はじめに:大切な人を亡くした時、何から始めればよいのでしょうか
突然の別れは、誰にとっても心の準備ができるものではありません。愛する家族を亡くした悲しみの中で、葬儀の準備という現実的な問題に直面する—この状況は、多くのご遺族にとって大きな負担となります。
私は終活カウンセラー1級の資格を持ち、5年前に父の葬儀を「小さなお葬式」で執り行った経験があります。その時の経験から、葬儀に関する料金体系の複雑さや、依頼後のトラブルの深刻さを身をもって知りました。特に、悲しみの中で冷静な判断を下すことの難しさは、実際に体験した者でなければ理解できないものです。
今回は、近年注目を集めている「よりそうお葬式」について、その評判や口コミ、そして利用を検討される際に知っておくべき重要な情報を、私自身の経験と専門知識を交えながら、詳しく解説いたします。
1. よりそうお葬式とは?サービスの基本概要
1-1. よりそうお葬式の運営会社と歴史
よりそうお葬式は、株式会社よりそうが運営する葬儀サービスです。同社は2009年に設立され、「誰もが納得できる葬儀を」という理念のもと、透明性の高い料金体系と全国対応のサービスを提供しています。
運営会社の株式会社よりそうは、本社を東京都品川区に置き、全国に展開する葬儀関連事業を手がけています。同社の特徴は、従来の葬儀業界における不透明な料金体系や地域格差の問題に着目し、明確な料金設定と全国一律のサービス品質を目指している点にあります。
1-2. サービスの基本構造
よりそうお葬式のサービス構造は、大きく分けて以下の3つの要素から成り立っています:
葬儀プランの提供 基本的な葬儀プラン(家族葬、一日葬、直葬など)を全国一律の料金で提供しています。プラン内容は事前に明示されており、追加料金の発生を最小限に抑える設計となっています。
提携葬儀社との連携 全国約4,000の提携葬儀社とのネットワークを活用し、地域を問わず一定品質のサービスを提供する体制を構築しています。これにより、転勤族の方や遠方での葬儀にも対応可能です。
お坊さん便(僧侶手配サービス) 仏式葬儀において重要な僧侶の手配を、明確な料金体系で提供するサービスです。これは従来の檀家制度とは異なるアプローチで、多くの注目を集めています。
1-3. 他社との違いと特徴
よりそうお葬式が他の葬儀サービスと異なる主な特徴は以下の通りです:
料金の透明性 従来の葬儀業界では、基本料金の他に様々な追加費用が発生することが多く、最終的な費用が事前に把握しにくいという問題がありました。よりそうお葬式では、可能な限り追加料金を抑制し、事前に総額を把握しやすい料金体系を採用しています。
全国一律サービス 地域による葬儀費用の格差は従来から大きな問題でした。よりそうお葬式では、全国どこでも同じ品質とほぼ同じ料金でサービスを受けられることを目指しています。
インターネット完結型の申込み 24時間365日、インターネットや電話での相談・申込みが可能で、緊急時にも対応できる体制を整えています。
2. よりそうお葬式の料金体系を徹底解説
2-1. 基本プランと料金構成
よりそうお葬式の料金体系は、シンプルで分かりやすい構成となっています。主なプランは以下の通りです:
直葬プラン 最もシンプルな形式で、火葬のみを行うプランです。料金は税込み193,000円(2024年時点)で、以下のサービスが含まれています:
- 遺体搬送(病院から安置場所まで)
- 安置(最大3日間)
- 棺(布張り棺)
- 骨壷・骨箱
- 搬送車両費
- スタッフ人件費
- 各種手続き代行
一日葬プラン 通夜を省略し、告別式のみを行うプランです。料金は税込み328,000円で、直葬プランの内容に加え、祭壇や会場費用が含まれます。
家族葬プラン 通夜・告別式を行う一般的な形式のプランです。料金は税込み468,000円で、30名程度までの参列者に対応可能です。
2-2. 追加料金について
私が父の葬儀を行った際に最も心配だったのが、追加料金の問題でした。よりそうお葬式では、以下のような追加費用が発生する可能性があります:
必要に応じて発生する費用
- 火葬料金(自治体により異なる)
- 式場利用料(選択する式場により異なる)
- 飲食費(参列者数により変動)
- 返礼品費(参列者数により変動)
- 僧侶への謝礼(お坊さん便利用時は除く)
オプション費用
- 遺影写真作成:11,000円~
- 湯灌・エンバーミング:55,000円~
- 生花祭壇への変更:110,000円~
- 棺のグレードアップ:33,000円~
2-3. 他社との料金比較
