 目安の長さ |
|---|---|---|
| ① 通夜式の終了後 (読経・焼香が終わり僧侶が退席した直後) |
参列へのお礼・故人の様子・翌日の葬儀の案内・通夜振る舞いの案内 | 1〜2分(400〜600字) |
| ② 通夜振る舞いの開始時 (会食の席に移った直後) |
会食を用意したことの案内・ゆっくり過ごしてもらう旨 | 30秒〜1分 |
| ③ 通夜振る舞いの締め (会食の終わりに) |
感謝・翌日の葬儀案内・お開きの案内 | 1分程度 |
| ④ 告別式・出棺前 (出棺の直前、棺を前に) |
参列へのお礼・故人への感謝・遺族への温かい見守りのお願い | 1〜3分(500〜900字) |
| ⑤ 精進落としの開始(献杯) (火葬後の会食の開始時) |
葬儀を終えた報告・感謝・献杯の発声 | 1〜2分 |
| ⑥ 精進落としの締め (会食の終わりに) |
感謝・今後のお願い・四十九日の案内・お開きの案内 | 1〜2分 |
家族葬や少人数の葬儀では①と④だけ、または④のみということも珍しくありません。葬儀社の担当者に「どの場面で挨拶が必要か」を事前に確認しておくと安心です。
挨拶の基本構成
喪主の挨拶は原稿を手に持ってそのまま読んでも失礼ではありません。感情が高ぶって言葉に詰まるよりも、原稿を読みながら落ち着いてゆっくり話す方が参列者に伝わります。前日に一度声に出して読んでおくと、当日は格段に楽になります。
通夜の挨拶文例
【文例1】標準版(息子が喪主・父が長患いの末に逝去)
本日はお忙しい中、亡き父〇〇の通夜にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
父は、かねてより〇〇を患い療養を続けておりましたが、去る〇月〇日、〇歳にて静かに息を引き取りました。最期は家族に見守られながらの穏やかな旅立ちでございました。
長い闘病の間、皆様から多大なるご支援とお心遣いをいただきましたことに、遺族一同、心より厚く御礼申し上げます。
遺された私どもはまだ未熟でございますが、父の教えを胸に、力を合わせて歩んでまいる所存でございます。今後とも変わらぬご指導とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、ささやかではございますが、別室にお食事をご用意いたしております。お時間の許す限り、父の思い出話をお聞かせいただきながらお召し上がりください。
明日の葬儀・告別式は〇時より執り行いますので、ご都合のつく方はぜひお越しいただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
【文例2】短縮版(1〜2分で済ませたい場合)
〇〇は去る〇月〇日、〇歳にて永眠いたしました。生前はひとかたならぬご厚情を賜り、遺族一同、深くお礼申し上げます。
今後とも遺族へご支援くださいますようお願い申し上げます。なお、明日の葬儀は〇時より執り行います。本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いの挨拶文例
【文例3】通夜振る舞い・開始の挨拶
皆様にお集まりいただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。ささやかではございますが、お食事の席をご用意いたしました。お召し上がりになりながら、故人の思い出話などをお聞かせいただけますと幸いです。
夜も更けてまいりましたが、お時間の許す限りどうぞごゆっくりお過ごしください。
【文例4】通夜振る舞い・締めの挨拶
皆様のおかげで、お通夜も滞りなく済ませることができました。さまざまな思い出話をお聞かせいただき、改めて故人の人となりを知ることができ、遺族一同、大変心強く感じております。
夜も遅くなってまいりましたので、このあたりでお開きにさせていただきたく存じます。遠路お越しいただいた方もいらっしゃいますので、どうぞお足元にお気をつけてお帰りください。
明日の告別式は〇時よりこちらの会場にて執り行います。よろしければぜひお越しください。本日は誠にありがとうございました。
告別式・出棺前の挨拶文例
【文例5】標準版・出棺前(告別式の締めくくり)
〇〇は去る〇月〇日、〇歳にて永眠いたしました。生前は皆様に大変お世話になり、家族一同、心より感謝いたしております。
遺族にとりましては突然の別れではございましたが、皆様に温かくお見送りいただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
遺された私どもは、まだまだ至らぬところもございますが、故人の意志を受け継ぎ、精一杯生きてまいりたいと思っております。今後とも変わらぬご指導、ご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
