【完全ガイド】一日葬とは?流れ・費用・マナーから葬儀後の手続きまで専門家が解説

この度は、心よりお悔やみ申し上げます。

大切な方とのお別れは、言葉に尽くせぬほどお辛いことと存じます。

悲しみに暮れる間もなく、葬儀の準備や様々な手続きに追われ、何から手をつければ良いのか、途方に暮れていらっしゃる方も少なくないでしょう。

この記事では、近年増えている「一日葬」について、その全体像から具体的な流れ、費用、マナー、そして葬儀後に必要となる手続きまで、一つひとつ丁寧に解説いたします。

この記事を最後までお読みいただくことで、

「これから何を、いつまでに、どうすればいいのか」

その道筋が明確になり、少しでも心の負担が軽くなるはずです。

私たち「TERASU by 玉泉院」は、長年にわたり、多くのご遺族に寄り添い、お見送りを支えてまいりました。その経験から得た知見をもとに、皆様が故人様と向き合う大切な時間を少しでも多く持てるよう、心を込めてご案内します。

どうぞ、ご無理なさらず、ご自身のペースで読み進めてください。

  1. 第1章:一日葬の基本と特徴を理解する
    1. 結論:一日葬とは、お通夜を行わず、告別式から火葬までを一日で執り行う葬儀形式です。
    2. 他の葬儀形式(一般葬・家族葬)との違い
    3. 一日葬が選ばれる理由(メリット)
    4. 一日葬を検討する際の注意点(デメリット)
  2. 第2章:ご逝去から葬儀当日までの準備と流れ
    1. 結論:ご逝去後、まずは落ち着いて葬儀社に連絡し、安置場所を確保します。
    2. 結論:葬儀社との打ち合わせで、葬儀の日程・場所・内容・費用を具体的に決めます。
    3. 結論:訃報の連絡は、葬儀の日時と場所が確定してから行います。
    4. 結論:葬儀当日は、告別式、お花入れの儀、火葬、収骨を執り行います。
  3. 第3章:一日葬の費用について
    1. 結論:一日葬の費用総額は、40万円~100万円程度が一つの目安です。
    2. 結論:費用を抑えるには、複数の葬儀社から見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することが重要です。
  4. 第4章:一日葬の服装と香典のマナー
    1. 結論:遺族・親族は、正喪服または準喪服を着用するのが正式なマナーです。
    2. 結論:参列者は、準喪服を着用するのが一般的です。
    3. 結論:香典を辞退する場合は、その旨を事前に明確に伝えておきましょう。
  5. 第5章:一日葬でよくあるご質問(Q&A)
    1. Q1. 菩提寺(お付き合いのあるお寺)がありません。どうすれば良いですか?
    2. Q2. 親族だけでなく、故人の友人も呼んで良いのでしょうか?
    3. Q3. 一日葬でも、お坊さんに来てもらう必要はありますか?
    4. Q4. 一日葬の場合、その後の法要はどうなりますか?
  6. 第6章:葬儀後に待っている手続き【完全チェックリスト】
    1. 結論:葬儀後の手続きは多岐にわたるため、チェックリストを作成し、期限を意識して計画的に進めましょう。
    2. 期限別・手続きの詳細解説
  7. まとめ:故人様を偲ぶ時間を大切にするために

第1章:一日葬の基本と特徴を理解する

まずはじめに、一日葬がどのような葬儀形式なのか、基本的な知識から見ていきましょう。故人様とご遺族にとって最善のお別れの形を選ぶための第一歩です。

結論:一日葬とは、お通夜を行わず、告別式から火葬までを一日で執り行う葬儀形式です。

一日葬は、宗教的な儀式であるお通夜を省略し、ごく親しい方々で集まり、告別式と火葬を一日で済ませる、比較的新しい葬儀の形です。

一般的な一日葬の流れ(スケジュール例)

