突然の訃報で慌てる中、「どの葬儀社を選べばいいのか分からない」と悩んでいませんか?特に家族葬を検討している方にとって、「家族葬のファミーユ」と「小さなお葬式」は代表的な選択肢として挙がることが多いでしょう。
しかし、料金体系の違いや、実際のサービス品質、そして「思っていたより高額になった」という後悔を避けるためには、表面的な比較だけでは不十分です。
この記事を読むことで、あなたが得られるもの:
- 2社の料金体系と隠れたコストの完全解明
- 実際の利用者の生の声に基づく客観的評価
- あなたの状況に最適な選択肢の明確な判断基準
- 契約前に確認すべき重要ポイントのチェックリスト
- トラブル回避のための具体的対策
元葬祭ディレクターとして多くの家族葬を手掛けてきた経験から、業界の裏事情も交えながら、あなたが後悔のない選択をできるよう徹底解説いたします。
家族葬市場における2社の位置づけ
近年の家族葬市場は、全体の葬儀の約50%を占めるまで拡大しており(一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会調べ)、その中で「家族葬のファミーユ」と「小さなお葬式」は異なる戦略で市場にアプローチしています。
家族葬のファミーユは、メモリード・ライフ株式会社が運営する家族葬専門ブランドで、全国約400の提携式場を持つ中堅規模の事業者です。家族葬に特化した専門性を前面に押し出し、丁寧なサービスと適正価格を売りにしています。
小さなお葬式は、株式会社ユニクエスト・オンラインが運営する業界最大手の一つで、全国約4,000の提携式場を展開。低価格帯のプランを豊富に用意し、インターネット集客に特化したビジネスモデルが特徴です。
この2社は、価格帯・サービス提供方法・対象顧客層において明確な違いがあり、どちらが優れているかではなく、あなたのニーズにどちらが適しているかが重要な判断基準となります。
【徹底比較】基本情報・料金・サービス内容
基本情報比較
項目家族葬のファミーユ小さなお葬式運営会社メモリード・ライフ株式会社株式会社ユニクエスト・オンライン設立年2009年2006年提携式場数約400箇所約4,000箇所対応エリア全国主要都市圏全国47都道府県専門分野家族葬特化小規模葬儀全般年間施行件数約8,000件約45,000件
主要プラン料金比較
プラン名家族葬のファミーユ小さなお葬式直葬・火葬式19.8万円14.8万円一日葬39.8万円27.8万円家族葬(基本)59.8万円44.8万円家族葬(上位)79.8万円64.8万円
※税込価格、基本プランの場合
【専門家の視点】料金表示の注意点
家族葬のファミーユは「コミコミ価格」を謳っており、基本的な葬儀に必要な項目は料金に含まれています。ただし、お布施や返礼品、料理は別途です。
小さなお葬式は「業界最安値」を前面に出していますが、実際にはオプション料金が発生するケースが多く、最終的な支払額は表示価格より高くなる傾向があります。
【深掘り解説】料金体系の透明化と”要注意ポイント”
家族葬のファミーユの料金に含まれるもの・含まれないもの
✅ 含まれるもの:
- 棺(布張棺)
- 骨壺・骨箱セット
- 遺影写真作成
- 葬儀スタッフ人件費
- 式場使用料(2日間)
- 霊柩車(10km以内)
- 安置料金(3日間)
- ドライアイス(3日分)
- 枕飾り一式
- 祭壇(生花祭壇)
❌ 含まれないもの:
- お布施(10万円〜30万円)
- 返礼品・香典返し(1個500円〜)
- 通夜・告別式の料理(1人3,000円〜)
- 追加の安置料金(4日目以降1日1万円)
- 霊柩車の超過料金(10km超過分)
小さなお葬式の料金に含まれるもの・含まれないもの
✅ 含まれるもの:
- 棺(布張棺)
- 骨壺・骨箱セット
- 遺影写真作成
- 葬儀スタッフ人件費
- 式場使用料(1日間)
- 霊柩車(10km以内)
- 安置料金(1日間)
- ドライアイス(1日分)
❌ 含まれないもの:
- 式場使用料延長(1日2万円〜)
- 追加安置料金(1日1.2万円)
- 枕飾り一式(2万円)
- 生花祭壇のグレードアップ(3万円〜)
- お布施(10万円〜30万円)
- 返礼品・香典返し(1個500円〜)
- 通夜・告別式の料理(1人3,000円〜)
【専門家の視点】実際に見積もりが膨らみやすいポイント
1. 安置期間の延長 死亡から火葬まで、通常3〜5日かかります。小さなお葬式の基本プランは1日分の安置料金のみのため、追加料金が必ず発生します。
2. 式場使用料の延長 通夜・告別式を行う場合、式場を2日間使用するのが一般的ですが、小さなお葬式の基本料金は1日分のみです。
3. 生花祭壇のグレード 基本プランの祭壇は簡素なもので、多くの遺族が「もう少し豪華にしたい」と感じ、平均3〜5万円の追加が発生しています。
4. 参列者数の増加 「家族だけで」と考えていても、実際には親戚や故人の友人が参列を希望することが多く、料理や返礼品の追加費用が必要になります。
【深掘り解説】評判・口コミの多角的分析
家族葬のファミーユの評判分析
【良い評判】
- 「スタッフの対応が丁寧で、初めての葬儀でも安心できた」(50代女性)
