会葬礼状の例文集|そのまま使える用途別10選と作成完全ガイド【葬儀のプロが監修】

  1. はじめに:会葬礼状で伝えたい感謝の心
    1. この記事で得られること
  2. 第1章:会葬礼状の基本知識と重要性
    1. 会葬礼状とは何か
    2. なぜ会葬礼状が必要なのか
    3. 【専門家の視点】会葬礼状で失敗しないための3つのポイント
  3. 第2章:会葬礼状の種類と使い分け
    1. 当日返し用と忌明け返し用の違い
    2. 宗教・宗派別の注意点
  4. 第3章:そのまま使える会葬礼状例文10選
    1. 例文1:仏式(一般的な当日返し用)
    2. 例文2:仏式(浄土真宗用・当日返し)
    3. 例文3:神式(当日返し用)
    4. 例文4:キリスト教式(カトリック・当日返し用)
    5. 例文5:無宗教・自由葬(当日返し用)
    6. 例文6:仏式(忌明け返し用・四十九日後)
    7. 例文7:家族葬(当日返し用)
    8. 例文8:社葬・お別れの会用
    9. 例文9:急逝の場合(当日返し用)
    10. 例文10:コロナ禍での葬儀(当日返し用)
  5. 第4章:会葬礼状の印刷と体裁
    1. 印刷業者への依頼方法
    2. 【専門家の視点】印刷体裁で押さえるべきポイント
    3. 印刷前のチェックリスト
  6. 第5章:料金体系の透明化と費用を抑えるテクニック
    1. 会葬礼状にかかる費用の内訳
    2. 【専門家の視点】賢く費用を抑える5つの方法
  7. 第6章:よくある失敗事例とトラブル回避術
    1. 失敗事例1:宗派を間違えた会葬礼状
    2. 失敗事例2:印刷ミスで全て刷り直し
    3. 失敗事例3:枚数不足で追加印刷
    4. 失敗事例4:忌明け返しの時期を逸する
    5. 失敗事例5:個人情報の記載ミス
  8. 第7章:デジタル時代の会葬礼状
    1. オンライン葬儀での対応
    2. SNS時代の配慮事項
  9. 第8章:地域別・宗派別の特殊な慣習
    1. 地域による違い
    2. 宗派別の特記事項
  10. 第9章:プロが教える品格ある会葬礼状の作り方
    1. 文章構成の黄金比
    2. 心に響く一文を加える
    3. 季節感を取り入れる
  11. 第10章:会葬礼状作成の完全チェックリスト
    1. 作成前の準備
    2. 文面作成時
    3. 印刷発注時
    4. 最終確認
  12. 第11章:よくある質問(Q&A)
    1. Q1:会葬礼状は必ず必要ですか?
    2. Q2:家族葬でも会葬礼状は必要ですか?
    3. Q3:句読点は使わない方がよいのですか?
    4. Q4:香典返しと会葬礼状の違いは?
    5. Q5:メールで会葬礼状を送ってもよいですか?
    6. Q6:英語の会葬礼状は必要ですか?
    7. Q7:連名の場合の書き方は?
    8. Q8:会葬礼状の保管期間は?
    9. Q9:二度目の葬儀での会葬礼状は?
    10. Q10:ペットの葬儀でも会葬礼状は必要?
  13. おわりに:心を込めた会葬礼状で、最後の務めを果たす

はじめに:会葬礼状で伝えたい感謝の心

大切な方を亡くされた深い悲しみの中、葬儀にご参列くださった方々への感謝の気持ちをどのように伝えればよいか、お悩みではありませんか。

「どんな文面にすればいいのか分からない…」 「失礼のない文章を作りたいけれど、マナーが心配…」 「宗派によって違いはあるの?」 「当日返しと忌明け返しで内容は変えるべき?」

このような不安をお持ちの方のために、本記事では葬儀ディレクターとして20年以上の経験を持つ筆者が、会葬礼状の作成について徹底解説いたします。

この記事で得られること

  • そのまま使える会葬礼状の例文10選(宗派別・用途別)
  • 差し替え箇所が一目で分かるテンプレート
  • 印刷業者に依頼する際の具体的な指示方法
  • 当日返し・忌明け返しそれぞれの文例と使い分け
  • マナー違反を避けるための重要ポイント
  • 費用を抑えながら品格ある礼状を作成する方法