時間内容
前日ご遺体の安置・納棺
当日 午前10:00親族集合
当日 午前11:00葬儀・告別式 開式
当日 午後12:00お花入れの儀・最後の対面
当日 午後12:30ご出棺・火葬場へ移動
当日 午後1:30火葬・収骨(骨上げ)
当日 午後3:00解散(繰り上げ初七日法要を行う場合もあり)

TERASU by 玉泉院 編集部より

上記はあくまで一例です。故人様のご遺志やご遺族のご希望に合わせて、スケジュールは柔軟に調整することが可能です。ご不安な点は、いつでも葬儀社の担当者にご相談ください。

他の葬儀形式(一般葬・家族葬)との違い

一日葬、一般葬、家族葬、それぞれの違いが分からず悩まれる方も多くいらっしゃいます。下の表で、それぞれの特徴を比べてみましょう。

形式日数主な参列者特徴
一日葬1日遺族、親族、ごく親しい友人お通夜を行わない。体力的・時間的・費用的な負担が少ない。
一般葬2日遺族、親族、友人、会社関係者、近所の方など幅広くお通夜、葬儀・告別式を行う、最も一般的な形式。
家族葬2日遺族、親族、ごく親しい友人お通夜、葬儀・告別式を行うが、参列者を限定する小規模な形式。

一日葬が選ばれる理由(メリット)

  1. ご遺族の体力的・精神的負担が軽減される二日間にわたる葬儀では、遠方からの参列者への対応や長時間の儀式で、心身ともに大きな負担がかかります。一日で執り行うことで、特にご高齢のご遺族の負担を和らげることができます。
  2. 遠方からの参列者の負担が少ない遠方にお住まいのご親族も、宿泊の必要がなく、日帰りで参列しやすいという利点があります。
  3. 費用を抑えることができるお通夜を行わないため、通夜振る舞い(会食)の費用や、二日分の会場使用料がかからず、一般葬に比べて費用を抑えることが可能です。

一日葬を検討する際の注意点(デメリット)

  1. お別れの時間が短くなるお通夜がない分、故人様とゆっくりお別れをする時間が限られます。儀式的な時間だけでなく、故人様を偲び、思い出を語り合う時間を大切にしたい場合は、物足りなさを感じるかもしれません。
  2. 親族の理解が得られない可能性がある一日葬は比較的新しい形式のため、ご親族の中には「お通夜を行うのが当たり前」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。なぜ一日葬を選んだのか、その理由を丁寧に説明し、理解を得ておくことが大切です。
  3. 参列したくてもできない人が出てくる可能性がある平日の日中に行われることが多いため、お仕事の都合などで、告別式への参列が難しい方もいらっしゃいます。「最後にお別れをしたかった」という方がいらっしゃらないよう、日程調整には配慮が必要です。

TERASU by 玉泉院 編集部より

どの葬儀形式にも、良い面と注意すべき点があります。故人様がどのようなお別れを望んでいらっしゃったか、そしてご遺族がどのように故人様を偲びたいか、そのお気持ちを大切にしながら、最適な形を選んでいきましょう。私たち専門家が、その選択を全力でサポートいたします。


第2章:ご逝去から葬儀当日までの準備と流れ

お辛い状況の中ですが、葬儀当日までに行うべきことを順を追ってご説明します。一つひとつ進めていけば、決して難しいことはありませんのでご安心ください。

結論:ご逝去後、まずは落ち着いて葬儀社に連絡し、安置場所を確保します。

病院などで臨終を迎えられた場合、長時間ご遺体を安置しておくことはできません。医師から死亡診断書を受け取ったら、まずは葬儀社に連絡しましょう。深夜・早朝を問わず、24時間365日対応している葬儀社がほとんどです。

ご逝去からご安置までのステップ

  1. 葬儀社へ連絡お迎えに来てもらう病院名と、故人様のお名前、連絡先を伝えます。事前に葬儀社を決めておくと、この後の流れがスムーズです。
  2. 死亡診断書の受け取りこの後の手続きで必ず必要になる大切な書類です。紛失しないよう、大切に保管してください。
  3. お迎え・ご搬送葬儀社の寝台車が、ご指定の場所(ご自宅、斎場の安置室など)まで故人様をご搬送します。
  4. ご安置・枕飾り故人様をご安置し、ドライアイスなどで処置をします。その後、枕元にお線香や蝋燭、お花などを飾る「枕飾り」を整えます。

