大阪府内の火葬場は、ほぼすべて公営(市区町村立)で運営されており、火葬料金は「市民料金」と「市外料金」で大きく異なります。最も重要なのは「故人または申請者(喪主)の住民登録がどの市町村にあるか」という一点です。
この記事では、大阪市立5斎場の詳細、府内主要市の火葬料金と条件、費用を抑えるための具体的な方法、補助制度、火葬当日の流れまでを網羅的に解説します。
⚠ 料金は変更になる場合があります
本記事の料金情報は各施設・葬儀社サイト等の公開情報をもとにしていますが、自治体の条例改正等で変更になる場合があります。葬儀社または各斎場へ最新料金を必ず確認してください。
まず知っておく:大阪府の火葬料金の仕組み
「市民料金」と「市外料金」の差が大きい
大阪府内の公営火葬場はすべて各市町村が運営しています。故人または死亡届出人(喪主)が該当市町村の住民であれば「市民料金」が適用され、そうでない場合は「市外料金」になります。この差が非常に大きいため、どちらの料金が適用されるかを確認することが費用管理の最重要ポイントです。
| 市区町村 | 市民料金(大人) | 市外料金(大人) | 差額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 10,000円 | 60,000円 | 50,000円 | 故人または申請者のいずれかが大阪市民・八尾市民なら市民料金 |
| 堺市 | 20,000円 | 100,000円 | 80,000円 | — |
| 吹田市 | 5,000円 | 20,000円 | 15,000円 | 式場併設なし(大曽根火葬場) |
| その他多くの市 | 概ね10,000〜20,000円 | 市民料金の3〜5倍が目安 | — | 各市公式サイトで確認 |
⚠ 火葬場がない市町村があります
大阪府内には、松原市・羽曳野市・河南町・太子町・千早赤阪村など、独自の火葬場を持たない市町村があります。これらの自治体に住民票がある故人の場合、近隣市町村の火葬場を利用することになりますが、その際は原則として市外料金になります。葬儀社に確認してください。
「市民料金」が適用される条件
市民料金の適用条件は自治体によって異なりますが、大阪市の場合は以下の通りです。
- 故人が大阪市(または八尾市)の住民登録を持つ場合——市民料金
- 故人は他市の住民だが、死亡届出人(喪主)が大阪市(または八尾市)の住民登録を持つ場合——市民料金
- 上記どちらにも該当しない——市外料金(60,000円)
✅ 大阪市は「故人か申請者のいずれか」が対象
大阪市立斎場の場合、故人と申請者(喪主)のどちらかが大阪市・八尾市の住民であれば市民料金10,000円が適用されます。故人が他市に住んでいたとしても、喪主が大阪市民であれば市民料金になります。この点を葬儀社に必ず確認してください。
ただし、この「申請者が市民なら適用」というルールは市町村によって異なります。基本は「故人の住民登録が基準」という市町村が多いため、葬儀社または各斎場に個別に確認することをお勧めします。
火葬料金の支払いと葬儀社の役割
火葬料金は、通常葬儀社が一旦立て替えて火葬場に支払い、葬儀後に遺族へ請求します。どの葬儀社に依頼しても火葬料金は同一です(斎場が公営のため)。火葬場から領収書が発行されます。
また、火葬場の予約は葬儀社が専用システムで行います。遺族が直接予約することはできません。希望する斎場・日程を葬儀社に伝えることが重要です。
大阪市立5斎場の詳細
大阪市内には5つの市立斎場があります(葬祭場「やすらぎ天空館」は式場のみで火葬場は別)。5つすべてで市民料金は同額(大人10,000円)です。
大阪市立瓜破斎場(平野区)
住所:大阪市平野区瓜破東4-4-146
交通:大阪メトロ谷町線「喜連瓜破駅」から約3km・シティバス「瓜破霊園前」バス停から徒歩約10分
火葬炉:30炉(大阪市立斎場で最大)
特徴:市内最大規模で稼働炉数が多く、比較的予約が取りやすい。式場・遺族控室・市民休憩室完備
利用条件:市民料金は大阪市(または八尾市)の住民・申請者
大阪市立北斎場(北区)
住所:大阪市北区長柄西1-7-13
交通:大阪メトロ谷町線・堺筋線「天神橋筋六丁目駅」から徒歩約8分