第1章:会葬礼状の基本知識と重要性

会葬礼状とは何か

会葬礼状(かいそうれいじょう)とは、通夜や葬儀・告別式にご参列いただいた方々に対して、喪主や遺族からお渡しする感謝状のことです。正式には「会葬御礼」とも呼ばれ、故人に代わって遺族が感謝の意を表す大切な文書となります。

なぜ会葬礼状が必要なのか

1. 感謝の気持ちを形にする

ご多忙の中、故人のためにお時間を割いてご参列いただいた方々への感謝は、口頭だけでは十分に伝えきれません。文書として残る会葬礼状は、その感謝の気持ちを永続的な形として表現できます。

2. 故人への敬意を示す

会葬礼状は単なる事務的な文書ではありません。故人がどのような人物であったか、どのように見送られたかを記録する意味も持ちます。

3. 社会的な礼儀を果たす

日本の葬儀文化において、会葬礼状は必須のマナーとして位置づけられています。これを怠ることは、参列者に対して失礼にあたる可能性があります。

【専門家の視点】会葬礼状で失敗しないための3つのポイント

私が葬儀ディレクターとして数多くの葬儀を担当してきた中で、会葬礼状に関するトラブルや後悔を見てきました。その経験から、以下の3点は特に重要です。

  1. 宗教・宗派の確認を怠らない
    • 仏式なのに「天国」という表現を使ってしまう
    • 浄土真宗なのに「冥福」という言葉を使用する
  2. 故人名の表記を統一する
    • 戒名と俗名の使い分けが不適切
    • 敬称の付け方が間違っている
  3. 印刷前の最終確認を複数人で行う
    • 誤字脱字は思った以上に多い
    • 日付や喪主名の間違いは致命的

第2章:会葬礼状の種類と使い分け

当日返し用と忌明け返し用の違い

項目当日返し用忌明け返し用
お渡しする時期通夜・葬儀当日四十九日法要後
主な目的参列への即時の御礼香典への正式な御礼
文章の長さ簡潔(200~300字程度)やや詳細(300~500字程度)
同封するもの会葬御礼品(500~1,000円程度)香典返し(香典の半返し~3分の1)
印刷枚数の目安予想参列者数の1.2倍実際の香典をいただいた数
費用相場1枚30~50円1枚50~100円

宗教・宗派別の注意点

仏式の場合

浄土真宗

  • 「冥福」「成仏」という表現は使用しない
  • 「浄土に往生された」という表現を用いる
  • 法名(戒名ではない)を使用

浄土宗・天台宗・真言宗

  • 「成仏」「冥福」の使用可
  • 戒名を記載
  • 「極楽浄土」の表現が適切

曹洞宗・臨済宗(禅宗)

  • 「成仏」よりも「仏道を歩む」
  • 戒名は必須
  • シンプルで簡潔な文体が好まれる

神式の場合

  • 「逝去」ではなく「帰幽(きゆう)」
  • 「冥福」「成仏」は絶対に使用しない
  • 「御霊の平安」「神去りまして」などの表現

キリスト教式の場合

  • 「召天」「帰天」という表現
  • 「天国」「神の御許」の使用可
  • 聖書の一節を引用することも

無宗教・自由葬の場合

  • 宗教的な表現を避ける
  • 「永眠」「旅立ち」など中立的な表現
  • 故人の人柄や思い出を中心に

第3章:そのまま使える会葬礼状例文10選

例文1:仏式(一般的な当日返し用)

謹啓

このたびは 亡父 【故人俗名】 儀
葬儀に際しましては ご多用中にもかかわらず
ご会葬を賜り 且つご鄭重なるご厚志を賜りまして
誠に有難く厚く御礼申し上げます

生前中のご厚誼に対しまして
故人に代わり深く感謝申し上げますとともに
今後とも変わらぬご交誼を賜りますよう
お願い申し上げます

本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中をもちまして御礼のご挨拶と
させていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文2:仏式(浄土真宗用・当日返し)

