「部署みんなで香典を出したい。連名にしていい?」「4名以上のとき香典袋にどう書けばいい?」「金額はいくら集めればいい?」
職場での訃報は突然です。この記事では①連名か個別か、②金額の相場、③香典袋の書き方(人数別)、④中袋・別紙の書き方、⑤受付でのマナー、⑥宗派別の表書きを、よくある疑問への回答も交えてまとめました。
連名か個別か——まず判断する
✅ 連名が向くケース
- 部署・チームで出す慣例がある
- 故人との関係が間接的(同僚の親・配偶者など)
- 3〜10名程度の少人数グループ
- 若手・新入社員が多く負担を分散したい
👤 個別が向くケース
- 自分の直属の上司・部下が喪主
- プライベートでも付き合いがある
- 部長・役員クラスで個人の立場を示したい
- 会社からの弔慰金とは別に個人でも包みたい
💡 連名と個別は重複してもよい
部署の連名に参加した上で、個人でも別途香典を持参することは問題ありません。その場合、連名は「○○部一同」と書き、個人分には自分の名前だけを記載して、受付で「部署の分と個人の分です」と伝えましょう。
金額の相場
個人で出す場合の目安
| 故人との関係 | 20〜30代 | 40〜50代以上 |
|---|---|---|
| 同僚・部下の本人 | 5,000〜10,000円 | 10,000〜30,000円 |
| 同僚・部下の家族 | 3,000〜5,000円 | 5,000〜10,000円 |
| 上司の本人 | 5,000〜10,000円 | 10,000〜50,000円 |
| 上司の家族 | 3,000〜5,000円 | 5,000〜10,000円 |
連名で出す場合の一人あたり目安
| 人数・構成 | 一人あたり | 合計の目安 |
|---|---|---|
| 3〜5名(同僚グループ) | 2,000〜3,000円 | 10,000〜15,000円 |
| 6〜10名(課・チーム) | 2,000〜3,000円 | 15,000〜30,000円 |
| 11名以上(部・グループ) | 1,000〜3,000円 | 20,000〜50,000円程度 |
⚠ 「4」「9」の金額・合計は避ける
4,000円・9,000円など「死(4)」「苦(9)」を連想させる金額は避けるのがマナーです。合計額が4万円・9万円にならないよう、集める金額や人数を調整してください。
役職別の金額差をつける場合
一律でなく役職に応じて差をつけるやり方も一般的です。事前にメールで「役職別の金額設定」を明示すると不公平感が出にくくなります。
| 役職 | 負担額の目安 |
|---|---|
| 一般社員 | 1,000〜3,000円 |
| 主任・係長 | 3,000〜5,000円 |
| 課長以上 | 5,000〜10,000円 |
香典袋の書き方——人数別
表書き(宗派によって異なる)
| 宗教・宗派 | 使える表書き | 使えない表書き |
|---|---|---|
| 仏式(浄土真宗以外) | 御香典・御霊前・御香料 | 御仏前(四十九日前は不可) |
| 浄土真宗 | 御仏前・御香典 | 御霊前(使用不可) |
| 神式 | 御榊料・御玉串料・御神前 | 御香典・御霊前 |
| キリスト教 | 御花料(プロテスタント)・御ミサ料(カトリック) | 御香典・御霊前 |
| 宗派不明 | 御霊前(浄土真宗以外は概ね可) | — |
💡 宗派の確認方法
訃報連絡の文面(「通夜式」→仏式、「前夜祭」→神式、「前夜式」→キリスト教式)や、葬儀会場への電話確認で把握できます。「香典袋の表書きを確認したい」と伝えれば教えてもらえます。宗派を間違えた場合の中では浄土真宗への「御霊前」が最もよくあるミスです。不明なときは葬儀場に確認するのが確実です。
2〜3名の連名
下段に右から左へ役職順に氏名を並べます。同じ役職なら年齢順、それも同じなら五十音順です。
御 香 典
山田太郎 鈴木一郎 田中花子
(部長) (課長) (主任)
4名以上の連名
4名以上は全員の名前を外袋に書くとスペース的に難しくなります。代表者名+「外一同」または「○○部一同」と記載し、全員の氏名を別紙(後述)に書いて中袋に同封します。
御 香 典
株式会社○○ 営業部
山田太郎 外一同
御 香 典
株式会社○○商事
営業部一同
中袋の書き方
表面(金額)は旧字体(大字)で書くのが正式です。
| 金額 | 旧字体(大字)表記 |
|---|---|
| 3,000円 | 金参仟圓 |
| 5,000円 | 金伍仟圓 |
| 10,000円 | 金壱萬圓 |
| 30,000円 | 金参萬圓 |
| 50,000円 | 金伍萬圓 |
裏面(住所・名前)は連名の場合、代表者の住所・会社名・部署名を記載し、「別紙名簿のとおり」と書いて全員分の別紙を同封する方法が遺族にとって最も親切です。
別紙(名簿)の書き方
B5またはA5の白い紙を使い、楷書または縦書きで書きます。