なお、このあと〇〇へ向かいまして、近親者のみで火葬を執り行う予定でございます。本日はお力添えいただきましたことを、厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
【文例6】より短い出棺前の挨拶
生前に皆様から賜りました数々のご厚情に対し、遺族一同を代表いたしまして、心より御礼申し上げます。
このような大勢の方々に温かく見送っていただき、故人も安らかに旅立てたことと存じます。今後とも遺族へのご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
精進落としの挨拶文例
【文例7】精進落とし・開始(献杯)
おかげさまで、故人〇〇の葬儀もつつがなく終えることができました。ひとえに皆様のお力添えのおかげと、遺族一同、深く感謝申し上げます。
ささやかではございますが、お食事の席をご用意いたしました。故人を偲びながら、お時間の許す限りごゆっくりおくつろぎください。
それでは、故人の安らかな旅立ちをお祈りし、献杯を行いたいと存じます。恐れ入りますが、お手元のグラスをお持ちください。
故〇〇のご冥福をお祈りして——献杯。
【文例8】精進落とし・締めの挨拶
皆様のおかげで、葬儀を滞りなく終えることができましたこと、遺族一同、心より御礼申し上げます。
また、このような席でさまざまな思い出話をお聞かせいただき、故人がいかに多くの方々に支えられていたかを改めて感じることができました。
これからは家族で力を合わせ、しっかりと歩んでまいる所存でございます。今後とも遺族へのご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、四十九日法要は〇月〇日に執り行う予定でございます。改めてご連絡を申し上げますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
本日は遠路お越しいただき、誠にありがとうございました。どうぞお足元にお気をつけてお帰りください。
立場別の文例
【文例9】妻が喪主の場合(夫が逝去)
本日はお忙しい中、夫〇〇の通夜にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
夫は去る〇月〇日、〇歳にて永眠いたしました。長い間、皆様には公私にわたりお世話になりましたこと、遺族一同を代表し、深く御礼を申し上げます。
夫を突然失い、私もまだ茫然としている部分がございますが、子供たちと力を合わせて歩んでまいりたいと存じます。今後とも変わらぬご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
明日の葬儀は〇時よりこちらにて執り行います。本日は誠にありがとうございました。
【文例10】娘が喪主の場合(母が逝去)
本日はお忙しい中、母〇〇の葬儀・告別式にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
母は〇月〇日、〇歳にて静かに息を引き取りました。生前は皆様に大変よくしていただき、母もいつも喜んでおりました。遺族を代表いたしまして、心より感謝申し上げます。
母は明るく人の面倒見がよく、いつも周りに笑顔をもたらしてくれる人でした。そんな母の姿を胸に刻み、私どもも前を向いて歩んでまいりたいと思っております。
今後とも、私ども家族への変わらぬご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
状況別の文例
【文例11】突然死(急逝)の場合
父は去る〇月〇日、突然のことで〇歳にて急逝いたしました。あまりにも急なことで、私どもはいまだ信じられない思いでおりますが、皆様に温かくお見送りいただけることを、どれほど心強く感じているかわかりません。
生前、皆様に賜りましたご厚情に対し、遺族一同を代表して、厚く御礼申し上げます。
突然のことで至らぬ点もあるかと存じますが、今後とも遺族へのご支援を賜りますようお願い申し上げます。明日の葬儀は〇時よりこちらにて執り行います。本日は誠にありがとうございました。
【文例12】長患いの末に逝去の場合
本日はご多忙の中、亡き〇〇のためにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
〇〇は〇年にわたり〇〇を患い闘病しておりましたが、去る〇月〇日、家族に見守られながら〇歳にて静かに逝去いたしました。長い闘病の末でしたが、最期はとても穏やかな表情でございました。
療養の間、皆様から多大なるお見舞い・ご支援をいただきましたこと、遺族一同、心より感謝申し上げます。本人もさぞかし喜んでいたことと存じます。
今後とも遺族への変わらぬご指導をよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
