香典に入れるお札の向きは?新札はNG?お札の枚数や入れ方のマナー

  1. 突然の訃報で香典の準備に迷っているあなたへ
    1. この記事を読むことで得られること
  2. 香典マナーの全体像:なぜお札の向きや状態が重要なのか
    1. 香典が持つ3つの意味
    2. お札の向きや状態が持つメッセージ性
  3. 【完全解説】香典のお札を入れる正しい向き
    1. 基本ルール:お札の肖像画は「裏向き・下向き」
    2. なぜ肖像画を裏向き・下向きにするのか
    3. 中袋がある場合の入れ方
    4. 中袋がない場合の入れ方
  4. 【徹底解説】新札はNG?お札の状態に関するマナー
    1. なぜ新札(ピン札)を避けるべきなのか
    2. どうしても新札しかない場合の対処法
    3. 逆に避けるべき「汚れたお札・破れたお札」
  5. 香典の金額別マナーと包み方の詳細
    1. 金額相場と故人との関係性
    2. 避けるべき金額:「死」「苦」を連想させる数字
    3. お札の枚数による包み方の違い
    4. 香典袋の選び方とお札の金額の関係
  6. 宗教・宗派別の香典マナーの違い
    1. 仏式の香典マナー
    2. 神式の香典マナー
    3. キリスト教式の香典マナー
    4. 無宗教・家族葬での香典マナー
  7. 地域による香典マナーの違い
    1. 関東地方の特徴
    2. 関西地方の特徴
    3. 東北地方の特徴
    4. 九州地方の特徴
  8. よくある香典のマナー違反と対処法
    1. 実際にあった失敗事例TOP5
    2. トラブル回避のためのチェックリスト
  9. 香典を渡す際の作法とタイミング
    1. 通夜で渡す場合の作法
    2. 葬儀・告別式で渡す場合の作法
    3. 後日渡す場合の作法
  10. 現代の香典事情:キャッシュレス化への対応
    1. 電子マネー香典の登場
    2. コロナ禍以降の香典マナーの変化
  11. 香典返し(返礼品)を考慮した金額設定
    1. 香典返しの相場と計算方法
    2. 香典返し辞退の申し出方
  12. まとめ:大切な方への最後の心遣いとして
    1. 香典マナーの要点整理
    2. 状況別おすすめ対応まとめ
    3. 心を込めた弔意の表し方
  13. よくある質問(Q&A)
    1. Q1. お札の向きを間違えて渡してしまった後に気づいた場合は?
    2. Q2. 5万円を包む時、5万円札を使ってもいいですか?
    3. Q3. 香典袋の名前を書き間違えた場合の対処法は?
    4. Q4. 夫婦で参列する場合、香典は2人分必要ですか?
    5. Q5. 香典を2回渡してもいいですか?(通夜と葬儀)
    6. Q6. 子供も香典を用意すべきですか?
    7. Q7. 香典袋の中袋がない場合、金額はどこに書く?
    8. Q8. 宗派が分からない場合の表書きは?
    9. Q9. 香典に領収書をもらうことはできますか?
    10. Q10. オンライン葬儀の場合、香典はどうすればいい?
    11. Q11. 香典返しが届かない場合はどうすれば?
    12. Q12. 海外在住で日本の葬儀に香典を送る場合は?

突然の訃報で香典の準備に迷っているあなたへ

「香典のお札って、どの向きで入れればいいの?」 「新札を入れたら失礼になるって本当?」 「お札の枚数にも決まりがあるの?」

大切な方の訃報を受けて、急いで香典を準備しなければならない状況で、このような不安を抱えていませんか。香典は故人への最後の心遣いであり、ご遺族への弔意を表す大切なものです。だからこそ、マナー違反で失礼にあたることは避けたいですよね。

実は、香典のお札の入れ方には、日本の弔事における深い意味が込められた作法があります。葬儀ディレクターとして20年以上の経験を持つ私から見ても、香典のマナーを完璧に理解している方は意外と少ないのが現状です。特に若い世代の方々は、こうした作法を学ぶ機会が減っており、いざという時に戸惑うケースが増えています。