葬儀業界における料金比較は複雑ですが、一般的な相場と比較すると、よりそうお葬式の料金設定は以下のような位置づけとなります:
直葬の場合
- 一般的な相場:150,000~300,000円
- よりそうお葬式:193,000円
- 業界内では標準的な価格帯
家族葬の場合
- 一般的な相場:400,000~800,000円
- よりそうお葬式:468,000円
- 相場の中でも比較的リーズナブル
従来の一般葬の場合
- 一般的な相場:1,000,000~2,000,000円
- よりそうお葬式では一般葬プランも提供
- 大幅なコスト削減が可能
3. 「お坊さん便」について詳しく解説
3-1. お坊さん便とは何か
お坊さん便は、よりそうお葬式が提供する僧侶手配サービスです。このサービスは、従来の檀家制度とは異なるアプローチで僧侶を手配し、明確な料金体系で法要を執り行うことができます。
サービスの基本概念 従来、仏式の葬儀や法要では、家族が所属する寺院(菩提寺)の僧侶に依頼することが一般的でした。しかし、現代では檀家として寺院に所属していない家庭も多く、急な葬儀の際に僧侶の手配に困るケースが増えています。
お坊さん便は、このような現代のニーズに応えるサービスとして、全国の僧侶とのネットワークを活用し、地域や宗派を問わず僧侶を手配できる仕組みを構築しています。
3-2. お坊さん便の料金体系
お坊さん便の料金体系は、従来の「お気持ち」という曖昧な表現ではなく、明確な金額で設定されています:
葬儀・告別式での読経
- 料金:160,000円(税込)
- 含まれるサービス:通夜・告別式での読経、戒名授与
初七日法要
- 料金:35,000円(税込)
- 葬儀と同日に行う場合は追加料金として設定
四十九日法要
- 料金:45,000円(税込)
- 自宅や会館での法要に対応
一周忌法要
- 料金:45,000円(税込)
- 年忌法要にも対応
3-3. 戒名について
お坊さん便では、戒名の授与も料金に含まれています。戒名のランクについて以下のような設定となっています:
信士・信女 基本料金に含まれる最も一般的な戒名です。多くの方がこちらを選択されています。
居士・大姉 追加料金20,000円で授与される、より格の高い戒名です。
院号 追加料金50,000円で授与される最も格の高い戒名です。
私の経験から申し上げると、戒名のランクは故人への想いの表れでもありますが、経済的な負担とバランスを考慮して決めることが大切です。
3-4. 対応宗派と地域
お坊さん便では、以下の宗派に対応しています:
対応宗派
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 真言宗
- 曹洞宗
- 臨済宗
- 天台宗
- 日蓮宗
- その他の仏教各宗派
対応地域 全国47都道府県に対応していますが、一部離島などでは対応できない場合があります。事前の確認が必要です。
4. 実際の利用者による口コミ・評判の分析
4-1. ポジティブな口コミの傾向
よりそうお葬式を実際に利用された方々からの口コミを分析すると、以下のような点で高い評価を得ています:
料金の透明性に関する評価 「事前に総額が分かって安心できた」 「追加料金の説明が丁寧で、予算内で収まった」 「他社と比べて明確な料金提示があり、信頼できた」
このような声は、従来の葬儀業界における料金の不透明さに対する不安を解消できている証拠と言えるでしょう。私自身も父の葬儀の際に、最も心配だったのが最終的な費用でしたので、この点の評価の高さは理解できます。
スタッフの対応に関する評価 「深夜の相談にも丁寧に対応してくれた」 「悲しみの中でも、スタッフの方が親身になって相談に乗ってくれた」 「専門知識が豊富で、分からないことを何でも教えてくれた」
葬儀という人生の重要な場面において、スタッフの対応の質は極めて重要です。これらの評価は、よりそうお葬式の人材教育が適切に行われていることを示しています。
お坊さん便に関する評価 「檀家でないため僧侶の手配に困っていたが、お坊さん便で解決できた」 「料金が明確で、追加のお布施を要求されることもなく安心だった」 「来てくださった僧侶の方が非常に丁寧で、心のこもった読経をしてくださった」
4-2. ネガティブな口コミの傾向
一方で、以下のような改善点を指摘する口コミも見受けられます:
提携葬儀社のばらつき 「地域によって提携葬儀社の質にばらつきがある」 「当日の施行会社のスタッフの対応が期待と異なった」 「設備の古い式場を案内された」
これは全国展開するサービスの課題とも言える点です。提携先の管理は継続的な課題として取り組まれているようです。