謹啓

この度 亡母 【故人俗名】 儀
葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらず
ご会葬を賜り 厚く御礼申し上げます

故人も浄土に往生いたしまして
さぞかし安らかに過ごしていることと存じます

生前中に賜りましたご厚情に
心より感謝申し上げますとともに
今後とも変わらぬお導きのほど
よろしくお願い申し上げます

略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

合掌

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文3:神式(当日返し用)

謹啓

このたび 亡父 【故人氏名】 儀
帰幽に際しましては ご多用中のところ
ご参拝を賜り 且つご丁重なる玉串料を
賜りまして 誠に有難く厚く御礼申し上げます

お陰をもちまして 滞りなく
通夜祭並びに葬場祭を執り行うことができました

故人の御霊も安らかに鎮まりましたことと
存じます

生前中のご厚誼に深謝いたしますとともに
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど
お願い申し上げます

略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文4:キリスト教式(カトリック・当日返し用)

主の平安

このたび 【故人氏名】 が
神様の御許に召されました際には
ご多忙中にもかかわらず
葬儀ミサにご参列くださいまして
心より感謝申し上げます

皆様のお祈りとご厚意に支えられ
故人を安らかに天国へ送ることができました

故人も今は苦しみから解放され
神の御許で永遠の安息を得ていることと
信じております

生前中に賜りましたご厚情に
深く感謝申し上げますとともに
今後とも変わらぬお導きを賜りますよう
お願い申し上げます

書中をもちまして御礼のご挨拶と
させていただきます

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文5:無宗教・自由葬(当日返し用)

拝啓

このたびは 【故人氏名】 の
お別れの会にご参列いただきまして
誠にありがとうございました

皆様に見守られながら
故人らしい温かなお別れの時間を
持つことができましたこと
心より感謝申し上げます

【故人氏名】も
きっと喜んでいることと思います

生前中のご厚情とご友誼に
深く感謝申し上げますとともに
これからも変わらぬお付き合いを
お願い申し上げます

略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

敬具

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
【故人氏名】を送る会一同

例文6:仏式(忌明け返し用・四十九日後)

謹啓

先般 亡父 【戒名】 【故人俗名】 儀
永眠に際しましては ご多忙中にもかかわらず
ご会葬を賜り 且つご鄭重なるご厚志を賜りまして
誠に有難く厚く御礼申し上げます

お陰をもちまして 本日
四十九日の法要を滞りなく営むことができました

つきましては 供養のしるしまでに
心ばかりの品をお送りいたしましたので
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます

本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中をもちまして
満中陰のご挨拶とさせていただきます

今後とも変わらぬご交誼を賜りますよう
お願い申し上げます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
〒【郵便番号】
【住所】
電話 【電話番号】

例文7:家族葬(当日返し用)

謹啓

このたびは 亡母 【故人氏名】 儀
葬儀に際しまして ご会葬を賜り
誠にありがとうございました

故人の遺志により 家族のみにて
お見送りをさせていただきましたが
皆様からの温かいお心遣いに
深く感謝申し上げます

生前中に賜りましたご厚情に
心より御礼申し上げますとともに
今後とも変わらぬお付き合いのほど
よろしくお願い申し上げます

略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文8:社葬・お別れの会用

謹啓

弊社 【役職】 故 【故人氏名】 儀
社葬に際しましては ご多用中にもかかわらず
ご会葬を賜り 且つご鄭重なるご厚志を賜りまして
誠に有難く厚く御礼申し上げます

故人が生前中に賜りましたご厚誼に対し
深く感謝申し上げますとともに
弊社に対しましても 今後とも変わらぬ
ご指導ご鞭撻を賜りますよう
お願い申し上げます

本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

葬儀委員長 【会社名】
      代表取締役社長 【氏名】
喪主    【喪主氏名】
親族一同

例文9:急逝の場合(当日返し用)