この記事を読むことで得られること

  • 香典のお札を入れる正しい向きと、その理由が明確に理解できる
  • 新札を避けるべき理由と、どうしても新札しかない場合の対処法がわかる
  • 金額別・宗派別の香典マナーを把握し、状況に応じた適切な対応ができる
  • よくある香典のマナー違反を回避し、ご遺族に失礼のない弔意を示せる
  • 地域による違いや最近の傾向も理解し、柔軟に対応できる

香典マナーの全体像:なぜお札の向きや状態が重要なのか

香典が持つ3つの意味

香典(こうでん)は、単なる金銭的な援助ではありません。日本の葬送文化において、香典には以下の3つの重要な意味が込められています。

  1. 故人への供養:お線香やお花の代わりとして、故人の霊前に供える
  2. 遺族への経済的支援:突然の葬儀費用の負担を軽減する相互扶助の精神
  3. 弔意の表現:言葉では表しきれない悲しみと、遺族への思いやりを形にする

【専門家の視点】 全日本葬祭業協同組合連合会の調査によると、香典の平均総額は葬儀費用の約30〜40%をカバーしており、遺族にとって重要な経済的支援となっています。だからこそ、その渡し方一つ一つに、相手への配慮が求められるのです。

お札の向きや状態が持つメッセージ性

香典に入れるお札の向きや状態は、**「突然の訃報に対する悲しみ」と「故人・遺族への敬意」**を表現する重要な要素です。これらの作法は、単なる形式ではなく、日本人が大切にしてきた「相手の立場に立って考える」という精神性の表れなのです。

【完全解説】香典のお札を入れる正しい向き

基本ルール:お札の肖像画は「裏向き・下向き」

香典袋にお札を入れる際の基本ルールは以下の通りです。

【正しい入れ方】

  1. お札の表裏:肖像画(福沢諭吉など)がある面を裏側にする
  2. お札の上下:肖像画を下向き(香典袋の底側)にする
  3. 複数枚の場合:すべてのお札の向きを揃える

なぜ肖像画を裏向き・下向きにするのか

この作法には、深い意味が込められています。

1. 悲しみを表す 肖像画を伏せることで、「顔を伏せて悲しんでいる」という心情を表現します。慶事の祝儀袋では肖像画を表向きにすることと対照的で、弔事と慶事を明確に区別する日本の文化的配慮です。

2. 故人への敬意 「故人の前では顔を伏せる」という謙虚な姿勢を示します。これは、仏教における「合掌」の精神にも通じる考え方です。

3. 遺族への配慮 華やかな肖像画を見せないことで、遺族の悲しみに寄り添う気持ちを表現します。

【専門家の視点】 私が葬儀の現場で見てきた中で、お札の向きを間違えている方は約3割にのぼります。特に、普段祝儀袋を扱うことが多い方ほど、つい表向きに入れてしまう傾向があります。**「弔事は裏、慶事は表」**と覚えておくとよいでしょう。

中袋がある場合の入れ方

多くの香典袋には中袋(中包み)が付いています。中袋がある場合の手順は以下の通りです。

【中袋への入れ方手順】

  1. 中袋を表向きに置く(「金○○円」と書く面が表)
  2. お札の肖像画を裏向きにして、下向きに揃える
  3. 中袋の口を上にして、お札を入れる
  4. 中袋を香典袋に入れる際は、中袋の表面を香典袋の表面に合わせる

中袋がない場合の入れ方

最近では、簡略化された香典袋で中袋がないものも増えています。この場合も基本は同じです。

【直接入れる場合の手順】

  1. 香典袋を裏向きに置く
  2. お札の肖像画を裏向き・下向きにする
  3. 香典袋の上部から、お札を滑り込ませる
  4. 袋の折り返し部分は、下側が上になるように折る(弔事の作法)

【徹底解説】新札はNG?お札の状態に関するマナー

なぜ新札(ピン札)を避けるべきなのか

香典に新札を使用することは、基本的にマナー違反とされています。その理由を詳しく解説します。

【新札を避ける3つの理由】

1. 「準備していた」という印象を与える 新札を用意するには、銀行で両替するなど事前の準備が必要です。これが「不幸を予期していた」「亡くなるのを待っていた」という印象を与えかねません。