オプション費用に関する懸念 「基本プラン以外の費用が思った以上にかかった」 「花やお料理のグレードアップで予算を超えてしまった」
基本プランは確かにリーズナブルですが、実際の葬儀では様々なオプションが必要になることも多く、この点での事前説明の重要性が浮き彫りになっています。
お坊さん便への宗教的な懸念 「菩提寺との関係で問題が生じた」 「親族から传统的でないと批判された」
これは新しいサービス形態であるお坊さん便特有の課題と言えるでしょう。
4-3. 口コミの信憑性について
インターネット上の口コミを検討する際は、その信憑性についても注意深く判断する必要があります:
信頼できる口コミの特徴
- 具体的な体験内容が記載されている
- メリット・デメリットの両方に言及している
- 投稿者の状況や背景が明記されている
- 感情的でない冷静な表現
注意が必要な口コミの特徴
- 極端に肯定的または否定的な内容のみ
- 具体性に欠ける抽象的な表現
- 競合他社の宣伝や誹謗中傷の可能性
私の経験から申し上げると、葬儀サービスの評価は個人の価値観や状況に大きく左右されるため、複数の情報源から総合的に判断することが重要です。
5. よりそうお葬式のメリット・デメリットを正直に評価
5-1. よりそうお葬式のメリット
明確な料金体系 最大のメリットは、料金の透明性です。従来の葬儀業界では「お気持ちで」や「相場に合わせて」といった曖昧な表現が多く、最終的な費用が予想できないことが大きな不安要因でした。よりそうお葬式では、基本プランの料金が明確に提示されており、追加費用についても事前に説明があります。
私が父の葬儀を行った際も、この料金の透明性は大きな安心材料となりました。悲しみの中で金銭的な不安を抱えることなく、故人を送ることに集中できたのは、明確な料金体系のおかげでした。
全国対応の安心感 転勤が多い職業の方や、故郷を離れて生活している方にとって、全国どこでも一定品質のサービスを受けられることは大きなメリットです。地域による葬儀慣習の違いはありますが、基本的なサービス品質が保たれていることで、初めての土地での葬儀でも安心して依頼できます。
24時間365日の対応体制 死というものは予期せず訪れるものです。深夜や休日に病院で家族を亡くし、途方に暮れた経験をお持ちの方も多いでしょう。よりそうお葬式では、24時間365日の相談体制を整えており、緊急時にも迅速な対応が期待できます。
お坊さん便による僧侶手配の簡素化 現代では檀家として寺院に所属していない家庭も多く、急な葬儀の際に僧侶の手配に困るケースが増えています。お坊さん便により、この問題を明確な料金で解決できることは、多くの家庭にとって大きなメリットです。
インターネットでの情報収集と申込み 悲しみの中でも、自分のペースで情報を収集し、検討できることは重要です。営業電話や訪問販売のような圧迫感なく、冷静に判断できる環境が提供されています。
5-2. よりそうお葬式のデメリット
提携葬儀社による品質のばらつき 全国展開のビジネスモデルの宿命とも言えますが、実際の施行は各地域の提携葬儀社が行うため、サービス品質に地域差が生じる可能性があります。よりそう本体のスタッフと提携葬儀社のスタッフの連携が不十分な場合、顧客満足度に影響を与える可能性があります。
オプション費用の累積 基本プランは確かにリーズナブルですが、実際の葬儀では参列者の数や希望により、様々なオプションが必要になることが多いです。花や料理、返礼品などの費用が積み重なると、当初の予算を大幅に超える可能性があります。
地域の慣習との齟齬 全国一律のサービスのため、地域特有の葬儀慣習に完全に対応できない場合があります。特に地方では、地域コミュニティとの関係性も重要で、外部業者への依頼に対して否定的な意見を持つ方もいらっしゃいます。
お坊さん便への宗教的な懸念 従来の檀家制度とは異なるアプローチのため、菩提寺がある場合は事前の相談が必要です。また、親族の中には伝統的でないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
アフターサービスの限界 葬儀後の法要や墓地の相談など、長期的なサポートについては、地域の寺院や石材店との連携が必要になる場合があります。
5-3. 他社サービスとの比較
小さなお葬式との比較 料金体系や全国対応という点では類似していますが、小さなお葬式の方が知名度が高く、提携葬儀社数も多いとされています。一方、よりそうお葬式はお坊さん便という独自サービスが特徴的です。
イオンライフとの比較 イオングループの安心感と全国のイオン店舗を活用した相談体制が特徴です。料金面ではよりそうお葬式の方が競争力がある場合が多いです。
