税理士・相続専門家 監修相続税申告の実務経験を持つ専門家の監修のもと、TERASU編集部が葬儀費用の税務処理について解説します。
「葬儀費用って確定申告で控除できるの?」と多くの方が疑問に思います。
結論:葬儀費用は所得税・確定申告の控除対象にはなりません。ただし相続税の計算では控除できます。
この記事では、相続税における葬儀費用控除のしくみ・控除できる費用とできない費用の一覧・申告方法を解説します。
葬儀費用の税務上の取り扱い【全体像】
| 税目 | 葬儀費用の扱い | 控除可否 |
|---|---|---|
| 所得税(確定申告) | 生活費として扱われる | ❌ 控除不可 |
| 住民税 | 同上 | ❌ 控除不可 |
| 相続税 | 相続財産から差し引ける | ✅ 控除可能 |
⚠ よくある誤解:確定申告では控除できない
「葬儀費用を確定申告で申告した」という方が時々いますが、所得税の確定申告では葬儀費用を控除する制度はありません。相続税の申告のみです。
相続税で控除できる葬儀費用・できない費用
✅ 控除できる葬儀費用
- 葬式・葬儀・告別式の費用(会場費・祭壇費・棺代など)
- 火葬・埋葬・納骨にかかった費用
- 遺体・遺骨の搬送費用
- お通夜の費用
- お布施・読経料・戒名料
- 葬儀に際して支払った心付け
- 死体の捜索・処置費用
✗ 控除できない葬儀関連費用
- 香典返しの費用(相手から受け取った香典に対するお返しのため)
- 墓石・墓地の購入費・永代使用料(非課税財産のため別ルール)
- 初七日・四十九日などの法要費用
- 遺体の解剖費用
- 死亡診断書の費用
相続税の申告が必要かどうかの確認
相続税の申告が必要なのは、相続財産の総額が基礎控除額を超える場合です。
💡 基礎控除額の計算式
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例:法定相続人が3人の場合 → 3,000万円+600万円×3人=4,800万円が基礎控除額。相続財産の総額が4,800万円以下なら申告不要です。
葬儀費用控除のための書類管理
- 葬儀社・火葬場などの領収書をすべて保管する
- お布施など領収書が出ない場合はメモ・記録を残す(日付・金額・支払先)
- 振込明細・クレジットカード明細も証拠として有効
- 相続税申告書の「債務及び葬式費用の明細書」に記載する
- 申告期限は逝去翌日から10ヶ月以内
Qお布施の領収書はもらえますか?
お寺によって対応が異なります。領収書を発行していないお寺も多いため、もらえない場合は支払日・金額・寺院名を記録しておけば証拠として認められます。
Q家族葬でも葬儀費用控除は使えますか?
葬儀の規模・形式に関わらず、相続税の葬儀費用控除は適用されます。家族葬・直葬でも対象となります。
Q相続放棄をした場合、葬儀費用控除は受けられますか?
相続放棄をした場合、原則として相続人でなくなるため相続税申告は不要です。ただし相続放棄前に葬儀費用を負担していた場合など複雑なケースもあるため、税理士への相談をおすすめします。
この記事のまとめ
- 葬儀費用は所得税(確定申告)では控除できない。相続税の計算でのみ控除可能
- 控除できる費用:葬式費用・火葬費用・搬送費・お布施など
- 控除できない費用:香典返し・墓石代・法要費用など
- 相続税申告が必要かは基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人数)で判断
- 領収書・支払記録は必ず保管。お布施は記録だけでも可
最終更新:2026年3月|TERASU by 玉泉院 編集部・税理士監修