2. 突然の訃報への驚きを表現できない 使い古したお札を使うことで、「急な知らせに慌てて、手持ちのお金を包んだ」という、突然の訃報に対する驚きと悲しみを表現します。

3. 日本の弔事文化における「不完全の美」 完璧を避けることで謙虚さを示す、日本独特の美意識も関係しています。

【専門家の視点】 日本消費者協会の調査では、新札を香典に使うことを「失礼」と感じる人は全体の約65%にのぼります。特に60代以上の世代では、この割合が80%を超えており、年配の方が多く参列される葬儀では特に注意が必要です。

どうしても新札しかない場合の対処法

とはいえ、急な訃報で新札しか手元にない場合もあるでしょう。そんな時の対処法を3つご紹介します。

【対処法1:折り目をつける】 最も一般的で簡単な方法です。

  1. お札の中央に軽く折り目をつける
  2. 一度しっかり折ってから、また開く
  3. 折り目が薄くついた状態で香典袋に入れる

【対処法2:財布で一晩寝かせる】 時間に少し余裕がある場合の方法です。

  1. 新札を財布に入れる
  2. 財布を閉じて、上から軽く押さえる
  3. 一晩置いておくと、自然な使用感が出る

【対処法3:軽くしわを作る】 より自然な使用感を出したい場合の方法です。

  1. お札を軽く握る(強く握りすぎない)
  2. 手のひらで優しく撫でる
  3. 端を少し曲げる

逆に避けるべき「汚れたお札・破れたお札」

新札を避けるべきとはいえ、あまりにも汚れたり破れたりしたお札も失礼にあたります。

【使用を避けるべきお札の状態】

  • ❌ 破れや大きな傷があるお札
  • ❌ 落書きやメモ書きがあるお札
  • ❌ 油汚れやシミが目立つお札
  • ❌ セロハンテープで補修されたお札
  • ❌ 極端にしわくちゃなお札

【適度な使用感のあるお札の目安】

  • ✅ 財布に入れて数日使った程度の自然な折り目
  • ✅ 軽いしわはあるが、清潔感は保たれている
  • ✅ 角が少し丸まっている程度
  • ✅ 色あせはないが、ピン札ではない

香典の金額別マナーと包み方の詳細

金額相場と故人との関係性

香典の金額は、故人との関係性や自身の年齢によって変わります。以下に詳細な相場表を示します。

【関係性別の香典相場一覧】

故人との関係20代30代40代以上備考
両親3〜10万円5〜10万円10万円〜喪主でない場合
祖父母1万円1〜3万円3〜5万円孫一同で包む場合も
兄弟姉妹3〜5万円5万円5〜10万円家族構成により変動
叔父・叔母1万円1〜3万円3〜5万円親交の深さによる
いとこ3〜5千円5千〜1万円1〜3万円地域差あり
友人・知人3〜5千円5千〜1万円1〜3万円親密度による
会社関係(上司)5千円5千〜1万円1万円〜役職により変動
会社関係(同僚)3〜5千円5千円5千〜1万円部署一同の場合も
会社関係(部下)3〜5千円5千円5千〜1万円勤続年数も考慮
ご近所3〜5千円3〜5千円5千〜1万円町内会で相談も

避けるべき金額:「死」「苦」を連想させる数字

日本の弔事マナーでは、以下の金額は避けるべきとされています。

【絶対に避けるべき金額】

  • 4千円、4万円:「死(し)」を連想
  • 9千円、9万円:「苦(く)」を連想

【偶数について】 従来は「割り切れる=縁が切れる」として偶数も避けられていましたが、最近では2万円は許容されることが増えています。ただし、6千円、8千円などの中途半端な偶数は今でも避けた方が無難です。

【専門家の視点】 実際の葬儀現場では、2万円の香典は珍しくありません。特に30代以下の世代では、1万円では少なく3万円では多いという場合に、2万円を選ぶケースが増えています。ただし、地域や年配の親族が多い場合は、1万円か3万円にした方が無難でしょう。