地域密着型葬儀社との比較 地域の慣習や人間関係への配慮では地域密着型の方が優位ですが、料金の透明性や緊急時の対応体制ではよりそうお葬式に軍配が上がる場合が多いです。
6. 利用を検討する際の重要なチェックポイント
6-1. 事前に確認すべき項目
よりそうお葬式の利用を検討される際は、以下の項目を必ず事前に確認することをお勧めします:
料金に関する確認事項 基本プラン料金に何が含まれているかの詳細確認は最も重要です。特に以下の点について明確にしておきましょう:
- 火葬料金の扱い(自治体により大きく異なります)
- 式場利用料の有無(公営斎場か民営斎場かで異なります)
- 搬送距離の制限(基本料金に含まれる距離を超えた場合の追加料金)
- 安置期間の制限(基本は3日間ですが、延長時の費用)
- ドライアイスなどの保全用品の追加費用
私の経験では、これらの「基本料金に含まれない部分」で予想以上の費用が発生することがありました。事前の確認により、このような事態を避けることができます。
提携葬儀社に関する確認 実際の施行を担当する提携葬儀社について、以下の点を確認しておくことが重要です:
- 該当地域の提携葬儀社名と所在地
- その葬儀社の実績や評判
- 施行実績(年間何件程度のよりそうお葬式を手がけているか)
- スタッフの研修体制
- 緊急時の連絡体制
お坊さん便利用時の確認事項 お坊さん便を利用される場合は、宗教的な観点からも慎重な検討が必要です:
- 希望する宗派の僧侶の手配が可能か
- 戒名の内容と追加料金の有無
- 菩提寺がある場合の対応方法
- 葬儀後の法要についての継続的な対応
- 地域の宗教的慣習との調整
6-2. 契約前に必ず確認すべき書面
見積書の詳細確認 見積書には以下の項目が明記されているかを確認してください:
- 基本プラン料金の内訳
- 予想される追加費用の概算
- 支払い条件(前払い、後払い、分割払いの可否)
- キャンセル時の取り扱い
- 返金規定
契約書の重要条項 契約書には以下の点が明記されているかを確認し、不明な点は必ず質問してください:
- サービス内容の詳細
- 責任の所在(よりそうと提携葬儀社の役割分担)
- トラブル時の対応方法
- 変更・キャンセル時の規定
- 個人情報の取り扱い
6-3. 緊急時の対応フローを理解しておく
24時間受付の実際の流れ 深夜や早朝に家族を亡くした場合の具体的な手順を事前に理解しておくことで、パニック状態でも適切な対応ができます:
- よりそうお葬式への連絡(フリーダイヤル)
- 基本情報の聞き取り(故人情報、病院名、希望プランなど)
- 提携葬儀社の手配と連絡
- 遺体搬送の段取り
- 安置場所の確保
- 詳細打ち合わせの日程調整
必要書類の準備 葬儀には様々な書類が必要です。事前に準備しておくべき書類を把握しておきましょう:
- 死亡診断書(病院で発行)
- 故人の身分証明書
- 喪主となる方の身分証明書
- 印鑑(実印と認印)
- 遺影用写真(できれば複数枚用意)
7. お坊さん便の詳細分析とメリット・デメリット
7-1. お坊さん便が生まれた背景
現代日本の宗教事情を理解することで、お坊さん便というサービスの意義がより明確になります。戦後の都市化により、多くの家庭が故郷を離れ、先祖代々の菩提寺との関係が希薄になりました。また、宗教に対する意識の変化により、檀家として寺院を支える制度そのものに疑問を持つ人も増えています。
現代の檀家制度の課題
- 高額な檀家料・護持会費の負担
- 寺院の修繕費用の分担金
- 法要の度に発生する不明確な費用
- 地理的な距離による不便さ
- 宗教的信念と慣習のギャップ
これらの課題に対し、お坊さん便は「必要な時に、必要なサービスを、明確な料金で」という現代的なアプローチを提供しています。
7-2. お坊さん便の僧侶について
僧侶の質と選考基準 お坊さん便に登録している僧侶は、以下のような基準で選考されています:
- 各宗派の正式な資格を持つ僧侶
- 葬儀・法要の豊富な経験
- 現代的なニーズへの理解
- コミュニケーション能力
- サービス精神
私が実際にお坊さん便を利用された方からお聞きした話では、「想像以上に丁寧で、心のこもった読経だった」という感想が多く聞かれました。
対応可能な法要の種類
- 通夜・告別式での読経
- 初七日法要
- 四十九日法要
- 百箇日法要
- 一周忌・三回忌等の年忌法要
- お盆・お彼岸の法要
- 開眼供養・閉眼供養
7-3. 戒名授与について詳しく解説
