故人のクレジットカードを解約する方法【主要カード会社別・未払い残高・ポイント・相続放棄まで完全解説】

この度はご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。大切な方を亡くされ、悲しみの中で様々な手続きに追われていらっしゃることと存じます。この記事が少しでもお力になれれば幸いです。

結論からお伝えします:故人のクレジットカードは、遺族(法定相続人)からカード会社に連絡するだけで解約手続きが進められます。ただし未払い残高は相続人が引き継ぐ義務があるため、残高の確認と支払い手続きを忘れずに行うことが重要です。

この記事でわかること

  • 死亡後のクレジットカードの解約手続きの流れ(全5ステップ)
  • 主要カード会社(楽天・三井住友・イオン・JCB・アメックス等)の連絡先と手続き方法
  • 未払い残高の支払い義務と相続人の負担範囲
  • カードが見つからない場合の信用情報機関(CIC・JICC)への照会方法
  • 家族カード・ETCカードの扱い
  • ポイント・マイルの相続可否
  • 電子マネー一体型カードの注意点
  • 付帯保険の請求方法
  • 相続放棄を検討している場合の注意点

解約手続きの全体的な流れ

1
故人が持っているカードをすべて特定する——財布・郵便物・カード明細・銀行引き落とし明細を確認。見つからない場合は信用情報機関へ照会
2
解約前の確認事項を処理する——①カード払いサービスの支払い方法変更 ②電子マネー残高の確認 ③ポイント・マイルの確認 ④付帯保険の請求可否確認
3
各カード会社に死亡の連絡をする——「名義人が死亡したため解約手続きをしたい」と電話で連絡。担当者の案内に従い進める
4
必要書類を提出する(求められた場合)——死亡診断書・戸籍謄本・カード会社所定の届出書など。電話のみで完結するカード会社もある
5
未払い残高の清算をする——残高がある場合は相続人が支払い。銀行口座凍結前に引き落とし可能か確認
💡 解約は急ぎすぎないことも大切

カードを解約する前に、そのカードで支払っているサービス(サブスク・公共料金・保険料等)の支払い方法を変更しておくことが重要です。先に解約してしまうと、サービスが突然停止されたり延滞が発生したりするリスクがあります。

カードを特定する方法(見つからない場合も含む)

まず自力で確認できる場所

  • 財布・貴重品入れ——カード現物を確認
  • 銀行口座の引き落とし明細——「〇〇カード」「〇〇信販」等の名前で毎月引き落とされているものを確認
  • 郵便物——カード会社からの利用明細・お知らせが届いていないか確認
  • メールの受信箱——カード会社からの利用通知・明細メールを検索(「ご利用のお知らせ」「カード明細」等のキーワード)
  • スマートフォンのアプリ——カード会社のアプリがインストールされていないか確認

それでもわからない場合——信用情報機関への照会

故人が契約していたクレジットカードをすべて把握できない場合、信用情報機関に照会することで確認できます。

機関名 特徴 照会方法
CIC(シーアイシー) クレジットカード・消費者金融系の情報が多い 郵送またはインターネット(相続人が申請者として請求)
JICC(日本信用情報機構) 消費者金融・クレジット系の情報 郵送またはスマートフォンアプリ
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行系ローン・クレジットの情報 郵送のみ
3機関への照会で、故人が契約していたカード会社名と残高の概要を把握できます。相続人が申請する場合は、故人との続柄がわかる書類(戸籍謄本等)と申請者の本人確認書類が必要です。手数料は各機関1,000円程度です。

解約前に必ず確認すること

① カード払いサービスを特定し、支払い方法を変更する

以下のようなサービスがカード払いになっていないか確認し、解約前に支払い方法を変更してください。解約後は決済が通らなくなり、サービスが突然停止されます。

カテゴリ 主なサービス例
公共料金 電気・ガス・水道・NHK受信料
通信費 携帯電話・インターネット・固定電話
サブスクリプション Netflix・Amazon Prime・Spotify・雑誌・新聞電子版
保険料 生命保険・医療保険・自動車保険
会費・年会費 各種会員サービス・ジム・習い事
税金・社会保険 国民健康保険・固定資産税(カード払い設定の場合)