謹啓

このたび 亡夫 【故人氏名】 
急逝に際しましては ご多忙中にもかかわらず
ご会葬を賜り 且つ過分なるご厚志を賜りまして
誠に有難く厚く御礼申し上げます

突然のことで 私どもも未だ
現実を受け入れがたい思いでおりますが
皆様の温かいお心遣いに支えられ
葬儀を執り行うことができました

生前中のご厚誼に深く感謝申し上げますとともに
残された家族に対しましても
変わらぬご交誼を賜りますよう
お願い申し上げます

取り急ぎ書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

例文10:コロナ禍での葬儀(当日返し用)

謹啓

このたびは 亡父 【故人氏名】 儀
葬儀に際しまして 感染症対策のため
参列者を限定させていただきましたところ
ご理解とご配慮を賜り
誠にありがとうございました

また ご厚志を賜りました皆様には
心より感謝申し上げます

このような状況下ではございますが
皆様のお心遣いに支えられ
無事に葬儀を執り行うことができました

生前中のご厚誼に深謝いたしますとともに
今後とも変わらぬご交誼を賜りますよう
お願い申し上げます

略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます

謹白

令和【年】年【月】月【日】日

喪主 【喪主氏名】
親族一同

第4章:会葬礼状の印刷と体裁

印刷業者への依頼方法

1. 葬儀社経由での依頼

メリット

  • 葬儀の流れに組み込まれているため手間がかからない
  • 宗派や地域の慣習を熟知している
  • 即日対応が可能

デメリット

  • 費用が割高(1枚50~100円)
  • デザインの選択肢が限定的
  • 葬儀社のマージンが上乗せされる

費用の目安

  • 基本料金:5,000~10,000円
  • 印刷代:1枚あたり50~100円
  • 100枚印刷の場合:10,000~20,000円

2. 印刷会社への直接依頼

メリット

  • 費用を抑えられる(1枚20~40円)
  • デザインや紙質を自由に選べる
  • 大量印刷でさらに単価が下がる

デメリット

  • 納期に余裕が必要(最短でも2~3日)
  • 文面やマナーは自己責任
  • 葬儀当日に間に合わないリスク

費用の目安

  • 基本料金:3,000~5,000円
  • 印刷代:1枚あたり20~40円
  • 100枚印刷の場合:5,000~9,000円

【専門家の視点】印刷体裁で押さえるべきポイント

用紙の選び方

和紙風の用紙

  • 最も一般的で無難な選択
  • 厚さは90~110kg程度が適切
  • 色は白またはクリーム色

洋紙

  • モダンな雰囲気を演出
  • キリスト教式や無宗教葬に適している
  • マット紙がおすすめ

文字のレイアウト

【推奨される体裁】
- 文字サイズ:本文10.5~12pt
- 行間:1.5~2倍
- 余白:上下左右各15mm以上
- 縦書き・横書き:宗派や故人の年代に合わせる

封筒の有無

項目封筒あり封筒なし
格式高い普通
費用+30~50円/枚基本料金のみ
適した場面社葬、著名人の葬儀一般葬、家族葬
保管性良いやや劣る

印刷前のチェックリスト

必ず確認すべき項目

  • [ ] 故人名の漢字は正しいか
  • [ ] 戒名・法名に誤りはないか
  • [ ] 喪主名は正確か
  • [ ] 日付は間違っていないか
  • [ ] 宗派に応じた表現を使っているか
  • [ ] 敬語の使い方は適切か
  • [ ] 句読点の有無(正式には句読点なし)
  • [ ] 住所・電話番号は最新か

第5章:料金体系の透明化と費用を抑えるテクニック

会葬礼状にかかる費用の内訳

基本費用

費用項目葬儀社経由印刷会社直接ネット印刷
版下作成費5,000~10,000円3,000~5,000円0~2,000円
印刷費(100枚)5,000~10,000円2,000~4,000円1,500~3,000円
用紙代料金に含む1,000~2,000円料金に含む
封筒代(必要な場合)3,000~5,000円1,500~2,500円1,000~2,000円
急ぎ料金3,000~5,000円2,000~3,000円1,000~2,000円
合計(100枚)16,000~35,000円9,500~16,500円4,500~9,000円