結論:葬儀社との打ち合わせで、葬儀の日程・場所・内容・費用を具体的に決めます。

ご安置が済んだら、葬儀社の担当者と具体的な打ち合わせを行います。悲しみの中、多くのことを一度に決めるのは大変ですが、担当者が丁寧に案内しますので、一つひとつ確認していきましょう。

打ち合わせで決めることリスト

  • 喪主の決定:葬儀の中心となってご遺族を代表する方を決めます。
  • 葬儀の日程:火葬場の空き状況や、僧侶、主な親族の都合を確認して決定します。
  • 葬儀の場所(斎場):アクセスや規模、費用などを考慮して選びます。
  • 葬儀の具体的な内容:祭壇、棺、遺影写真、返礼品などを選びます。
  • 費用の確認:詳細な見積書を作成してもらい、内容を十分に確認します。

TERASU by 玉泉院 編集部より

葬儀社との打ち合わせは、非常に重要です。ご遺族の希望に耳を傾け、親身になって相談に乗ってくれる、信頼できる葬儀社を選びましょう。複数の葬儀社から見積もりを取り、内容や対応を比較検討することをおすすめします。分からないこと、不安なことは、どんな些細なことでも遠慮なく質問してください。

結論:訃報の連絡は、葬儀の日時と場所が確定してから行います。

一日葬に誰を呼ぶか、どこまで連絡するかに決まりはありません。ご遺族で話し合い、お呼びする範囲を決めましょう。

  • 連絡する範囲:ごく近しい親族のみか、故人様と特に親しかったご友人もお呼びするかなどを決めます。
  • 連絡のタイミング:葬儀の日時と場所が確定してから連絡するのが一般的です。早すぎると、かえって混乱を招く可能性があります。
  • 連絡の方法:まずは電話で直接伝えるのが最も丁寧ですが、相手との関係性によってはメールやSNSなどで連絡しても問題ありません。

訃報連絡の文例(電話の場合)

「〇〇(続柄)の〇〇(故人名)が、かねてより病気療養中のところ、〇月〇日に永眠いたしました。

つきましては、葬儀を一日葬にて、下記のとおり執り行います。

日時:〇月〇日 午前〇時より

場所:〇〇斎場

誠に勝手ながら、お通夜は執り行いません。

また、ご香典につきましては、故人の遺志により固くご辞退申し上げます。」

結論:葬儀当日は、告別式、お花入れの儀、火葬、収骨を執り行います。

いよいよ葬儀当日です。当日の流れを把握しておくことで、心に少しゆとりが生まれます。

  1. ご遺族・ご親族集合、受付開始開式の1時間~30分前には斎場に到着し、僧侶や参列者をお迎えする準備をします。
  2. 葬儀・告別式僧侶による読経、弔辞・弔電の奉読、ご遺族・ご親族による焼香などが行われます。
  3. お花入れの儀(最後の対面)棺の蓋を開け、祭壇に飾られていたお花などを棺に納めながら、故人様と最後のお別れをします。
  4. ご出棺棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ向かいます。喪主が位牌を、他のご遺族が遺影を持って霊柩車に同乗するのが一般的です。
  5. 火葬・収骨(骨上げ)火葬には1~2時間ほどかかります。その間は控室で待ちます。火葬が終わると、ご遺骨を骨壷に納める「収骨(骨上げ)」の儀式を行います。
  6. 解散収骨後、解散となります。最近では、火葬場から戻ってきて、斎場で「繰り上げ初七日法要」と会食(精進落とし)を行うケースも増えています。