戒名の意味と現代的な意義 戒名は本来、仏弟子として新しい名前を授かるという宗教的意味を持ちます。現代では故人への敬意を表し、家族の想いを込めた名前として位置づけられています。
よりそうお葬式での戒名の考え方 お坊さん便では、故人の人柄や生前の業績、家族の想いを伺った上で、適切な戒名を授与します。従来の檀家制度における「寄付額による戒名のランク分け」とは異なり、故人への敬意を基準とした戒名授与を行っています。
戒名料金の内訳
- 信士・信女:基本料金に含まれる
- 居士・大姉:追加20,000円
- 院号:追加50,000円
この料金設定は、従来の相場(数十万円から数百万円)と比較すると、大幅にリーズナブルと言えるでしょう。
7-4. お坊さん便利用時の注意点
菩提寺がある場合の対応 すでに檀家として所属している寺院がある場合は、慎重な対応が必要です:
- 事前に菩提寺への相談
- 住職の理解を得る努力
- 必要に応じて離檀の手続き
- 将来的な供養についての検討
親族との合意形成 お坊さん便の利用については、事前に親族間で十分な話し合いを行うことが重要です。特に年配の親族の中には、伝統的な方法を重視する方もいらっしゃいます。
宗派の確認 故人の宗派が不明な場合や、家族間で宗派が異なる場合の対応についても、事前に相談しておくことが大切です。
8. 実際の利用の流れと手続き
8-1. 事前相談から契約まで
初回相談の流れ よりそうお葬式への最初の相談は、通常以下のような流れで進みます:
- 電話またはWebでの初回連絡 24時間365日対応のフリーダイヤルに連絡するか、公式サイトの相談フォームから問い合わせます。この段階では、基本的な状況(故人の状態、希望するプラン、予算など)を聞き取ります。
- 詳細なヒアリング 専門のコーディネーターが、より詳細な希望や状況を確認します:
- 故人の情報(年齢、性別、宗派など)
- 参列予定者数
- 希望する式場の種類や立地
- 予算の上限
- 特別な希望や要望
- プランの提案と見積もり ヒアリング内容に基づいて、最適なプランを提案し、詳細な見積もりを作成します。この時点で、追加費用の可能性についても説明があります。
- 提携葬儀社の紹介 施行を担当する地域の提携葬儀社を紹介し、直接の打ち合わせの段取りを行います。
8-2. 緊急時の対応フロー
死亡直後の対応 家族が亡くなった直後は、悲しみと混乱の中で多くのことを決めなければなりません。私の経験からも、事前に流れを理解しておくことの重要性を痛感しています。
- 医師による死亡確認 病院で亡くなった場合は医師が、自宅で亡くなった場合はかかりつけ医または警察を通じて医師が死亡確認を行います。
- よりそうお葬式への連絡 死亡確認後、できるだけ早くよりそうお葬式に連絡します。この際に伝える情報:
- 故人の基本情報
- 現在の場所(病院名、住所)
- 希望する搬送先
- 連絡者の情報
- 遺体搬送の手配 提携葬儀社が遺体搬送を行います。搬送先は自宅、葬儀社の安置室、または公営の安置施設などから選択できます。
- 安置と保全処置 適切な安置場所で、ドライアイスによる保全処置を行います。この処置により、数日間の安置が可能になります。
8-3. 葬儀の詳細打ち合わせ
打ち合わせで決める主な内容 安置後、落ち着いてから詳細な打ち合わせを行います:
式場の選定
- 公営斎場(料金が安い)
- 民営斎場(設備が充実)
- 寺院(宗教的な雰囲気)
- 自宅(アットホームな雰囲気)
日程の調整
- 火葬場の空き状況確認
- 親族・参列者の都合
- 僧侶の都合(お坊さん便利用時)
- 友引などの暦の確認
プラン内容の最終確認
- 棺のグレード
- 祭壇の種類と装飾
- 遺影写真の準備
- 音響・照明設備の確認
料理・返礼品の手配
- 通夜振る舞いの内容と人数
- 精進落としの内容と人数
- 会葬返礼品の種類と数量
- 香典返しの品物選定
8-4. 支払い方法と手続き
支払いのタイミング よりそうお葬式では、以下のような支払い方法が用意されています:
事前支払い プラン料金については、葬儀の前に支払いを行います。これにより、葬儀当日の負担を軽減できます。
後日精算 変動費用(料理代、返礼品代など)については、実際の使用量に基づいて後日精算します。
支払い方法
- 現金(銀行振込)
- クレジットカード
- 分割払い(条件により)
必要な書類 支払い時には以下の書類が必要になります:
- 契約書
- 見積書
- 領収書
- 各種オプションの明細書
9. よくある質問とトラブル事例
9-1. 料金に関するよくある質問
Q: 基本プラン以外にどのような費用がかかりますか?