【文例13】高齢で天寿を全うした場合
本日はご多用の中、亡き父〇〇の葬儀・告別式にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。
父は去る〇月〇日、〇歳にて大往生を遂げました。最期まで自分のやりたいことをやり尽くした、父らしい生涯でした。本人も「おかげさまでいい人生だった」と申しておりましたので、遺族もその言葉を心の支えにしております。
長い生涯を通じて、皆様に大変お世話になりましたことに、遺族一同、深く感謝申し上げます。
今後とも遺族へのご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
家族葬向けの簡略版文例
【文例14】家族葬・通夜後の挨拶
明日は〇時から告別式を執り行います。引き続きよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。
【文例15】家族葬・精進落とし(開始)
ここでゆっくり食事をしながら、〇〇の思い出を話せればと思います。どうぞおくつろぎください。
忌み言葉一覧と言い換え表
葬儀の挨拶では「不幸が重なる」「不吉」を連想させる言葉——忌み言葉——を避けるのがマナーです。気づかず使いがちな言葉が多いため、原稿を作ったら必ず以下と照らし合わせてください。
重ね言葉(繰り返しの表現→不幸が重なることを連想)
| 使ってはいけない言葉 | 正しい言い換え |
|---|---|
| ますます | 一層・さらに・いっそう |
| たびたび・しばしば | 何度も・これほど・いつも |
| わざわざ | 遠路・ご多忙の中 |
| いよいよ | このたびは・ここに |
| 重ね重ね | 厚く・深く |
| 次々に | 数々の・さまざまな |
| くれぐれも | どうぞ・ぜひ |
不幸・死を直接連想させる言葉
| 使ってはいけない言葉 | 正しい言い換え |
|---|---|
| 死亡・死去・亡くなる | 永眠・逝去・他界・旅立つ |
| 急死 | 急逝・突然のこと |
| 生きていたころ | 生前・元気だったころ |
| 自殺・自死 | (触れない。「急逝」と表現する) |
| 消える・落ちる・終わる・絶える・枯れる | (使用しない) |
再発・繰り返しを連想させる言葉
| 使ってはいけない言葉 | 正しい言い換え |
|---|---|
| 再び・再度 | (使用しない。表現を変える) |
| 追って・追いかける | (使用しない) |
| 引き続き | 今後とも・これからも |
| また・またまた | (別の表現に置き換える) |
仏教式では「成仏」「冥福」「御霊」は使えますが、神式・キリスト教式ではこれらの言葉が適切でない場合があります。神式では「御霊(みたま)のご平安」、キリスト教式では「安らかに召される」などの表現を使います。宗教が不明な場合は「安らかにお休みいただきますよう」が無難です。
挨拶を上手にする5つのコツ
| コツ | 具体的な方法 |
|---|---|
| ①前日に声に出して練習する | 原稿を声に出して読むことで、詰まりやすい箇所・言いにくい言葉が事前にわかる。修正のチャンスになる |
| ②原稿を必ず用意して当日持参する | 泣いて言葉が出なくなっても、原稿があれば安心。「原稿を読みながらの挨拶」は失礼ではない |
| ③ゆっくり、はっきり話す | 緊張すると早口になりがち。「いつもの半分の速度」を意識するくらいがちょうどよい |
| ④1〜3分以内にまとめる | 長すぎる挨拶は参列者の負担になる。エピソードは1〜2つに絞る |
| ⑤途中で泣いても大丈夫 | 感情があふれて泣いてしまっても、それ自体が故人への愛情の表れ。少し間を置いてから続ければよい |
喪主が体調不良・高齢・感情が高ぶりすぎて話せない場合は、長男・次男・配偶者など他の遺族が代理で挨拶をしても問題ありません。「喪主の〇〇に代わりまして、長男〇〇よりご挨拶申し上げます」と一言断ってから始めましょう。
よくある質問
まとめ:喪主挨拶のポイント
- 挨拶が必要な主な場面は通夜後・通夜振る舞い・出棺前・精進落としの最大6回
- 挨拶の基本構成は「①自己紹介②お礼③故人の様子④生前の厚情へのお礼⑤今後のお願い・次の案内」
- 原稿を読みながらでよい——ゆっくり、はっきり話すことが最重要
- 長さは1〜3分以内(400〜900字程度)が目安
- 忌み言葉(重ね言葉・死の直接表現・繰り返しを連想させる言葉)を避ける
- 途中で泣いても問題なし。どうしても話せない場合は代理でOK
- 家族葬は自然な言葉で短めに。かしこまらなくてよい
- 精進落としの献杯は静かに・音を立てずが基本マナー
- 前日に声に出して練習するとぐっと楽になる
どうかご無理なさらないでください。葬儀社の担当者もサポートしてくれます。遠慮なく相談してください。