- 「料金が明確で、追加費用がほとんどなかった」(60代男性)
- 「家族葬専門だけあって、小規模な葬儀のノウハウがしっかりしている」(40代女性)
【悪い評判】
- 「提携式場の数が少なく、希望の場所での葬儀ができなかった」(50代男性)
- 「他社と比べて料金がやや高め」(30代女性)
- 「急な依頼に対応してもらえなかった」(60代女性)
【中立的な評判】
- 「可もなく不可もなく、普通のサービス」(40代男性)
- 「家族葬には適しているが、一般葬には向かない」(50代女性)
小さなお葬式の評判分析
【良い評判】
- 「基本料金が安く、予算を抑えられた」(40代男性)
- 「全国対応で、田舎でも利用できた」(60代女性)
- 「24時間対応で、深夜でも相談できた」(30代男性)
【悪い評判】
- 「最終的な支払額が、想定より30万円も高くなった」(50代女性)
- 「スタッフの対応にバラつきがあり、不安になった」(40代女性)
- 「式場の質が期待より低かった」(60代男性)
【中立的な評判】
- 「安さを求めるなら良いが、サービス品質は期待しすぎない方が良い」(50代男性)
- 「地域によって対応の質に差がある」(40代女性)
【専門家の視点】悪い評判を回避する対策
家族葬のファミーユで注意すべき点:
- 提携式場の事前確認:希望エリアに式場があるか、必ず事前に確認する
- 料金の詳細見積もり:基本料金以外の費用について、詳細な見積もりを求める
- スケジュールの余裕:急な依頼は断られる可能性があるため、早めの相談を心がける
小さなお葬式で注意すべき点:
- 総額の事前確認:オプション料金を含めた総額を必ず確認する
- 提携式場の品質チェック:可能であれば事前に式場を見学する
- 担当スタッフの確認:経験豊富なスタッフが担当するか確認する
【実践】よくある失敗事例とトラブル回避術
失敗事例1:「思っていたより高額になった」
Aさんの体験談(50代女性): 小さなお葬式の家族葬プラン44.8万円を選択したが、安置期間の延長(3日間)、式場使用料の延長(1日)、生花祭壇のグレードアップ、参列者15名分の料理と返礼品で、最終的に78万円になった。
回避策:
- 契約前に「総額シミュレーション」を依頼する
- 参列者数を多めに見積もって料金を確認する
- 安置期間や式場使用日数を明確にする
失敗事例2:「スタッフの対応が不適切だった」
Bさんの体験談(60代男性): 葬儀当日にスタッフが遅刻し、進行が30分遅れた。また、故人の名前を間違えるなど、基本的なミスが複数発生した。
回避策:
- 事前打ち合わせで担当スタッフの経験年数を確認する
- 葬儀の流れを詳細に確認し、書面で残す
- 緊急連絡先を複数確認しておく
失敗事例3:「式場の設備が不十分だった」
Cさんの体験談(40代女性): 提携式場が古く、バリアフリー対応されていなかった。高齢の参列者が困る結果となった。
回避策:
- 契約前に式場の写真や設備を詳細に確認する
- 可能であれば事前見学を実施する
- 参列者の年齢層を考慮した式場選択をする
【トラブル回避チェックリスト】
契約前に必ず確認すべき項目:
□ 料金の詳細内訳(オプション料金を含む総額) □ 提携式場の所在地と設備(駐車場、バリアフリー等) □ 担当スタッフの経験年数と過去の実績 □ キャンセル料の規定 □ 追加料金が発生する条件の明確化 □ 葬儀の流れと時間配分 □ 緊急時の連絡体制 □ アフターサービス(四十九日法要等)の有無 □ 支払い方法(分割払いの可否) □ 保証制度の内容
利用・実行のステップ解説
家族葬のファミーユを利用する場合
1. 初回相談(電話・Web)
- 24時間365日対応のコールセンターに連絡
- 基本情報(故人情報、希望エリア、参列者数)を伝える
- 概算見積もりを確認
2. 詳細打ち合わせ
- 専任スタッフによる訪問相談
- 詳細な見積書の作成・説明
- 式場の選定と見学(可能な場合)
3. 契約・手続き
- サービス内容の最終確認
- 契約書の締結
- 必要書類の準備(死亡診断書等)
4. 葬儀準備
- 遺体の安置・処置
- 祭壇・花の手配
- 参列者への連絡サポート
5. 通夜・告別式
- 当日の進行管理
- 司会・受付サポート
- 火葬場への同行
6. アフターサポート
- 各種手続きのサポート
- 四十九日法要の相談
- お墓・仏壇の紹介
小さなお葬式を利用する場合
1. 初回相談(電話・Web)
- 24時間365日対応のコールセンターに連絡
- Webから資料請求も可能
- 基本プランの説明
2. プラン選択
- 4つの基本プランから選択
- オプションサービスの検討
- 提携式場の確認
3. 契約・手続き
- 電話での契約も可能
- クレジットカード決済対応
- 必要書類の準備
4. 葬儀準備
- 地域の提携葬儀社との連携
- 基本的な準備の実施
- 追加オプションの最終確認
5. 通夜・告別式
- 提携葬儀社による執行
- 小さなお葬式スタッフによる監督
- 基本的な進行サポート
6. アフターサポート
- 限定的なサポート
- 満足度アンケートの実施
【比較結果】あなたへのおすすめはどっち?