A: 基本プランに含まれない主な費用は以下の通りです:
- 火葬料金:公営火葬場で無料~50,000円程度、民営では50,000~150,000円程度
- 式場利用料:公営斎場で10,000~30,000円程度、民営斎場で50,000~200,000円程度
- 料理代:通夜振る舞い1人あたり2,000~5,000円、精進落とし1人あたり3,000~8,000円
- 返礼品:会葬返礼品1個500~1,500円、香典返し1個2,000~5,000円
- 僧侶への謝礼:お坊さん便利用時は160,000円、個別依頼時は地域相場による
私の経験では、これらの追加費用を合計すると、基本プラン料金とほぼ同額になることが多いです。
Q: 支払い方法について教えてください
A: よりそうお葬式では、以下の支払い方法が利用できます:
- 銀行振込(手数料は利用者負担)
- クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners)
- 分割払い(クレジットカードの分割機能を利用)
ただし、提携葬儀社への直接支払いが必要な費用(料理代など)については、現金払いが求められる場合があります。
9-2. サービス内容に関するよくある質問
Q: 深夜や早朝でも対応してもらえますか?
A: はい、24時間365日対応しています。ただし、以下の点にご注意ください:
- 初回相談は電話で24時間対応
- 遺体搬送も深夜・早朝対応可能
- 詳細打ち合わせは翌日以降になる場合が多い
- 火葬場の利用時間は制限がある(通常9時~17時程度)
Q: 宗派が分からない場合はどうすればよいですか?
A: 宗派が不明な場合は、以下の方法で確認できます:
- 家族・親族への確認
- 位牌や仏壇の確認(宗派の特徴から判断)
- 過去の葬儀資料の確認
- 菩提寺への確認
それでも不明な場合は、お坊さん便では仏教の一般的な作法で読経を行うことも可能です。
9-3. トラブル事例と対策
事例1: 提携葬儀社の対応が期待と異なった
あるご遺族から「提携葬儀社のスタッフの対応が冷淡で、満足できる葬儀にならなかった」という相談を受けたことがあります。
対策:
- 事前に提携葬儀社の情報を確認する
- 不安な点があれば、よりそう本体に相談する
- 担当者との相性が悪い場合は、早めに変更を申し出る
事例2: 追加費用が予想以上に高額になった
「基本プランは安いと思ったが、実際には様々な追加費用が発生し、他社と変わらない金額になった」というケースです。
対策:
- 見積もり時に考えられる追加費用をすべて確認する
- 参列者数を正確に把握する
- オプションの必要性を冷静に判断する
- 予算の上限を事前に明確にしておく
事例3: お坊さん便に対する親族の反対
「お坊さん便を利用したが、後から親族に「非常識だ」と批判された」という問題です。
対策:
- 事前に主要な親族と相談する
- お坊さん便の内容と意義を丁寧に説明する
- 必要に応じて従来の方法も検討する
- 宗教的な意味よりも故人への想いを重視することを伝える
9-4. クレーム対応について
万が一、サービスに満足できなかった場合の対応について:
よりそう本体への相談 提携葬儀社の対応に問題がある場合は、まずよりそう本体に相談しましょう。適切な対応を取ってもらえる可能性があります。
消費者相談窓口の利用 重大な問題がある場合は、消費生活センターなどの公的機関に相談することも可能です。
法的対応 契約内容に明らかな問題がある場合は、法的な対応を検討することもあります。この場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。
10. 他社サービスとの詳細比較
10-1. 主要競合サービスとの比較
葬儀業界には複数の全国展開サービスがあり、それぞれに特徴があります。適切な選択のために、主要なサービスとの比較を行います。
小さなお葬式との比較
料金体系
- 小さなお葬式:直葬188,000円、一日葬328,000円、家族葬488,000円
- よりそうお葬式:直葬193,000円、一日葬328,000円、家族葬468,000円
料金面では両社ともほぼ同水準ですが、家族葬プランではよりそうお葬式の方が若干安価です。
サービス内容 小さなお葬式は業界最大手として豊富な実績があり、提携葬儀社数も多いのが特徴です。一方、よりそうお葬式はお坊さん便という独自サービスで差別化を図っています。
対応エリア 両社とも全国対応ですが、小さなお葬式の方が離島などの対応エリアが広いとされています。
イオンライフとの比較
料金体系 イオンライフは「安心の定額制」を謳っており、追加料金の発生を抑制する仕組みを整えています。基本プラン料金はよりそうお葬式とほぼ同水準です。
企業としての信頼性 イオングループという大企業の安心感があり、全国のイオン店舗での相談も可能です。
特徴的なサービス
- 生命保険を活用した支払いシステム
- イオン各店舗での事前相談
- グループ企業との連携サービス