第3章:一日葬の費用について

葬儀の準備を進める上で、費用に関する不安は大きいものです。ここでは、費用の内訳や相場、そして負担を少しでも軽くするためのポイントを解説します。

結論:一日葬の費用総額は、40万円~100万円程度が一つの目安です。

ただし、この金額はあくまで目安であり、参列者の人数、斎場の場所、祭壇の規模などによって大きく変動します。大切なのは、何にどれくらいの費用がかかるのか、その内訳を正しく理解することです。

一日葬の費用内訳

費用の種類内容費用の目安
1. 葬儀一式費用葬儀社に支払う基本的な費用。ご遺体の搬送、安置、棺、骨壷、遺影、祭壇、式場の設営、運営スタッフ人件費などが含まれる。30万円~80万円
2. 施設利用料斎場(葬儀場)や火葬場の使用料。公営か民営かによって金額が大きく異なる。5万円~20万円
3. おもてなし費用参列者への返礼品代など。一日葬では通夜振る舞いがないため、この費用は抑えられる傾向にある。2万円~10万円
4. 宗教者への御礼僧侶などにお渡しするお布施。読経や戒名(法名・法号)のお礼。金額が分からない場合は、葬儀社に相談すると良い。5万円~30万円

結論:費用を抑えるには、複数の葬儀社から見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することが重要です。

後悔のない葬儀にするためにも、費用を抑えるためのポイントを知っておきましょう。

  1. 複数の葬儀社から相見積もりを取る1社だけでなく、2~3社から見積もりを取りましょう。その際、総額だけでなく、「プランに含まれるもの」「追加料金が発生する可能性のあるもの」を詳細に確認することが大切です。
  2. 公営斎場を利用する民営の斎場に比べて、公営の斎場は利用料が安い傾向にあります。故人様または喪主の住民票がある自治体の公営斎場は、さらに安価に利用できる場合があります。
  3. 補助金・助成金制度を活用する故人様が加入していた健康保険から、葬儀費用の一部が支給される制度があります。申請しないと受け取れないため、忘れずに手続きをしましょう。

主な補助金・助成金制度

故人が加入していた保険制度の名称支給額(目安)申請先
国民健康保険・後期高齢者医療制度葬祭費3万円~7万円故人の住民票があった市区町村役場
会社などの健康保険(協会けんぽ、組合健保など)埋葬料(費)5万円勤務先の健康保険組合、または全国健康保険協会

出典情報

  • 国民健康保険の葬祭費について:各市区町村の公式サイトをご確認ください。
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)の埋葬料について:全国健康保険協会公式サイト
  • 制度の詳細は、ご加入の健康保険組合等にご確認ください。

第4章:一日葬の服装と香典のマナー

一日葬に参列する際、服装や香典のマナーで悩む方もいらっしゃいます。ご遺族、参列者、それぞれの立場から解説します。

結論:遺族・親族は、正喪服または準喪服を着用するのが正式なマナーです。

  • 男性:モーニングコート(正喪服)またはブラックスーツ(準喪服)。ワイシャツは白無地、ネクタイ・靴下・靴は黒で統一します。
  • 女性:ブラックフォーマル(準喪服)。黒のワンピースやアンサンブル、スーツなど。肌の露出は控え、ストッキングや靴、バッグも黒で統一します。アクセサリーは結婚指輪と、一連の真珠のネックレス程度に留めます。
  • 子ども:学校の制服があれば、それが正装となります。なければ、黒や紺、グレーなどの地味な色の服装を選びます。

結論:参列者は、準喪服を着用するのが一般的です。

ご遺族より格式が高くならないよう、準喪服を着用します。急な知らせで駆けつける場合は、ダークスーツなど地味な平服でも失礼にはあたりませんが、可能な限り準喪服を用意しましょう。

