死亡届・火葬許可証の手続き完全ガイド【書き方・提出期限・夜間対応・埋葬許可証との違い】

この度はご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。死亡届・火葬許可証の手続きは葬儀の前に必ず必要です。この記事で手順を確認してください。

死亡届は「死亡の事実を知った日から7日以内」に役所へ提出する義務があります。提出すると同時に火葬許可証が発行され、火葬はこの許可証がないと行えません。ほとんどの場合は葬儀社が代行してくれますが、流れを把握しておくことで不安が軽減されます。

この記事でわかること

  • 死亡届と死亡診断書の違い・関係
  • 死亡届の提出期限・提出先・届出人になれる人
  • 死亡届の書き方(記入項目を1つずつ解説)
  • 火葬許可証の取得手順と火葬場への提出方法
  • 火葬許可証と埋葬許可証の違い
  • 夜間・土日・年末年始の提出方法
  • 葬儀社に代行してもらう場合の注意点
  • 許可証を紛失した場合の再発行方法
  • 死亡届提出後に続く手続き一覧

死亡届・死亡診断書とは——書類の基本

死亡診断書と死亡届は「同じ1枚の用紙」

死亡届と死亡診断書(または死体検案書)は、A3サイズ1枚の用紙の左半分が「死亡届」、右半分が「死亡診断書」という一体の書類です。

書類名 記入者 内容
死亡診断書(右半分) 担当医師(病院) 死亡日時・死亡場所・死因など。医師が記入し署名・押印する
死体検案書(右半分) 監察医・警察委託医師 事故死・突然死・自殺など「異状死」の場合。警察から渡される
死亡届(左半分) 届出人(遺族等) 故人の氏名・本籍・住所・死亡日時など。遺族が記入して提出
💡 死亡診断書は必ずコピーを10枚以上取っておく

死亡届を役所に提出すると、死亡診断書(右半分)は役所に回収されて返却されません。しかし死亡診断書のコピーは年金・保険・銀行口座相続など多くの手続きで必要になります。役所に提出する前に必ずコピーを10枚程度取っておいてください。一度提出してしまうと入手が困難になります。

書類の入手方法

  • 病院で亡くなった場合:担当医師が死亡診断書(右半分)を記入した用紙(左半分が死亡届)を渡してくれる
  • 自宅で亡くなった場合:かかりつけ医に連絡すると医師が記入した書類を渡してくれる
  • 事故死・突然死・原因不明:警察に連絡→警察委託医師による検案→死体検案書が発行される
  • 死亡届用紙のみ必要な場合:市区町村役場の窓口・ホームページからダウンロード可

提出期限・提出先・届出人

提出期限

状況 提出期限 根拠法令
国内で死亡した場合 死亡の事実を知った日から7日以内 戸籍法第86条
国外で死亡した場合 死亡の事実を知った日から3ヶ月以内 戸籍法第87条
⚠️「死亡から7日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から7日以内」

期限のカウントは「死亡した日」ではなく「死亡の事実を知った日」からです。遠方に住んでいて訃報を翌日に受けた場合は、受けた日から7日間が期限となります。とはいえ火葬は火葬許可証がないと行えないため、実際には葬儀・火葬前(2〜3日以内)に提出することになります。

⚠️ 期限を過ぎると5万円以下の過料(戸籍法第137条)

正当な理由なく期限を過ぎた場合、届出人に5万円以下の過料が科される可能性があります。また年金の不正受給や各種手続きの停滞などの問題も生じます。

提出先

以下のいずれか1ヶ所の役所に提出します。

提出できる役所 窓口
故人の死亡地の市区町村役場 戸籍係・市民課
故人の本籍地の市区町村役場 戸籍係・市民課
届出人の所在地の市区町村役場 戸籍係・市民課
よくある間違い:「故人の住所地」に出してはいけない
届出人の住所地(住民票の住所)は提出可能ですが、故人の住所地(死亡地以外)には提出できません。死亡地・本籍地・届出人の所在地の3ヶ所のみが有効です。

届出人になれる人

区分 届出人になれる人
親族 6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族
同居人等 同居していた方・家主・地主・家屋管理人・土地管理人
後見人等 後見人・保佐人・補助人・任意後見人
届出人(書類に署名・押印する人)と実際に役所に提出する人は別人でも構いません。提出を代理する場合に委任状は不要です。ただし書類に不備があった場合は届出人本人が窓口に出向く必要が生じることがあります。葬儀社が代行することが一般的です。

死亡届の書き方

📝 死亡届の記入項目と注意点
記入項目 記入内容と注意点
死亡者の氏名・生年月日 戸籍通りの正確な表記で記入。旧字・異体字がある場合は原則それに合わせる
死亡日時 死亡診断書と同じ日時を記入。元号(令和等)+24時間表記。例:令和7年6月1日15時30分
死亡場所 都道府県名から詳細に記入。病院・施設の場合はその名称も記入。自宅の場合は「自宅」と住所を記入
死亡者の住所 住民票上の住所を記入
死亡者の本籍 戸籍上の本籍地(都道府県から筆頭者の氏名まで)
世帯主との続柄 故人と世帯主の関係(世帯主本人・世帯主の妻・長男など)
配偶者の有無 婚姻・未婚・離婚・死別のいずれかを選択
死亡した時の世帯のおもな仕事 農業・自営業・会社員・無職など。レ点でチェック
職業・産業 国勢調査のための欄。任意記入。不明な場合は空欄でよい
届出人の氏名・住所・本籍・続柄・印鑑 続柄は「故人から見た関係」で記入(例:長男、妻)。認印可。修正液・消しゴムは使用不可。黒または青のボールペンで記入
💡 書き間違えた場合——修正液は使えない