② ポイント・マイルの残高を確認する

多くのカード会社ではポイントは解約と同時に失効しますが、一部では移行できるケースもあります。解約前にカード会社に確認してください。

③ 電子マネーの残高を確認する

WAON一体型・Suica一体型など電子マネーが搭載されたカードは、解約前に残高を使い切るか、残高の扱いをカード会社に確認してください。

④ 付帯保険の請求可否を確認する

旅行傷害保険・ショッピング保険など、クレジットカードに付帯する保険があります。死亡が保険の支払い事由に該当する場合は、解約前に請求手続きを進めてください。

主要カード会社別の連絡先・手続き方法

楽天カード

連絡先:楽天カードコンタクトセンター(0570-66-6910)受付時間 9:30〜17:30

手続き方法:電話にて対応。カードを手元に準備してからご連絡を

注意点:家族カード・楽天ETCカードは本カード解約と同時に自動解約。楽天Edy残高は解約前に使い切ること

三井住友カード

連絡先:三井住友カード紛失・盗難デスク(0120-919-000)または通常カスタマーセンター

手続き方法:電話にて受付。必要に応じて書類提出を求められる場合あり

注意点:Vポイントは解約と同時に失効。iD機能搭載の場合は残高確認を

イオンカード

連絡先:イオンカードコールセンター(0570-071-090)受付時間 9:00〜18:00 年中無休

手続き方法:電話にて受付。相続人が連絡

注意点:WAON一体型カードの場合はWAON残高を先に確認・使用すること。イオン銀行口座がある場合は別途相続手続きが必要

JCBカード

連絡先:JCBカード紛失・盗難受付(0120-794-082)または総合案内

手続き方法:電話にて受付後、書類提出を求められる場合あり

注意点:Oki Dokiポイントは解約後に失効。OkiDokiランドの利用履歴も確認を

アメリカン・エキスプレス(アメックス)

連絡先:アメリカン・エキスプレス・カスタマーサービス(0120-020-120)

手続き方法:電話にて受付。死亡証明書等の書類提出を求められることが多い

注意点:メンバーシップ・リワードのポイントは一定条件で移行できる場合あり。年会費が高額なため早めの解約を推奨

dカード(NTTドコモ)

連絡先:dカードセンター(0120-183-360)

手続き方法:電話にて受付

注意点:dポイントは解約と同時に失効。iD機能の残高確認も必要

PayPayカード(旧Yahoo! JAPANカード)

連絡先:PayPayカードカスタマーセンター(0570-990-634)

手続き方法:電話にて受付

注意点:PayPayポイントはPayPayアカウントに残る場合あり。PayPayアカウントの扱いは別途確認

上記は2025年時点の情報です。各カード会社の電話番号・受付時間・手続き方法は変更される場合があります。手続き前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。カードの裏面にも問い合わせ先が記載されています。

未払い残高の相続と支払い義務

未払い残高は相続財産の「負債」として引き継ぐ

クレジットカードの未払い残高(利用残高・リボ払い残額・キャッシング残額)は、相続財産の負債として相続人が引き継ぎます。故人が亡くなっても自動的に消滅するわけではありません。

残高の種類 相続後の扱い
通常の利用残高(翌月一括払い) 相続人が法定相続分に応じて支払い義務を引き継ぐ
リボ払い残額 同上。カード会社から一括請求されることが多い
分割払い残額 同上。残額の一括清算を求められる場合あり
キャッシング残額 同上。消費者金融系は金利が高いため早めの清算を推奨

未払い残高の支払い方法

1
カード会社に残高を確認する——電話で死亡の連絡をした際に、未払い残高の金額を確認する
2
引き落とし口座の凍結状況を確認する——故人の銀行口座が凍結前であれば通常引き落とし可能。凍結後は相続人名義の口座からの振込清算となる
3
カード会社の指示に従い清算する——振込先・清算期限を確認し支払い。残高が高額な場合は分割払いの交渉も可能なケースがある
⚠️ 未払い残高を放置すると遅延損害金が発生する

未払い残高を放置すると、カード会社から遅延損害金を請求されることがあります。特に残高が多い場合は早めにカード会社と連絡を取り、支払い方法を確認してください。なお、未払い残高は相続税申告時に「債務控除」として差し引くことができ、相続税額を軽減できる場合があります。

家族カード・ETCカードの扱い

カードの種類 本会員死亡後の扱い 対応方法
家族カード(配偶者・子名義) 本会員の解約と同時に使用不能・自動解約となるケースがほとんど 解約前に家族カードの利用者に通知。新たに本会員として申し込みが必要
ETCカード 本会員のカード解約と同時に使用不能 高速道路利用がある場合は解約前に新しいETCカードを手配
家族会員が死亡した場合 本会員のカードには影響なし。家族カードのみ解約手続きが必要 本会員からカード会社に連絡して家族カードを解約
💡 家族カードを引き続き使いたい場合