結論:香典を辞退する場合は、その旨を事前に明確に伝えておきましょう。

一日葬では、参列者が近親者に限られることなどから、ご遺族の負担を減らすために香典を辞退するケースも増えています。

  • 香典を辞退する場合訃報の連絡の際に、「誠に勝手ながら、ご香典につきましては固くご辞退申し上げます」と明確に伝えます。斎場の受付にも、その旨を記した案内を掲示しておくと丁寧です。
  • 香典を受け取る場合香典袋の表書きは、宗教によって異なります(仏式:「御霊前」「御香典」、神式:「御玉串料」、キリスト教式:「御花料」など)。金額の相場は、故人との関係性によって変わりますが、一般的には5,000円~10,000円程度が目安です。

TERASU by 玉泉院 編集部より

マナーは、相手を思いやる気持ちの表れです。しかし、最も大切なのは故人様を悼む心です。形式にこだわりすぎるあまり、お別れの気持ちがおろそかにならないようにしましょう。


第5章:一日葬でよくあるご質問(Q&A)

ここでは、一日葬を検討されるご遺族から実際に多く寄せられるご質問にお答えします。

Q1. 菩提寺(お付き合いのあるお寺)がありません。どうすれば良いですか?

A1. 心配ありません。葬儀社に相談すれば、宗派に合った僧侶を手配してくれます。

近年では、菩提寺を持たないご家庭も増えています。多くの葬儀社では、様々な宗派の僧侶を紹介するサービスを行っていますので、まずは担当者に相談してみてください。

Q2. 親族だけでなく、故人の友人も呼んで良いのでしょうか?

A2. もちろんです。誰をお呼びするかに決まりはありません。

一日葬は「親族だけで行うもの」というイメージがあるかもしれませんが、故人様と親しくされていたご友人に参列していただくことは、何の問題もありません。故人様もきっと喜ばれることでしょう。ご遺族で話し合い、お呼びしたい方をご案内してください。

Q3. 一日葬でも、お坊さんに来てもらう必要はありますか?

A3. 宗教的な儀式を希望される場合は、お坊さん(宗教者)にお願いする必要があります。

読経などの宗教儀式を行わない「無宗教形式」で一日葬を行うことも可能です。その場合は、お坊さんを呼ぶ必要はありません。故人様のご遺志や、ご遺族のお考えに沿って形式を選びましょう。

Q4. 一日葬の場合、その後の法要はどうなりますか?

A4. 通常の葬儀と同様に、初七日、四十九日、一周忌などの法要を執り行います。

一日葬だからといって、その後の法要がなくなるわけではありません。最近では、葬儀当日に火葬場の控室や斎場に戻ってから「繰り上げ初七日法要」を併せて行うことが多くなっています。四十九日法要や一周忌法要については、ご家族やご親族と相談して日程を決めていきましょう。


第6章:葬儀後に待っている手続き【完全チェックリスト】

葬儀を終えても、ご遺族には様々な手続きが待っています。期限が設けられているものも多いため、混乱しがちです。ここでは、必要な手続きを一覧にまとめました。印刷して、一つひとつ確認しながら進めていきましょう。

結論:葬儀後の手続きは多岐にわたるため、チェックリストを作成し、期限を意識して計画的に進めましょう。

【印刷して使える】死亡後の手続きチェックリスト

手続きの項目期限提出先担当チェック
【死亡届・火葬許可申請】死亡を知った日から7日以内市区町村役場
【年金受給停止手続き】10日または14日以内年金事務所または年金相談センター
【健康保険・介護保険 資格喪失届】14日以内市区町村役場、または健康保険組合
【世帯主変更届】14日以内市区町村役場
【児童扶養手当の変更手続き】該当する場合、速やかに市区町村役場
【雇用保険受給資格者証の返還】1ヶ月以内ハローワーク
【生命保険金の請求】できるだけ早く(時効あり)各生命保険会社
【相続放棄・限定承認の申述】3ヶ月以内家庭裁判所
【所得税の準確定申告】4ヶ月以内税務署
【相続税の申告・納付】10ヶ月以内税務署
【各種名義変更・解約手続き】できるだけ早く各契約会社

期限別・手続きの詳細解説

特に重要で、期限が短いものから順に解説します。手続きの際は、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