特徴:都心部に位置し交通アクセスが良好。明治9年創業の歴史ある斎場で、2001年に全面建替え済み。式場と火葬場が同一敷地内。駐車場あり(自家用車・バス)。※2025年7月より小林斎場の建替工事にともなう影響あり(詳細は大阪市公式サイト参照)
利用条件:市民料金・式場利用ともに大阪市・八尾市の住民・申請者
大阪市立小林斎場(大正区)
住所:大阪市大正区小林東2-7-20
交通:大阪メトロ長堀鶴見緑地線「大正駅」からバス約10分
火葬炉:10炉(標準炉8炉・大型炉2炉)。式場は大式場(約40席)・小式場各1室
特徴:大正区・西成区を中心とした大阪市南西部の方に多く利用される。※2025年7月より建替工事開始。2028年(令和10年)4月の新斎場供用開始まで式場利用停止・駐車台数制限あり。火葬は通常通り実施
利用条件:市民料金は大阪市・八尾市の住民・申請者
大阪市立鶴見斎場(鶴見区)
住所:大阪市鶴見区鶴見4-8-36
交通:大阪メトロ長堀鶴見緑地線「今福鶴見駅」から徒歩約15分(タクシー約5分)、シティバス「寝屋川大橋」から徒歩約10分
式場使用料:大式場 昼間23,000円・夜間46,000円、小式場 昼間6,000円・夜間12,000円
特徴:比較的こじんまりとした雰囲気で少人数の家族葬に向く。遺族控室・市民休憩室完備
利用条件:市民料金は大阪市・八尾市の住民・申請者
大阪市立佃斎場(西淀川区)
住所:大阪市西淀川区佃2-12-17
交通:阪神なんば線「出来島駅」から徒歩約10分
火葬炉:4炉(市内最小規模)
特徴:西淀川区・此花区等の大阪市北西部の方に多く利用される。小規模でアットホームな雰囲気。式場1室あり。阪神高速からのアクセス良好
利用条件:市民料金は大阪市・八尾市の住民・申請者
💡 大阪市立斎場のすべてに共通する事項
①心づけ(チップ)は一切不要(斎場職員への謝礼は不要です)、②休場日は1月1日のみ(大阪市立斎場は友引でも通常通り運営)、③写真撮影禁止(個人情報保護・他の来場者への配慮)、④火葬の前日から遺体安置所利用可(ただし式場利用中は安置所利用不可)、⑤ペースメーカーがある場合は申込時に必ず申告。
大阪市以外の主要斎場
堺市立斎場
堺市が運営する大規模な公営斎場です。式場と火葬場が一体となった施設で、通夜から火葬まで一貫して執り行えます。
| 区分 | 市民料金 | 市外料金 |
|---|---|---|
| 大人(12歳以上) | 20,000円 | 100,000円 |
市外料金が10万円と大阪市よりさらに高額です。堺市民の方は必ず堺市立斎場を利用することで費用を抑えられます。料金の詳細・最新情報は堺市公式サイトまたは葬儀社にお問い合わせください。
吹田市立大曽根火葬場
吹田市が運営する火葬場です。JR吹田駅より徒歩約15分。
| 区分 | 市民料金 | 市外料金 |
|---|---|---|
| 大人 | 5,000円 | 20,000円 |
市民料金が5,000円と府内でも安価な水準ですが、式場が併設されていない点に注意が必要です。通夜・告別式は別途民間式場を手配する必要があります。
その他の市区町村火葬場
豊中市・東大阪市・枚方市・茨木市・八尾市・高石市など、大阪府内の各市に公営火葬場があります。市民料金は概ね10,000〜20,000円程度が多いですが、市外料金はその3〜5倍程度に設定されているケースがほとんどです。詳細料金は各市公式サイトまたは担当の葬儀社にお問い合わせください。
費用を抑えるための実践的なポイント
①住民登録の状況を必ず確認する
故人の住民票がどの市町村にあるかが、市民料金適用の基本条件です。以下のケースに特に注意が必要です。
- 高齢者施設・病院に長期入院していた場合:施設・病院所在地に住民票を移していないケースが多く、以前の住所が住民登録地になっている場合があります
- 子世帯と同居・近居の場合:故人と子の住民票が異なる市町村のケースがあります
- 「申請者(喪主)が市民なら適用」かどうかを確認する:大阪市など一部の自治体では申請者基準が認められます。この条件は自治体によって異なります
②式場併設の公営斎場を選ぶと移動費が不要になる