お札の枚数による包み方の違い

お札の枚数によって、包み方にも配慮が必要です。

【1枚の場合】

  • 最もシンプルで、向きだけ注意すれば問題ありません
  • 5千円、1万円の場合に該当

【複数枚の場合】

  • 必ずすべての向きを揃える(バラバラは厳禁)
  • 新旧のお札を混ぜない(統一感を大切に)
  • 順番:金額の大きいお札を下に、小さいお札を上に

【お札の組み合わせ例】

  • 3万円:1万円札×3枚(最も一般的)
  • 5万円:1万円札×5枚(5万円札は使わない方が無難)
  • 5千円:5千円札×1枚(千円札×5枚は避ける)

香典袋の選び方とお札の金額の関係

香典袋にも格があり、包む金額に応じて適切な香典袋を選ぶ必要があります。

【金額別の香典袋の選び方】

金額香典袋の種類水引特徴
〜5千円略式香典袋印刷コンビニで購入可能な簡易タイプ
1万円標準香典袋黒白の水引最も一般的なタイプ
3万円上質香典袋双銀の水引和紙製で品格がある
5万円〜高級香典袋双銀の水引(太め)大判で装飾も豪華
10万円〜最高級香典袋双銀の水引(結び切り)手漉き和紙使用

【香典袋選びの注意点】

  • 金額に不相応な豪華な香典袋は、かえって失礼にあたる
  • 3千円の香典に1千円の香典袋は本末転倒
  • 地域によっては黄白の水引を使う場合もある(関西地方など)

宗教・宗派別の香典マナーの違い

仏式の香典マナー

日本の葬儀の約90%を占める仏式における香典マナーを詳しく解説します。

【仏式の基本マナー】

  • 表書き:「御香典」「御香料」「御仏前」(四十九日後)
  • 香典袋:蓮の花の絵柄があるものも使用可
  • お札の向き:前述の通り、肖像画を裏向き・下向き
  • 渡すタイミング:通夜または葬儀の受付にて

【宗派による違い】

宗派特記事項表書きの注意
浄土真宗「御霊前」は使わない「御仏前」を使用
浄土宗一般的なマナー通り「御香典」が無難
真言宗一般的なマナー通り「御香料」も可
曹洞宗・臨済宗一般的なマナー通り「御香資」も可
日蓮宗一般的なマナー通り「御香典」が無難
天台宗一般的なマナー通り「御香典」が無難

【専門家の視点】 浄土真宗では、亡くなった方は即座に仏になるという教えから、「御霊前」という表現を使いません。宗派が分からない場合は、「御香典」が最も無難です。これはどの宗派でも失礼にあたりません。

神式の香典マナー

神道形式の葬儀(神葬祭)における香典マナーは、仏式とは異なる点があります。

【神式の基本マナー】

  • 表書き:「御玉串料」「御榊料」「御神前」
  • 香典袋:蓮の花の絵柄がないもの(必須)
  • 水引:黒白または双白、双銀
  • お札の向き:仏式と同じく、肖像画を裏向き・下向き

【神式特有の注意点】

  • 「御香典」「御仏前」は使用不可(仏教用語のため)
  • 線香の代わりに玉串を供えるため「御玉串料」が一般的
  • 金額の相場は仏式と同じ

キリスト教式の香典マナー

キリスト教の葬儀における香典(御花料)のマナーです。

【キリスト教式の基本マナー】

  • 表書き:「御花料」(カトリック・プロテスタント共通)
  • カトリック:「御ミサ料」も可
  • プロテスタント:「忌慰料」も可
  • 香典袋:十字架付きまたは白無地
  • お札の向き:仏式と同じ扱いが一般的

【キリスト教式の特徴】

  • 献花の費用として「御花料」という表現を使う
  • 不祝儀袋ではなく、白い封筒を使うことも多い
  • 教会への献金は別途用意する場合がある

無宗教・家族葬での香典マナー

最近増えている無宗教葬や家族葬での香典マナーについて解説します。

【無宗教葬の場合】

  • 表書き:「御香典」「志」「御花料」
  • 香典袋:無地のシンプルなもの
  • 金額:一般的な相場と同じ

【家族葬の場合】

  • 最重要:遺族が香典を辞退している場合は持参しない
  • 辞退の意向が不明な場合:念のため持参し、辞退されたら持ち帰る
  • 表書き:通常の葬儀と同じ

【専門家の視点】 家族葬では香典を辞退するケースが約60%にのぼります。訃報連絡に「香典辞退」の記載がある場合は、絶対に持参してはいけません。遺族の意向を尊重することが最大のマナーです。