【〜7日以内】死亡届の提出と火葬許可証の受け取り

  • 手続き内容:故人様の死亡を法的に確定させ、火葬を行うための許可を得る手続きです。
  • 必要なもの:死亡診断書(死体検案書)、届出人の印鑑
  • 提出先:故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地の市区町村役場
  • ポイント:通常は葬儀社が代行してくれます。提出すると「火葬許可証」が交付され、これがなければ火葬はできません。

出典情報:お住まいの市区町村役場の公式サイト(例:「〇〇市 死亡届」で検索)

【〜14日以内】年金・健康保険・介護保険などの手続き

  • 年金受給停止手続き
    • 内容:故人様が年金を受給していた場合、その支給を止める手続きです。手続きが遅れると、多く受け取った分を返還する必要があります。
    • 必要なもの:年金証書、戸籍謄本、死亡診断書のコピーなど
    • 提出先:日本年金機構(年金事務所または年金相談センター)
    • 出典情報日本年金機構「ご本人・ご遺族の皆様へ」
  • 健康保険・介護保険の資格喪失届
    • 内容:故人様の健康保険証・介護保険証を返却し、資格を喪失する手続きです。
    • 必要なもの:健康保険証、介護保険証、死亡の事実がわかる書類など
    • 提出先:国民健康保険・後期高齢者医療制度の場合は市区町村役場。会社の健康保険の場合は勤務先を通じて各健康保険組合。
    • 出典情報:各市区町村役場、またはご加入の健康保険組合の公式サイト

【〜4ヶ月以内】所得税の準確定申告

  • 内容:故人様が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得を計算し、申告・納税する手続きです。故人様が事業所得や不動産所得を得ていた場合などに必要となります。
  • 必要なもの:故人の源泉徴収票、医療費の領収書など
  • 提出先:故人の死亡当時の住所地を管轄する税務署
  • 出典情報国税庁「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」

【〜10ヶ月以内】相続税の申告・納付

  • 内容:故人様の遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に、相続税の申告と納付が必要です。
  • ポイント:遺産の評価や分割協議など、専門的な知識が必要となるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
  • 提出先:故人の死亡当時の住所地を管轄する税務署
  • 出典情報国税庁「相続税の申告と納税」

【その他、速やかに行う手続き】

  • 公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更・解約
  • 電話・インターネット回線の名義変更・解約
  • クレジットカードの解約
  • 運転免許証、パスポートの返納
  • 預貯金口座の名義変更・解約

TERASU by 玉泉院 編集部より

ご覧いただいたように、葬儀後の手続きは非常に多岐にわたります。すべてを一人で、あるいはご家族だけで抱え込む必要はありません。手続きの中には、司法書士や税理士といった専門家の力が必要なものもあります。分からないこと、難しいと感じることは、専門家や市区町村役場の相談窓口、そして私たちのような葬儀のプロに、どうぞお気軽にご相談ください。


まとめ:故人様を偲ぶ時間を大切にするために

本記事では、一日葬の流れや費用、マナー、そして葬儀後の手続きについて、網羅的に解説してまいりました。

大切な方を亡くされた直後は、深い悲しみと、これから始まる様々な手続きへの不安で、心が押しつぶされそうになるかもしれません。

しかし、一つひとつ手順を追って進めていけば、必ず乗り越えることができます。

一日葬は、ご遺族の負担を軽減し、故人様と心静かに向き合う時間を作るための一つの選択肢です。大切なのは、世間体や慣習にとらわれることなく、故人様とご遺族にとって最も良いと思えるお別れの形を選ぶことです。

この記事が、皆様の不安を少しでも和らげ、後悔のないお別れを実現するための一助となれば幸いです。

私たち「TERASU by 玉泉院」は、これからも皆様の心に寄り添い、終活と葬儀に関するあらゆる不安を照らす存在でありたいと願っています。

どんな些細なことでも構いません。何かお困りのことがございましたら、いつでも私たちにご相談ください。