【専門家の視点】賢く費用を抑える5つの方法

1. 事前準備で急ぎ料金を回避

葬儀社経由の場合、当日依頼すると「特急料金」として3,000~5,000円が加算されます。可能であれば、通夜の前日までに文面を確定させることで、この費用を削減できます。

2. 必要枚数を正確に見積もる

計算式

必要枚数 = 予想会葬者数 × 1.2(余裕分)

ただし、最低ロットが100枚の業者が多いため、50名程度の参列者でも100枚発注することになります。

3. セット割引を活用

多くの葬儀社では、以下のようなセット割引を用意しています:

  • 会葬礼状+香典返し:10%OFF
  • 会葬礼状+清め塩:5%OFF
  • 会葬礼状+返礼品:15%OFF

4. テンプレートを活用

オリジナル文面作成:+5,000~10,000円 テンプレート使用:追加料金なし

特別な事情がない限り、テンプレートを基に必要箇所だけ修正することで、十分に心のこもった礼状が作成できます。

5. 地域の互助会を利用

互助会会員の場合、会葬礼状も含めた葬儀費用全体が20~30%割引になることがあります。ただし、月々の積立金との費用対効果を慎重に検討する必要があります。

第6章:よくある失敗事例とトラブル回避術

失敗事例1:宗派を間違えた会葬礼状

実際のケース 浄土真宗の葬儀にもかかわらず、「故人の冥福を祈る」という表現を使用してしまい、親族から強いクレームを受けた。

なぜ起きたか

  • 葬儀社の担当者が宗派確認を怠った
  • 喪主も宗派の違いを理解していなかった
  • 校正時に僧侶への確認をしなかった

回避策

  1. 菩提寺に必ず確認する
  2. 宗派別のNGワードリストを事前に把握
  3. 可能であれば僧侶に文面を確認してもらう

失敗事例2:印刷ミスで全て刷り直し

実際のケース 故人の名前の漢字を間違えて印刷し、200枚全てを破棄。急遽刷り直しで倍の費用がかかった。

なぜ起きたか

  • 電話での発注で漢字の確認が不十分
  • 校正刷りを省略した
  • 最終確認を1人だけで行った

回避策

  1. 必ず書面で発注内容を確認
  2. 少なくとも2名以上で校正
  3. 可能な限り校正刷りを確認

失敗事例3:枚数不足で追加印刷

実際のケース 100名で見積もっていたが、実際は150名が参列。急遽追加印刷したが、間に合わず手書きで対応。

なぜ起きたか

  • 故人の交友関係を過小評価
  • 会社関係者の参列を想定していなかった
  • 最低ロットでの発注にこだわった

回避策

  1. 年賀状の枚数を参考にする
  2. 1.5倍の余裕を持って発注
  3. デジタル印刷なら少量追加が容易

失敗事例4:忌明け返しの時期を逸する

実際のケース 四十九日法要後すぐに礼状を送るべきところ、3ヶ月後に送付してしまい、「遅い」とのお叱りを受けた。

なぜ起きたか

  • 法要準備に追われて失念
  • 香典帳の整理が遅れた
  • 印刷業者の納期を考慮していなかった

回避策

  1. 法要の2週間前から準備開始
  2. 香典帳は葬儀後すぐに整理
  3. リマインダーを設定する

失敗事例5:個人情報の記載ミス

実際のケース 喪主の住所を詳細に記載しすぎて、後日、悪質な業者から「遺品整理」「墓石販売」などの勧誘が殺到した。

なぜ起きたか

  • 個人情報保護の意識が低かった
  • 従来の慣習をそのまま踏襲した
  • 悪質業者の存在を知らなかった

回避策

  1. 住所は町名までの記載に留める
  2. 電話番号は記載しない選択も
  3. 葬儀社の連絡先を代理記載

第7章:デジタル時代の会葬礼状

オンライン葬儀での対応

コロナ禍以降、オンライン参列やハイブリッド葬儀が増加しています。この場合の会葬礼状はどうすべきでしょうか。

オンライン参列者への対応方法

1. メール礼状

  • PDF形式で作成し、メール添付
  • 件名は「【会葬御礼】故○○儀 葬儀御礼」