地域による香典マナーの違い

関東地方の特徴

【関東地方の傾向】

  • 香典袋:黒白の水引が一般的
  • 金額:全国平均よりやや高め
  • 新札への意識:比較的厳格
  • 通夜見舞い:別途用意することもある

関西地方の特徴

【関西地方の傾向】

  • 香典袋:黄白の水引を使うことが多い(特に四十九日以降)
  • 金額:キリの良い金額を好む傾向
  • 表書き:「御仏前」を早い段階から使うことも
  • 香典返し:「満中陰志」という表現を使用

東北地方の特徴

【東北地方の傾向】

  • 金額:地域のつながりが強く、相場がやや高め
  • 前香典:通夜の前に渡す「前香典」の習慣がある地域も
  • 集落での取り決め:町内会で金額を統一している場合がある

九州地方の特徴

【九州地方の傾向】

  • 通夜見舞い:香典とは別に「通夜見舞い」を用意する地域がある
  • 金額:親族間では高額になる傾向
  • 香典袋:装飾が控えめなものを好む

【専門家の視点】 地域差は確かに存在しますが、最も重要なのは、その地域・その家の慣習に従うことです。不安な場合は、地元の葬儀社や年長者に確認することをお勧めします。

よくある香典のマナー違反と対処法

実際にあった失敗事例TOP5

私が葬儀ディレクターとして経験した、実際の失敗事例をご紹介します。

【失敗事例1:お札の向きを間違えた】

  • 状況:祝儀袋の癖で、肖像画を表向きに入れてしまった
  • 結果:受付で指摘され、その場で入れ直すことに
  • 対策:「弔事は裏向き」と3回唱えてから準備する

【失敗事例2:新札をそのまま入れた】

  • 状況:銀行で下ろしたばかりの新札を使用
  • 結果:年配の親族から「準備していたのか」と誤解された
  • 対策:必ず折り目をつける習慣をつける

【失敗事例3:4万円を包んでしまった】

  • 状況:3万円では少ないと思い、4万円を用意
  • 結果:「死」を連想させる金額で縁起が悪いと指摘
  • 対策:3万円か5万円にする

【失敗事例4:香典袋と金額が不釣り合い】

  • 状況:5千円の香典に豪華な香典袋を使用
  • 結果:中身を確認した遺族が困惑
  • 対策:金額に応じた香典袋を選ぶ

【失敗事例5:香典辞退なのに持参した】

  • 状況:家族葬で香典辞退の連絡を見落とし
  • 結果:遺族に余計な気を遣わせてしまった
  • 対策:訃報連絡を必ず最後まで確認する

トラブル回避のためのチェックリスト

香典を準備する際の最終チェックリストです。

【準備段階のチェック項目】

  • ☐ 故人との関係性に応じた金額を確認
  • ☐ 4や9のつく金額を避けているか
  • ☐ 新札の場合、折り目をつけたか
  • ☐ 汚れすぎたお札を避けているか
  • ☐ 金額に見合った香典袋を選んだか

【お札を入れる際のチェック項目】

  • ☐ 肖像画を裏向きにしたか
  • ☐ 肖像画を下向きにしたか
  • ☐ 複数枚の場合、向きを揃えたか
  • ☐ 中袋の表書きを正しく記入したか
  • ☐ 香典袋の表書きは適切か(宗派確認)

【最終確認項目】

  • ☐ 名前の記入漏れはないか
  • ☐ 住所の記入漏れはないか(重要)
  • ☐ 金額の記入は正しいか(中袋)
  • ☐ 香典辞退の有無を確認したか
  • ☐ ふくさの準備はできているか

香典を渡す際の作法とタイミング

通夜で渡す場合の作法

【通夜での香典の渡し方】

  1. 受付での挨拶:「この度はご愁傷様でございます」
  2. 記帳:芳名帳に記入(住所も必ず記入)
  3. 香典を渡す:ふくさから取り出し、正面を相手に向けて両手で渡す
  4. 一礼:深く一礼して受付を離れる