間違えた場合は二重線で消し、その上に届出人の認印を押すのが正しい訂正方法です。修正液・修正テープ・消しゴムは使用できません。また鉛筆や消えるボールペンも不可です。

役所の窓口に行く際、「火葬する火葬場の名前」と「届出人と故人の関係」を必ず聞かれます。用紙の欄外にメモしておくとスムーズです。

死亡届から火葬許可証取得までの手順

🔄 死亡届→火葬許可証→埋葬許可証 の流れ
1
医師から死亡診断書(一体用紙)を受け取る
死亡確認後、担当医師が右半分(死亡診断書)を記入して渡してくれる
2
死亡診断書のコピーを10枚以上取る
提出すると原本は返却されないため、後の手続き用にコピーを先に用意
3
死亡届(左半分)を記入する
届出人が記入・押印。葬儀社が代行記入してくれることが多い
4
火葬場を予約する
火葬許可申請書に火葬場名を記入する必要があるため、先に予約しておく。葬儀社が代行することが多い
5
役所に死亡届・火葬許可申請書を提出する
死亡地・本籍地・届出人所在地のいずれかの役所の戸籍係へ。自治体によっては死亡届受理で自動的に火葬許可証が発行される
6
火葬許可証を受け取る
書類に不備がなければその場で発行される。大切に保管する
7
火葬当日、火葬場(管理事務所)に火葬許可証を提出する
火葬許可証がないと火葬はできない
8
火葬後、「火葬執行済」の証印が押された許可証を受け取る
これが「埋葬許可証」となる。納骨まで大切に保管する
9
納骨の際、埋葬許可証を墓地・納骨堂に提出する
これですべての書類手続きが完了

火葬許可証と埋葬許可証の違い

書類名 発行タイミング 使う場面 備考
火葬許可証 死亡届提出時に役所から発行 火葬当日に火葬場へ提出 「埋火葬許可証」と呼ぶ自治体もある
埋葬許可証 火葬後に火葬場から「火葬執行済」の証印が押されて返却 納骨の際に墓地・納骨堂に提出 火葬許可証そのものに証印が押されたもの。別の書類ではない
✅ 埋葬許可証は「火葬許可証に判を押したもの」——別途取得は不要

「埋葬許可証はいつもらうのか?」と心配される方が多いですが、火葬後に火葬場から返却される火葬許可証(火葬執行済の証印付き)がそのまま埋葬許可証です。別の書類を取得する必要はありません。納骨まで大切に保管してください。

夜間・土日・祝日の手続き

提出するタイミング 対応 注意点
平日の開庁時間内 通常通り死亡届受理+火葬許可証発行
夜間・土日祝(時間外) 役所の夜間窓口(守衛室等)で死亡届の受付は可能(24時間365日) 火葬許可証は翌開庁日に発行。夜間受付では許可証が出ない。翌営業日に改めて受け取りに行く必要がある
年末年始 役所によって対応が異なる 事前に提出先の役所に確認する
⚠️ 夜間提出では火葬許可証が当日もらえない

夜間・休日は死亡届の「受付」はしてもらえますが、火葬許可証の発行は翌開庁日となります。そのため夜間に亡くなった場合でも、火葬の予定は翌開庁日以降になることが一般的です。なお、出張所など一部の施設では夜間の受付自体に対応していない場合もあるため、事前に確認が必要です。

葬儀社への代行依頼

現在は多くの葬儀社が死亡届の提出・火葬許可証の取得を無料で代行しています。

項目 内容
代行できること 死亡届の記入補助・役所への提出・火葬許可証の受け取り・火葬場の予約
代行に委任状は必要か 不要(戸籍法上、代理提出に委任状は求められない)
届出人の準備するもの 死亡届(届出人欄の記入・押印)・届出人の認印
葬儀社に代行を依頼すると、故人と届出人の個人情報を委ねることになります。信頼できる葬儀社に依頼し、代行の範囲・内容を事前に確認してください。代行を依頼した場合でも、書類に不備があった場合は届出人本人が役所に出向くことがあります。

許可証を紛失した場合の再発行

火葬許可証(未使用・火葬前)を紛失した場合

火葬前に火葬許可証を紛失した場合は、発行した役所に申請して再発行できます。申請者の本人確認書類と手数料(数百円程度)が必要です。

埋葬許可証(火葬済・納骨前)を紛失した場合

紛失に気づいた時期 再発行先 必要書類
火葬から5年未満 火葬を行った火葬場(または発行した役所) 申請者の本人確認書類・手数料
火葬から5年以上経過 死亡届を提出した役所(または火葬場) 申請者の本人確認書類・手数料。申請できるのは遺族・死亡届届出人・祭祀継承者など
✅ 再発行は「火葬証明書」として発行される場合がある