本会員が死亡した場合、家族カードはそのままでは使い続けられません。同じカード会社のカードを引き続き使いたい場合は、本会員の解約後に新たに自分自身が本会員として審査を受けて申し込む必要があります。

ポイント・マイルの相続可否

ポイント・マイルの種類 相続・移行の可否 対応
楽天ポイント 原則失効(楽天カード解約時) 解約前に使い切るか確認
Vポイント(三井住友) 解約と同時に失効 解約前に使い切るか確認
Oki Dokiポイント(JCB) 解約後に失効 解約前に使い切るか確認
ANAマイル ANAの規約上、死亡後は家族への移行手続きが可能(条件あり) ANAマイレージクラブに問い合わせ
JALマイル JALの規約上、一定条件で遺族への移行が可能 JALマイレージバンクに問い合わせ
アメックス メンバーシップ・リワード 条件次第で移行可能なケースあり アメックスカスタマーサービスに確認
ANAマイル・JALマイルは航空会社の規約に基づき遺族への移行手続きが設けられています。マイル残高が多い場合は、カード解約前に各航空会社のマイレージプログラムに問い合わせることをお勧めします。

電子マネー一体型カードの注意点

電子マネーの種類 カード解約後の残高 対応
WAON(イオンカード一体型) 解約と同時に残高失効 解約前に残高を使い切る。イオンカードコールセンターに残高確認を依頼可能
楽天Edy(楽天カード一体型) カード破棄・解約で残高失効 解約前に残高を使い切ること。使い切れない場合は手続き前にカード会社へ確認
Suica(ビュー・スイカカード等) Suica機能のみ分離・払い戻し可能な場合あり JR東日本の窓口で払い戻し手続きが可能なケースあり。事前に確認を
iD(各種カード搭載) カード解約と同時に使用不能 残高がないため特別な手続き不要

付帯保険の請求

クレジットカードには様々な保険が付帯されていることがあります。故人の死亡が保険の支払い事由に該当する場合は、カード解約前に請求手続きを進めてください。

保険の種類 内容 請求の条件
海外旅行傷害保険 海外旅行中の死亡・傷害をカバー カードで旅行費用を支払っていた場合(自動付帯型はカード保有のみで適用)
国内旅行傷害保険 国内旅行中の死亡・傷害をカバー カードで交通費・宿泊費を支払っていた場合
ショッピング保険 カードで購入した商品の損害をカバー 死亡との直接的な関連はなし
カード会員保障制度 カード会員が死亡した場合の特約 一部のカードで付帯。カード会社に確認
✅ 海外で亡くなった場合は特に確認を

海外旅行中に亡くなった場合、クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険から死亡保険金が支払われる可能性があります。保険金額はカードによって異なりますが、ゴールドカード・プラチナカードでは数千万円規模のものもあります。必ずカード会社に保険の適用可否を確認してください。

相続放棄を検討している場合

故人の負債(クレジットカード残高・借金等)が資産を上回る場合、相続放棄を検討することがあります。クレジットカードに関しては以下の点に注意してください。

注意点 内容
相続放棄の期限は3ヶ月 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きが必要
カード残高を支払うと相続放棄できなくなる場合がある 相続財産(故人の預金)でカード残高を支払うと「単純承認」とみなされる可能性がある
葬儀費用は例外とされることが多い 葬儀費用の支払いは「相続財産の処分」に当たらないとする判例・実務が多い
カード会社への連絡自体は問題なし 「死亡した旨の連絡」と「利用停止の依頼」は相続放棄の妨げにならない
⚠️ 相続放棄を検討している場合は専門家に相談を

相続放棄を検討している場合、クレジットカードの残高に故人の資産で支払うことは慎重に判断してください。何が「相続財産の処分」に当たるかは判断が難しいケースがあります。弁護士・司法書士に早めに相談することをお勧めします。相続放棄の期限(3ヶ月)は思いのほか短いため、迷っている場合は早めに専門家へ。