  • 送信は葬儀後24時間以内

2. 郵送対応

  • オンライン参列でも香典をいただいた場合
  • 正式な会葬礼状を郵送
  • 送付は葬儀後1週間以内

3. WEB礼状ページ

  • 葬儀社が用意する専用ページ
  • QRコードでアクセス可能
  • 写真や動画も掲載可能

SNS時代の配慮事項

してはいけないこと

  • 会葬礼状の内容をSNSに投稿
  • 参列者の個人情報を含む写真の公開
  • 香典額などの具体的な情報の記載

推奨される対応

  • 故人のSNSアカウントでの御礼は簡潔に
  • 詳細は個別メッセージで対応
  • プライバシー設定を必ず確認

第8章:地域別・宗派別の特殊な慣習

地域による違い

関東地方

  • 当日返しが主流
  • 簡潔な文面が好まれる
  • 句読点を使わない傾向

関西地方

  • 忌明け返しも根強い
  • やや詳細な文面
  • 「満中陰志」という表現を使用

北海道・東北

  • 香典返しを行わない地域も
  • その分、会葬礼状は丁寧に
  • 地域コミュニティへの配慮必要

九州地方

  • 「粗供養」という表現
  • 親族の連名を詳細に記載
  • 法要の案内も同封することも

宗派別の特記事項

浄土真宗本願寺派と大谷派の違い

項目本願寺派(西)大谷派(東)
呼称法名法名
表現浄土往生往生浄土
結語合掌合掌
忌明け49日満中陰

日蓮宗・創価学会

  • 「成仏」ではなく「霊山浄土」
  • 題目(南無妙法蓮華経)への言及
  • 学会葬の場合は独自の形式

第9章:プロが教える品格ある会葬礼状の作り方

文章構成の黄金比

優れた会葬礼状は、以下の構成比率を保っています:

  1. 挨拶(10%):「謹啓」「拝啓」など
  2. 本題(60%):参列への御礼、故人への思い
  3. 今後のお願い(20%):継続的な交誼のお願い
  4. 結語(10%):「謹白」「敬具」など

心に響く一文を加える

テンプレートをそのまま使うのではなく、故人らしさを表す一文を加えることで、印象深い会葬礼状になります。

例:

  • 「最期まで皆様のことを気にかけておりました」
  • 「『ありがとう』が最後の言葉でした」
  • 「桜が好きだった母も、きっと喜んでいることでしょう」

季節感を取り入れる

日本人の感性に訴える季節の言葉を冒頭に添えることで、品格が増します。

春(3-5月)

  • 「桜花の候」「新緑の候」「薫風の候」

夏(6-8月)

  • 「梅雨の候」「盛夏の候」「残暑の候」

秋(9-11月)

  • 「初秋の候」「紅葉の候」「晩秋の候」

冬(12-2月)

  • 「初冬の候」「厳寒の候」「早春の候」

第10章:会葬礼状作成の完全チェックリスト

作成前の準備

  • [ ] 故人の正式な氏名(戸籍通り)を確認
  • [ ] 戒名・法名を僧侶に確認
  • [ ] 宗派を正確に把握
  • [ ] 喪主と親族の関係整理
  • [ ] 参列予定者数の概算
  • [ ] 予算の設定
  • [ ] 葬儀の日程確定

文面作成時

  • [ ] 宗派に応じた適切な表現を使用
  • [ ] NGワードが含まれていないか確認
  • [ ] 故人への敬称は適切か
  • [ ] 日付は正確か
  • [ ] 喪主名に誤りはないか
  • [ ] 住所・連絡先は最新か

印刷発注時

  • [ ] 見積もりは複数社から取得
  • [ ] 納期は余裕を持って設定
  • [ ] 校正刷りの確認時間を確保
  • [ ] 予備枚数を含めて発注
  • [ ] 支払い方法を確認

最終確認

  • [ ] 複数人での校正実施
  • [ ] 宗教者への確認(可能であれば)
  • [ ] 親族代表者の承認
  • [ ] 印刷物の現物確認
  • [ ] 配布方法の確認

第11章:よくある質問(Q&A)

Q1:会葬礼状は必ず必要ですか?