家族葬のファミーユがおすすめの方
✅ こんな方に最適:
- サービス品質を重視し、多少の料金差は許容できる
- 家族葬の経験が豊富なスタッフに任せたい
- 追加料金を抑えたい(料金の透明性を重視)
- アフターサポートも含めて相談したい
- 都市部での葬儀を予定している
具体的なケース:
- 初めての家族葬で、手厚いサポートが欲しい方
- 故人が社会的地位のある方で、一定の品格を保ちたい場合
- 参列者が10名以上で、きちんとした葬儀を希望する場合
小さなお葬式がおすすめの方
✅ こんな方に最適:
- 費用を最優先で抑えたい
- 全国対応が必要(地方在住)
- シンプルな葬儀で十分
- インターネットでの手続きに慣れている
- 直葬や一日葬を検討している
具体的なケース:
- 経済的な理由で葬儀費用を抑える必要がある方
- 故人の希望で「お金をかけない葬儀」を望んでいる場合
- 遠方での急な葬儀が必要な場合
- 参列者が5名以下の本当に小規模な葬儀
【専門家の最終判断】
料金を最重視するなら「小さなお葬式」、**サービス品質と安心感を重視するなら「家族葬のファミーユ」**というのが基本的な選択基準です。
ただし、最終的な支払額で比較すると、両社の差は思っているより小さくなることが多いのも事実です。小さなお葬式は基本料金が安い分、オプション料金で調整されるケースが多く、家族葬のファミーユは最初から適正価格を提示している傾向があります。
重要なのは、見た目の料金だけでなく、あなたが求めるサービスレベルと、実際にかかる総額を比較することです。
よくある質問 (Q&A)
Q1: 両社とも分割払いは可能ですか? A: はい、両社とも分割払いに対応しています。家族葬のファミーユは最大36回払い、小さなお葬式は最大60回払いが可能です。ただし、審査があり、金利手数料が発生します。
Q2: 互助会に入っている場合はどうなりますか? A: 両社とも互助会の積立金を使用することは原則できません。ただし、互助会を解約して積立金を受け取り、それを葬儀代金に充てることは可能です。
Q3: 宗教・宗派の指定はありますか? A: 両社とも仏教、神道、キリスト教、無宗教葬に対応しています。ただし、特殊な宗派や作法がある場合は、事前に対応可能か確認が必要です。
Q4: 火葬場の手配も含まれていますか? A: はい、両社とも火葬場の予約・手配は基本サービスに含まれています。ただし、火葬料金は自治体によって異なり、別途支払いが必要です。
Q5: 葬儀後の法要もお願いできますか? A: 家族葬のファミーユは四十九日法要まで相談可能です。小さなお葬式は基本的に葬儀のみで、法要は別の寺院や葬儀社に依頼する必要があります。
Q6: 急な葬儀でも対応してもらえますか? A: 両社とも24時間365日対応していますが、希望する式場やプランが利用できない場合があります。特に週末や祝日は予約が取りにくいため、複数の選択肢を用意しておくことをおすすめします。
Q7: 生活保護を受けている場合の葬儀はどうなりますか? A: 両社とも生活保護の葬祭扶助制度に対応しています。この場合、自治体から支給される金額内で葬儀を行うことになります(通常20万円程度)。
Q8: コロナ禍での感染症対策はどうなっていますか? A: 両社とも感染症対策ガイドラインに従って運営しています。マスク着用、手指消毒、換気の徹底、参列者数の制限などが実施されています。
Q9: 葬儀保険は使えますか? A: はい、両社とも各種葬儀保険の保険金を葬儀代金に充当することができます。保険会社によって手続きが異なるため、事前に確認することをおすすめします。
Q10: 契約後のキャンセルは可能ですか? A: 契約後8日以内であれば、クーリングオフ制度により無条件でキャンセルできます。それ以降は、葬儀の進行状況に応じてキャンセル料が発生します。
最後に、消費者庁からの注意喚起として、葬儀サービスに関する契約トラブルが年間約3,000件報告されています(国民生活センター調べ)。その多くが「料金の不透明性」と「サービス内容の相違」によるものです。
どちらの業者を選ぶにしても、契約前の詳細確認と書面での記録を怠らず、納得できるまで質問することが、後悔のない葬儀を実現する最も重要なポイントです。
故人を偲ぶ大切な時間を安心して過ごせるよう、この記事の情報を参考に、あなたにとって最適な選択をしていただければ幸いです。