手続きチェックリスト

確認項目 内容・補足
□ 故人のクレジットカードをすべて特定した 財布・明細・郵便物・メールを確認。不明な場合はCIC・JICCへ照会
□ カード払いサービスの支払い方法を変更した 公共料金・サブスク・保険料等。解約前に必ず実施
□ ポイント・マイルの残高を確認した ANAマイル・JALマイルは移行手続きの可否を確認
□ 電子マネー(WAON・楽天Edy等)の残高を確認・使用した 解約後は失効するケースが多い
□ 付帯保険の請求可否を確認した 海外旅行中死亡の場合は特に確認
□ 各カード会社に死亡の連絡をした カードの裏面または公式サイトの問い合わせ先へ
□ 必要書類を提出した(求められた場合) 死亡診断書・戸籍謄本・所定届出書
□ 未払い残高を確認・清算した 残高が多い場合は相続放棄の検討も。支払い前に専門家に相談
□ 家族カード・ETCカードの扱いを確認した 本会員解約後は使用不能になるため、必要なら新規申し込みを
□ 相続放棄を検討している場合は専門家に相談した 3ヶ月の期限に注意

よくある質問

クレジットカードを解約しないとどうなりますか?
放置しても法的なペナルティはありませんが、年会費が引き続き請求されます(無料カードは除く)。また未払い残高がある場合は遅延損害金が発生する可能性があります。解約手続き自体は比較的簡単なので、なるべく早めに対応することをお勧めします。
故人のカードを家族が使い続けることはできますか?
できません。クレジットカードは一身専属の契約であり、故人名義のカードを他の人が使用することは規約違反・不正使用に当たります。引き続きそのカード会社のカードを使いたい場合は、ご自身が新たに本会員として申し込む必要があります。
故人がどのカードを持っていたか全くわかりません。どうすればいいですか?
CIC(シーアイシー)またはJICC(日本信用情報機構)に開示請求を行うことで、故人が契約していたカード会社の情報を確認できます。相続人が申請者として手続きできます(手数料1,000円程度・続柄確認書類が必要)。まずはCICへの照会から始めることをお勧めします。
未払い残高はどうやって支払えばいいですか?
カード会社に連絡した際に、担当者から支払い方法の案内があります。故人の銀行口座が凍結前であれば通常の引き落としで清算できる場合があります。凍結後は相続人名義の口座から振込清算となります。残高が高額な場合はカード会社に分割払いの交渉をしてみてください。
ポイントを使い切る前に解約しなければなりませんか?
解約後にポイントが失効するカードがほとんどです。ただし、解約連絡後すぐに解約処理が完了するわけではなく、手続き中に使う時間的余裕がある場合もあります。カード会社に「ポイントを使い切るまでの猶予があるか」を確認してみてください。ANAマイル・JALマイルは移行手続きがある場合があります。
相続放棄した場合、クレジットカードの未払い残高はどうなりますか?
相続放棄が認められると、相続人は「最初から相続人ではなかった」扱いになるため、クレジットカードの未払い残高を含む故人の負債を支払う義務がなくなります。ただし相続放棄は故人のプラスの財産(預金・不動産等)もすべて放棄することになります。また相続放棄の期限(3ヶ月)と、財産を処分してしまうと放棄できなくなるリスクに注意が必要です。早めに専門家にご相談ください。
手続きにはどのくらい時間がかかりますか?
カード会社への電話は数十分程度で完了します。書類提出が必要な場合は、書類の準備から審査・解約完了まで1〜2週間程度かかることが一般的です。年会費の無駄を避けるため、優先度の高い手続きとして早めに対応することをお勧めします。
複数のカードがある場合、全部に連絡しなければなりませんか?
はい、契約しているカード会社ごとに個別に連絡が必要です。カード会社間で情報は共有されません。CIC・JICCへの照会でカード会社の一覧を把握した上で、一つひとつ連絡していきましょう。

まとめ:クレジットカード死亡後手続きの要点

  • 解約はカード会社への電話で手続き開始。多くの場合、電話のみで完結するか書類提出のみで済む
  • 解約前に:①カード払いサービスの支払い方法変更 ②ポイント・マイル確認 ③電子マネー残高確認 ④付帯保険確認
  • カードが見つからない場合はCIC・JICCへ照会でカード会社を特定できる
  • 未払い残高は相続人が引き継ぐ——放置すると遅延損害金が発生するため早めに清算
  • 未払い残高は相続税申告時に「債務控除」として差し引ける
  • 家族カード・ETCカードは本会員解約と同時に使用不能になるため事前に通知・代替手段の準備を
  • ANAマイル・JALマイルは移行手続きがある——解約前に各マイレージプログラムへ確認
  • WAON・楽天Edyは解約前に使い切るか残高確認を必ず実施
  • 相続放棄を検討している場合は残高を支払う前に専門家へ相談——3ヶ月の期限に注意

どうかご無理なさらないでください。手続きに行き詰まった際は、各カード会社のサポートに遺族として遠慮なくご相談ください。