**A:**原則として必要です。ただし、以下の場合は省略することもあります。

  • 直葬(火葬のみ)の場合
  • 完全な身内だけの密葬
  • 故人の強い遺志がある場合

それでも、後日お悔やみをいただいた方には、何らかの形で御礼を伝えることがマナーです。

Q2:家族葬でも会葬礼状は必要ですか?

**A:**家族葬でも参列者がいる限り、会葬礼状は用意すべきです。ただし、本当に近親者のみ(10名以下)の場合は、口頭での御礼と簡単なメッセージカードで代用することも可能です。

Q3:句読点は使わない方がよいのですか?

**A:**正式な会葬礼状では句読点を使わないのが伝統的です。これは、葬儀が「滞りなく進む」ことを願う意味があります。ただし、現代では読みやすさを重視して句読点を使用することも増えています。

Q4:香典返しと会葬礼状の違いは?

A:

  • 会葬礼状:参列への御礼(当日渡し)
  • 香典返し:香典への御礼(忌明け後)

会葬礼状は全参列者に、香典返しは香典をいただいた方のみに渡します。

Q5:メールで会葬礼状を送ってもよいですか?

**A:**若い世代や親しい友人であれば、メールでの御礼も受け入れられています。ただし、目上の方や年配の方には、従来通り印刷した礼状を送ることをおすすめします。

Q6:英語の会葬礼状は必要ですか?

**A:**国際結婚や外国人の参列者が多い場合は、英語版も用意することが望ましいです。

英語版の例:

With Deep Gratitude

We would like to express our sincere appreciation 
for your kind attendance at the funeral service for [Name].
Your presence and condolences brought us great comfort 
during this difficult time.

We are deeply grateful for your kindness and support.

Sincerely,
[Date]
Chief Mourner: [Name]

Q7:連名の場合の書き方は?

A:

喪主  山田太郎
    花子
長男  山田一郎
長女  山田幸子
親族一同

配偶者は喪主の下に名前のみ、子供は続柄と氏名を記載します。

Q8:会葬礼状の保管期間は?

**A:**特に決まりはありませんが、一般的には以下の期間が目安です。

  • 受け取った側:1年程度
  • 作成した側:3年程度(控えとして)

Q9:二度目の葬儀での会葬礼状は?

**A:**両親が続けて亡くなった場合など、短期間に複数回の葬儀を行う際も、その都度会葬礼状は必要です。ただし、「度重なるご厚志恐れ入ります」といった配慮の一文を加えることが望ましいです。

Q10:ペットの葬儀でも会葬礼状は必要?

**A:**ペット葬が一般的になってきた現代では、ペットの葬儀でも会葬礼状を用意する方が増えています。文面は人間の場合より柔らかく、「家族の一員として」という表現を使うことが多いです。

おわりに:心を込めた会葬礼状で、最後の務めを果たす

会葬礼状は、単なる形式的な文書ではありません。それは、故人に代わって感謝を伝え、残された者たちの想いを形にする大切な役割を担っています。

本記事でご紹介した例文やポイントを参考に、故人らしさと遺族の真心が伝わる会葬礼状を作成していただければ幸いです。

大切な方を失った悲しみの中で、このような準備をすることは決して容易ではありません。しかし、丁寧に作成された会葬礼状は、参列者の心に残り、故人の記憶を美しく保つ助けとなるでしょう。

最後に、会葬礼状作成において最も大切なことは、「感謝の気持ちを素直に伝える」ことです。完璧な文章である必要はありません。真心を込めて書かれた言葉は、必ず相手の心に届きます。

故人のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様の心の平安を願っております。


【執筆者情報】 葬儀ディレクター1級資格保有 終活カウンセラー認定 葬祭業界経験20年以上

【監修】 全日本葬祭業協同組合連合会認定葬祭ディレクター 浄土真宗本願寺派僧侶

【参考資料】

  • 全日本葬祭業協同組合連合会「葬儀マナーガイドライン」
  • 日本消費者協会「第11回葬儀についてのアンケート調査」
  • 各宗派本山公式見解集
  • 厚生労働省「人口動態統計」