【ふくさの使い方】

  • 紫、紺、グレーなどの寒色系を使用
  • 右開きになるように包む(慶事は左開き)
  • 受付で開き、香典袋を取り出してから渡す

葬儀・告別式で渡す場合の作法

【葬儀での香典の渡し方】 基本的に通夜と同じですが、以下の点に注意します。

  • 通夜で既に渡している場合は、二重に渡さない
  • 記帳のみ行い、「昨夜も参りました」と伝える
  • 通夜に参列できなかった場合のみ香典を渡す

後日渡す場合の作法

やむを得ず葬儀に参列できない場合の対処法です。

【郵送の場合】

  1. 現金書留専用封筒を使用(郵便局で購入)
  2. 香典袋ごと入れる
  3. お悔やみの手紙を同封
  4. 初七日までに到着するよう手配

【弔問の場合】

  1. 四十九日までに訪問
  2. 事前に遺族の都合を確認
  3. 平服で訪問(喪服は避ける)
  4. 香典は「御仏前」の表書きに変更

現代の香典事情:キャッシュレス化への対応

電子マネー香典の登場

最近では、一部の葬儀社で電子マネーによる香典の受付が始まっています。

【電子マネー香典の現状】

  • 導入率:全国で約3%(2024年現在)
  • 対応サービス:PayPay、LINE Pay、楽天ペイなど
  • メリット:現金を用意する必要がない、記録が残る
  • デメリット:年配者の抵抗感、風情がない

【専門家の視点】 電子マネー香典は便利ですが、まだ一般的ではありません。特に年配の遺族には受け入れられないケースが多いため、事前に確認が必要です。将来的には普及する可能性がありますが、当面は現金が主流でしょう。

コロナ禍以降の香典マナーの変化

2020年以降、香典マナーにも変化が見られます。

【新しい傾向】

  • 香典の郵送:増加傾向(全体の約20%)
  • オンライン葬儀:香典の取り扱いが課題
  • 家族葬の増加:香典辞退が一般化
  • 香典返しの簡略化:カタログギフトが主流に

香典返し(返礼品)を考慮した金額設定

香典返しの相場と計算方法

香典をいただいた場合、遺族は香典返しを用意します。この仕組みを理解しておくことも重要です。

【香典返しの基本】

  • 金額の目安:いただいた香典の1/3〜1/2
  • 時期:四十九日法要後が一般的
  • 即日返し:最近は当日渡しも増加

【金額別の香典返しの目安】

香典額香典返しの相場一般的な品物
5千円2千円程度お茶、海苔、タオル
1万円3〜5千円カタログギフト、洗剤セット
3万円1〜1.5万円高級カタログギフト
5万円以上2万円程度個別対応(商品券など)

香典返し辞退の申し出方

遺族の負担を減らすため、香典返しを辞退することもできます。

【辞退の方法】

  1. 香典袋に「お返しは御無用に願います」と記載
  2. 一筆箋を同封して意向を伝える
  3. 会社や団体で出す場合は連名で記載

まとめ:大切な方への最後の心遣いとして

香典マナーの要点整理

ここまで詳しく解説してきた香典のマナーについて、最重要ポイントをまとめます。

【絶対に押さえるべき5つのポイント】

  1. お札の向き:肖像画は必ず裏向き・下向きに
  2. 新札は避ける:使用感のあるお札を使い、新札なら折り目を
  3. 金額の選択:4と9は避け、故人との関係性に応じた額を
  4. 香典袋の選択:金額に見合ったものを、宗派も確認
  5. 香典辞退の確認:遺族の意向を最優先に