香典拠出者名簿
営業部一同 合計金額 金参萬圓也
山田太郎(部長) 10,000円
鈴木一郎(課長) 5,000円
田中花子(課長) 5,000円
佐藤次郎(主任) 3,000円
高橋三郎(一般) 2,000円
伊藤四郎(一般) 2,000円
渡辺五郎(一般) 2,000円
小林六子(一般) 1,000円
令和○年○月○日
集金の進め方
-
1幹事を決める(主・副の2名体制が理想)
訃報が入ったらまず上司に報告し、幹事役を決める。金銭管理と名簿管理を分担するとミスが減ります。 -
2金額を決めてメールで周知(任意参加を明示)
「賛同いただける方はご協力を」という表現で、参加を強制しないことを明示。不参加者への圧力にならないよう配慮します。 -
3集金と記録(受け取ったら即日記録)
氏名・金額・受領日を記録。現金を持ち歩かない人のために電子決済(PayPay・振込など)も選択肢に入れると集まりやすくなります。 -
4香典袋の準備(新札は避ける)
集金完了後に香典袋を購入。新札は「前もって準備していた」印象を与えるため避けます。お札は肖像画が見えないよう裏向きに入れます。 -
5香典を渡し、1週間以内に会計報告
参列後、集めた金額・使途・残額(もしあれば)を参加者に報告します。
💡 集金にあたって注意したいこと
香典への参加を強制したり、払わない人を名指しで問題にすることは、職場のハラスメントにつながりかねません。「任意」「不参加でも問題なし」を必ず明示してください。育休・休職中の社員、派遣社員は参加を強制せず、本人の意向を確認してから進めます。
受付での渡し方
-
1袱紗(ふくさ)に包んで持参する
むき出しで持参するのはマナー違反です。弔事には紫・グレー・紺・濃緑を使います。赤・ピンクは慶事用なので注意。 -
2記帳は「○○部一同」+代表者名
連名の場合「株式会社○○ 営業部一同 代表 山田太郎」のように記帳します。 -
3両手で差し出し、一言添える
袱紗から取り出し、相手から文字が読める向きにして両手で。「この度はご愁傷様でございます」と一言添えます。
💡 参列できない場合
代理人に依頼する場合は、記帳内容をメモして渡し、「営業部一同からの香典を預かっています」と受付で説明してもらいます。全員が参列できない場合は現金書留で郵送も可能です(お悔やみの手紙を同封し、葬儀の前日までに届くよう手配)。
香典返しが届いたら
連名の場合、香典返しが一つ届くことがあります。事前に「香典返しは辞退」と伝えておくとスムーズですが、辞退しても届いてしまうことがあります。その場合は遺族の気持ちとしてありがたく受け取り、部署の備品購入に充てるか、次回の香典費用として積み立てるのが一般的な対処法です。遺族に返送するのはマナー的に避けてください。
よくある質問
どちらか一方で渡します。両方で渡すと「不幸が重なる」意味になるためタブーです。一般的には時間的余裕がある通夜の受付で渡すことが多いです。喪主と特に親しい場合は葬儀・告別式で渡す方もいます。
浄土真宗は「即成仏」の教えから霊という概念がなく、「御霊前」は使えません。正しくは「御仏前」または「御香典」です。もし間違えて渡してしまった場合、後日ご遺族にお詫びを伝えれば十分です。宗派が不明なときは事前に葬儀場に電話確認するのが確実です。
問題ありません。3,000〜5,000円程度なら簡素なもので十分です。1万円以上を包む場合は文具店や百貨店でやや厚みのあるものを選ぶと見栄えがよくなります。
雇用形態で差別するのは好ましくありません。ただし経済的な事情もあるため、本人の意向を確認した上で、完全に任意として参加を募るのが適切です。正社員と同額を求めず、少額での参加も歓迎する姿勢で伝えましょう。
重複しても問題ありません。ただし受け取るご遺族にとってわかりやすいよう、「会社からの弔慰金」と「部署一同からの香典」を渡す際や記帳の際に区別して伝えると親切です。
まったく失礼ではありません。「明日の○○様のご葬儀に参列させていただきますが、香典袋の表書きについて確認させていただけますか」と伝えれば、スタッフが教えてくれます。
まとめ:会社・職場の香典連名
- 連名は同僚の家族の場合・少人数グループ・若手が多いチームに向く。上司や親しい相手には個別が基本
- 一人あたりの金額は1,000〜5,000円が目安。合計が「4万・9万」にならないよう調整する
- 2〜3名:右から役職順に氏名を並べる。4名以上:「○○部一同」+別紙名簿を同封
- 浄土真宗は「御霊前」が使えない。宗派不明なら事前に葬儀場へ電話確認
- 集金は任意・強制しない。電子決済を活用すると集まりやすい
- 受付では袱紗から取り出し、両手で差し出して「ご愁傷様でございます」と一言添える
- 香典返しは事前に「辞退」と伝えておくか、届いたら部署備品などに充当する
最終更新:2026年5月|TERASU by 玉泉院 編集部