自治体によっては、再発行分を「火葬証明書」「火葬済証明書」という名称で発行するところがあります。これは埋葬許可証の代わりに使用できます。代理人が申請する場合は委任状が必要な自治体もありますので、申請前に問い合わせてください。

提出前の準備チェックリスト

確認項目 補足
□ 死亡診断書(または死体検案書)を医師から受け取った 用紙の右半分に医師の署名・押印があることを確認
□ 死亡診断書のコピーを10枚以上取った 提出前に必ず!後で取得が難しくなる
□ 死亡届(左半分)を記入した 黒または青のボールペンで。修正液は不可
□ 届出人の認印を用意した シャチハタでも可(役所によって異なる場合あり)
□ 届出人の本人確認書類を用意した マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等
□ 火葬場の名前と予約日時を確認した 役所窓口で「火葬場名」を聞かれる
□ 火葬許可申請書(必要な場合)を入手した 自治体によっては死亡届受理で自動発行されるため不要な場合も
□ 提出先役所の場所・窓口・受付時間を確認した 戸籍係・市民課が窓口

死亡届提出後に必要な手続き

死亡届・火葬許可証の取得後も、続けて以下の手続きが必要です。

手続き 期限 窓口
世帯主変更届(故人が世帯主の場合) 死亡後14日以内 市区町村役場
健康保険証の返却・資格喪失届 死亡後14日以内(国民健康保険) 市区町村役場
介護保険証の返却・資格喪失 死亡後14日以内 市区町村役場
年金受給停止手続き 厚生年金10日以内・国民年金14日以内 年金事務所・市区町村役場
葬祭費・埋葬料の申請 葬儀日から2年以内 加入していた保険の窓口
相続の承認または放棄 死亡を知った日から3ヶ月以内 家庭裁判所(放棄の場合)
準確定申告(故人が確定申告者の場合) 死亡後4ヶ月以内 税務署
相続税申告 死亡後10ヶ月以内 税務署

よくある質問

死亡届は誰が書いても(記入しても)いいですか?
死亡届に署名・押印する「届出人」になれるのは6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族・同居人・家主等・後見人等に限られます。ただし届出人と「実際に役所に提出する人」は別人でもOKです。葬儀社が記入を補助し、代わりに提出することも一般的です。
土曜日に亡くなりました。いつまでに死亡届を出せばいいですか?
「死亡の事実を知った日から7日以内」が期限です。土曜日に知った場合は翌々週の金曜日までが期限になります。ただし火葬許可証は平日の開庁時間内でないと発行されないため、火葬の予定に合わせて早めに提出することをお勧めします。夜間・休日でも死亡届の「受付」は可能です。
葬儀社に死亡届の提出を任せる場合、何が必要ですか?
届出人(遺族の方)が死亡届の届出人欄に署名・押印した書類と認印を葬儀社に預ければ、あとは葬儀社が代行してくれます。委任状は不要です。ただし書類に不備があった場合は届出人本人が役所に出向く必要があります。
火葬許可証を取り忘れました(役所に行けませんでした)。どうすればいいですか?
次の開庁日に役所の戸籍係に行き「火葬許可証を受け取りに来た」と伝えてください。死亡届は既に受理されているため、再度提出する必要はありません。ただし火葬当日までに必ず受け取ってください。火葬許可証がないと火葬は行えません。
死亡診断書のコピーを取り忘れて役所に提出してしまいました。後で入手できますか?
死亡診断書の原本は役所に回収されて返却されません。後日「死亡届記載事項証明書」として入手できる場合がありますが、取得できる条件が「法令で定められた特別な理由がある場合(遺族年金の請求等)」に限られており、すべての用途には使えません。役所に提出する前にコピーを取っておくことが非常に重要です。
埋葬許可証はいつもらえますか?
火葬が完了した後に、火葬場から「火葬執行済」の証印が押された火葬許可証が返却されます。これがそのまま埋葬許可証になります。別途申請する必要はありません。納骨まで(場合によっては数ヶ月以上)大切に保管してください。

まとめ:死亡届・火葬許可証の要点

  • 死亡届と死亡診断書はA3用紙1枚の左右一体——医師が右半分を記入し遺族が左半分を記入
  • コピーは10枚以上取ってから提出——原本は役所に回収される
  • 提出期限は「死亡の事実を知った日から7日以内」(国内の場合)
  • 提出先は「死亡地・本籍地・届出人所在地」の役所。故人の住所地ではない
  • 提出するとその場で火葬許可証が発行される(平日開庁時間内の場合)
  • 夜間・土日は死亡届の「受付」のみ——火葬許可証は翌開庁日
  • 多くの場合は葬儀社が無料で代行——委任状は不要
  • 火葬後に火葬場から返却される火葬許可証(証印付き)がそのまま埋葬許可証
  • 許可証を紛失しても役所または火葬場で再発行できる