やさしいお葬式との比較
比較的新しいサービスで、デジタル化に力を入れているのが特徴です。
料金体系 基本料金は他社と同水準ですが、オプション料金がリーズナブルに設定されています。
サービスの特徴
- スマートフォンアプリでの進行管理
- デジタル弔電・デジタル芳名録
- オンライン配信サービス
10-2. 地域密着型葬儀社との比較
メリット・デメリットの整理
地域密着型葬儀社のメリット
- 地域の慣習や人間関係に精通
- 長年の実績による安心感
- 地域コミュニティとの強いつながり
- 細やかな個別対応
地域密着型葬儀社のデメリット
- 料金体系が不透明な場合が多い
- 競合が少ないエリアでは高額になりがち
- 緊急時の対応体制が限られる場合がある
- サービス品質の客観的な評価が困難
よりそうお葬式のメリット
- 明確な料金体系
- 全国一律のサービス品質
- 24時間365日の対応体制
- インターネットでの情報収集が可能
よりそうお葬式のデメリット
- 地域の細かい慣習への対応が困難な場合がある
- 提携葬儀社の質にばらつきがある可能性
- 長期的な関係性の構築が困難
10-3. 選択の判断基準
料金を重視する場合 明確な料金体系と追加費用の抑制を重視するなら、よりそうお葬式などの定額制サービスが適しています。
地域性を重視する場合 地域の慣習や人間関係を重視するなら、地域密着型の葬儀社が適している場合があります。
緊急対応を重視する場合 24時間対応や全国対応を重視するなら、大手の全国展開サービスが適しています。
宗教的配慮を重視する場合 特定の宗派の作法を重視するなら、その宗派に詳しい地域の葬儀社や寺院に相談することも検討しましょう。
11. 専門家としてのアドバイスと実体験
11-1. 終活カウンセラーとしての視点
終活カウンセラーとして多くのご家族の相談を受ける中で、葬儀に関する悩みは大きく以下の3つに分類されます:
経済的な不安 「葬儀にいくらかかるのか分からない」「予算内で故人にふさわしい葬儀ができるか心配」といった経済的な不安は、多くのご家族に共通する悩みです。
この不安に対して、よりそうお葬式のような明確な料金体系のサービスは、一定の解決策を提供していると言えるでしょう。ただし、基本プラン以外の費用についても事前に十分検討することが重要です。
選択肢の多さによる混乱 現代では葬儀の形式や業者の選択肢が非常に多く、「何が正しい選択なのか分からない」という混乱を招くことがあります。
このような場合は、まず「故人が望んでいたと思われる形」「家族が納得できる形」「経済的に無理のない形」という3つの視点から検討することをお勧めしています。
社会的な評価への不安 「親族や近所の人にどう思われるか心配」「非常識だと思われないか不安」といった社会的な評価への不安も、現代の葬儀選択における大きな要因です。
この点について、私は「故人への想いの深さは葬儀の形式や費用の多寡では測れない」ということを、常にお伝えしています。
11-2. 父の葬儀での実体験
5年前に父を亡くした際、私は「小さなお葬式」を利用しましたが、その経験はよりそうお葬式を検討される方にも参考になると思います。
事前準備の重要性 父が入院していた時期に、万が一に備えて葬儀の準備を進めていました。この事前準備により、実際の死亡時にパニックにならずに済みました。
- 複数の葬儀社の資料を取り寄せ
- 料金体系の比較検討
- 家族間での希望の確認
- 必要書類の準備
実際の葬儀での経験
- 24時間対応の重要性:父は深夜に亡くなりましたが、すぐに相談できたのが大きな安心材料でした
- 料金の透明性:事前に提示された金額とほぼ同じ費用で葬儀を執り行うことができました
- スタッフの対応:悲しみの中でも、丁寧で温かい対応をしていただきました
反省点と学び
- 親族への事前説明不足:一部の親族から「もっと盛大にすべきだった」という意見が出ました
- オプションの選択:故人の好きだった花を多く使いたいと思い、予算を超える装飾を依頼してしまいました
- アフターケア:葬儀後の法要について、もっと事前に相談しておけばよかったと思いました
11-3. よりそうお葬式を検討される方への具体的アドバイス
事前相談の活用 万が一の事態になる前に、事前相談を活用することを強くお勧めします。冷静な状態で情報収集し、家族で話し合うことで、より良い選択ができます。
複数社との比較検討 よりそうお葬式だけでなく、複数の葬儀社から見積もりを取り、サービス内容を比較することが重要です。その際、以下の点に注目してください:
- 基本プランに含まれる内容の詳細
- 追加料金の発生条件
- スタッフの対応品質
- 緊急時の対応体制
- アフターサービスの内容
お坊さん便利用時の注意点 お坊さん便の利用を検討される場合は、以下の点を事前に確認しておくことが重要です:
- 家族・親族の理解と合意
- 菩提寺がある場合の対応
- 地域の宗教的慣習との整合性
- 葬儀後の法要についての継続性
予算の設定方法 葬儀費用の予算設定では、以下の方法をお勧めします:
- 基本プラン料金の確認
- 想定される参列者数の把握
- 追加費用の概算(料理、返礼品、オプションなど)
- 緊急予備費(予算の10-20%程度)の確保
12. まとめ:よりそうお葬式を選ぶべき人、避けるべき人
12-1. よりそうお葬式が適している方
明確な料金体系を重視する方 従来の葬儀業界の不透明な料金体系に不安を感じ、事前に総額を把握したい方には、よりそうお葬式は適した選択肢と言えるでしょう。特に、経済的な計画を重視する方や、予算に上限がある方にとって、明確な料金設定は大きなメリットです。
全国対応を必要とする方 転勤が多い職業の方、故郷を離れて生活している方、または遠方での葬儀が必要な方にとって、全国一律のサービス品質は安心材料となります。
檀家制度に疑問を持つ方 現代的な価値観で、檀家制度よりも必要な時に必要なサービスを受けることを重視する方には、お坊さん便というサービスは魅力的です。
インターネットでの情報收集を好む方 営業電話や訪問販売を避け、自分のペースで情報を収集・検討したい方に適しています。
緊急時の対応を重視する方 24時間365日の対応体制を重視し、突然の事態にも迅速な対応を求める方には適しています。
12-2. よりそうお葬式を避けた方が良い方
地域の慣習を重視する方 地域コミュニティとの関係性を重視し、従来からの葬儀慣習を大切にしたい方には、地域密着型の葬儀社の方が適している可能性があります。
菩提寺との関係を重視する方 先祖代々の菩提寺があり、その関係性を維持したい方は、菩提寺に直接相談することをお勧めします。
細やかな個別対応を求める方 画一的なサービスではなく、個別の要望に細かく対応してもらいたい方には、地域の小規模葬儀社の方が適している場合があります。
費用より格式を重視する方 費用の節約よりも、格式高い葬儀を望む方には、従来型の葬儀社の方が適しているかもしれません。
12-3. 最終的な選択のための判断基準
優先順位の明確化 葬儀業者を選択する際は、以下の要素の優先順位を明確にすることが重要です:
- 経済性(料金の安さ・明確さ)
- サービス品質(スタッフの対応・設備の充実)
- 利便性(アクセス・緊急対応)
- 地域性(慣習への配慮・コミュニティとの関係)
- 継続性(アフターサービス・法要対応)
家族間での合意形成 葬儀の形式や業者選択については、事前に家族間で十分な話し合いを行い、合意を形成しておくことが重要です。特に以下の点について確認しておきましょう:
- 葬儀にかける予算の上限
- 重視したい要素(経済性、格式、利便性など)
- 宗教的な配慮の必要性
- 参列者の範囲と規模
情報収集の重要性 単一の情報源だけでなく、複数の角度から情報を収集することが重要です:
- 複数の葬儀社からの見積もり取得
- 実際の利用者からの口コミ確認
- 専門家の意見の参考
- 地域の慣習についての調査
12-4. 終活カウンセラーとしての最終メッセージ
葬儀は、故人への最後の贈り物であると同時に、遺された家族が悲しみを乗り越える大切な儀式でもあります。よりそうお葬式をはじめとする現代的な葬儀サービスは、従来の課題を解決する優れた選択肢の一つですが、すべての家庭に最適な解決策ではありません。
重要なのは、それぞれの家庭の価値観、経済状況、地域性を総合的に考慮し、「この家族にとって最も適した選択は何か」を冷静に判断することです。
私自身の経験からも、完璧な葬儀というものは存在しないということを学びました。どのような選択をしても、後から「ああしておけばよかった」という思いは必ず生まれるものです。しかし、限られた時間と予算の中で、故人への想いを最大限表現しようと努力したという事実こそが、最も重要なのです。
よりそうお葬式の利用を検討されている皆様が、この記事の情報を参考に、ご自身の家庭にとって最適な選択をされることを心より願っております。そして、どのような選択をされても、故人への深い愛情と感謝の気持ちを込めて、心から納得できる葬儀を執り行われることを祈念いたします。
最後に、緊急時の備えとして
突然の別れに備え、以下の情報を事前に整理しておくことをお勧めします:
- 複数の葬儀社の連絡先
- 故人の基本情報(生年月日、本籍地、宗派など)
- 家族・親族の連絡先一覧
- 遺影用写真の準備
- 重要書類の保管場所の把握
これらの準備により、万が一の際にも冷静に対応し、故人にふさわしい最後のお別れをすることができるでしょう。
悲しみの中にある方々に心からお悔やみを申し上げると共に、この記事が少しでもお役に立てることを願っております。
この記事は、終活カウンセラー1級の資格を持つ筆者が、自身の経験と専門知識を基に執筆しました。記載されている料金やサービス内容は2024年時点の情報であり、最新の情報については各社に直接お問い合わせください。葬儀は人生の重要な節目であり、慎重な検討をお勧めいたします。
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