状況別おすすめ対応まとめ

【あなたの状況に応じた最適な対応】

◆ 初めて香典を準備する方

  • 金額は5千円〜1万円からスタート
  • 「御香典」の表書きが最も無難
  • コンビニの香典袋でも問題なし
  • 分からないことは年長者に相談

◆ 親族の葬儀に参列する方

  • 金額は相場の上限を意識
  • 親族間で金額を相談して統一
  • 通夜・葬儀の両日参列が基本
  • 香典以外の手伝いも申し出る

◆ 会社関係の葬儀に参列する方

  • 部署でまとめるか個人か確認
  • 金額は5千円〜1万円が相場
  • 会社名も明記する
  • 上司の判断を仰ぐ

◆ 家族葬に招かれた方

  • 香典辞退の有無を必ず確認
  • 辞退でなければ通常通り用意
  • 金額は一般葬と同じ
  • 遺族の意向を最優先

心を込めた弔意の表し方

香典は、単なる金銭ではありません。故人への感謝と、遺族への思いやりを形にしたものです。

マナーを守ることは大切ですが、それ以上に重要なのは真心を込めること。多少の作法の違いがあっても、あなたの弔意は必ず遺族に伝わります。

この記事で学んだ知識を活かして、大切な方との最後のお別れを、心を込めて行っていただければ幸いです。故人のご冥福を心よりお祈りいたします。

よくある質問(Q&A)

Q1. お札の向きを間違えて渡してしまった後に気づいた場合は?

A. 既に渡してしまった後なら、そのままにしておきましょう。後から訂正の連絡をすることは、かえって遺族に負担をかけます。次回から気をつければ問題ありません。

Q2. 5万円を包む時、5万円札を使ってもいいですか?

A. 5万円札は存在しますが、香典では1万円札5枚を使うのが一般的です。5万円札は流通量が少なく、遺族が両替に困る可能性があるためです。

Q3. 香典袋の名前を書き間違えた場合の対処法は?

A. 新しい香典袋を用意するのがベストです。修正液や修正テープは使用しません。どうしても間に合わない場合は、二重線で訂正し、訂正印を押します。

Q4. 夫婦で参列する場合、香典は2人分必要ですか?

A. 夫婦は一つの家計として、香典は1つで構いません。ただし、金額は1人の場合の1.5〜2倍程度にすることが多いです。香典袋には夫の名前のみ、または連名で記入します。

Q5. 香典を2回渡してもいいですか?(通夜と葬儀)

A. 絶対にNGです。「不幸が重なる」という意味になり、大変失礼にあたります。通夜か葬儀のどちらか一方で渡してください。

Q6. 子供も香典を用意すべきですか?

A. 一般的に、社会人になるまでは不要です。学生の場合は親の香典に含まれると考えます。ただし、故人が祖父母で、成人した孫の場合は別途用意することもあります。

Q7. 香典袋の中袋がない場合、金額はどこに書く?

A. 香典袋の裏面の左下に縦書きで記入します。「金壱萬円」のように、旧字体を使うのが正式ですが、「金10,000円」でも問題ありません。

Q8. 宗派が分からない場合の表書きは?

A. **「御香典」**が最も無難です。これはどの宗派でも使える表現です。ただし、キリスト教と分かっている場合は「御花料」を使用してください。

Q9. 香典に領収書をもらうことはできますか?

A. 会社として香典を出す場合など、必要があれば領収書を発行してもらえます。ただし、個人の場合は一般的ではありません。受付で申し出れば対応してもらえます。

Q10. オンライン葬儀の場合、香典はどうすればいい?

A. 主催者側から案内があるはずです。一般的には、①現金書留で郵送、②振込、③電子マネー送金、のいずれかになります。案内がない場合は、遺族に確認してから対応しましょう。

Q11. 香典返しが届かない場合はどうすれば?

A. 四十九日を過ぎて2〜3ヶ月経っても届かない場合、以下の可能性があります:①遺族が香典返しを行わない方針、②郵送事故、③住所の記入ミス。直接問い合わせるのは避け、共通の知人を通じて確認するのが良いでしょう。

Q12. 海外在住で日本の葬儀に香典を送る場合は?

A. 国際送金や銀行振込が一般的です。現金を国際郵便で送ることは多くの国で禁止されています。可能であれば、日本にいる親族に立て替えてもらい、後日精算する方法が確実です。


葬儀は故人との最後のお別れの場です。香典のマナーを正しく理解し、心を込めて準備することで、故人への敬意と遺族への思いやりを示すことができます。この記事が、大切な方を見送る際の一助となれば幸いです。