大阪市立北斎場・小林斎場・瓜破斎場・鶴見斎場・佃斎場はすべて式場と火葬場が同一敷地内にあります。これにより、霊柩車やマイクロバスが不要になり、移動費用が約10万円程度削減できるケースがあります。高齢者や体の不自由な参列者の方の負担も軽減されます。
⚠ 小林斎場は2025年7月から建替工事中
大阪市立小林斎場は2025年7月より建替工事が始まり、式場の利用が停止されています(火葬は通常通り実施)。新斎場の供用開始は2028年(令和10年)4月予定です。また工事期間中は駐車場の利用にも制限があります。詳細は大阪市公式サイト・担当葬儀社にご確認ください。
③葬儀規模を適正化する
火葬料金は自治体の公定料金で変わりませんが、式場使用料・料理・返礼品などは葬儀の規模によって変動します。家族葬や直葬(火葬式)を選ぶことで、式場費用・料理・返礼品などのコストを大幅に削減できます。なお、直葬の場合でも搬送・安置・棺・骨箱などの費用は発生します。
④早めに葬儀社に相談しておく
火葬場の予約は先着順で、特に年末年始・お盆・インフルエンザ流行期(冬季)は混雑します。葬儀社は24時間対応している場合がほとんどなので、もしものときはできるだけ早く連絡してください。また、事前に複数の葬儀社に問い合わせ、「認知症の家族がいる」「遠方から参列する親族が多い」など個別の事情を伝えることで、より適切な提案を受けられます。
副葬品(棺に入れてはいけないもの)
火葬炉や遺骨の損傷・環境汚染を防ぐため、以下のものは棺に入れないよう各斎場で定められています。
| 禁止の理由 | 主な品目 |
|---|---|
| 環境汚染・焼骨の損傷 | プラスチック製品、ゴム製品、発泡スチロール |
| 溶解して設備・焼骨に付着 | ガラス製品(花瓶等)、金属製品、カーボン(カーボン製品) |
| 爆発・破裂の危険 | スプレー缶、ライター、乾電池、カセットボンベ、缶類 |
| 燃えない・燃えにくい | 布団・毛布、分厚い書籍・アルバム類、果物、ドライアイス |
| 有毒ガスの発生 | 一部の化学繊維製品 |
⚠ ペースメーカーは必ず申告を
ご遺体にペースメーカーや体内に医療用金属(人工関節等)が埋め込まれている場合は、斎場申込時に必ず申告してください。ペースメーカーは火葬中に爆発する危険があります。
利用できる補助制度
葬祭費支給制度(国民健康保険・後期高齢者医療保険)
故人が国民健康保険または後期高齢者医療保険に加入していた場合、葬儀を行った喪主に葬祭費として50,000円が支給されます(大阪市・東大阪市・他多くの市区町村で確認済み。金額は自治体により異なる場合があります)。
| 保険の種類 | 申請窓口 | 支給額(大阪市の場合) | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 区役所の国民健康保険担当窓口 | 50,000円 | 葬儀から2年以内 |
| 後期高齢者医療保険 | 区役所の後期高齢者医療担当窓口 | 50,000円 | 葬儀から2年以内 |
| 会社の健康保険(社会保険) | 加入している健康保険組合 | 50,000円(埋葬料) | 死後2年以内(組合による) |
申請に必要な書類の一般例(大阪市の場合):葬祭費支給申請書、死亡診断書のコピーまたは死亡が確認できる書類、故人の保険証(資格確認書)、葬儀の領収書(喪主氏名の記載があるもの)、喪主の振込先口座情報、喪主の本人確認書類。詳細は各区役所にご確認ください。
生活保護世帯の場合(福祉葬)
生活保護を受給していた方が亡くなった場合、または遺族が生活保護受給中で葬儀費用の負担が困難な場合、自治体による「葬祭扶助(福祉葬)」が適用される場合があります。大阪市では公営斎場での火葬費用が葬祭扶助の範囲内でまかなわれます。担当のケースワーカーまたは区役所の生活保護担当窓口にご相談ください。
大阪市規格葬儀制度
大阪市では、市が料金・内容を規格化した「規格葬儀」制度があります。手続きや祭壇等の内容があらかじめ決まっており、初めての葬儀でも費用の見通しが立てやすい制度です。葬儀社または大阪市環境局に問い合わせてください。
火葬当日の流れと必要書類
必要書類
- 死体火葬許可証(必須)——役所に死亡届を提出した際に発行。当日、これがないと火葬できません
- 申請者の身分証明書
✅ 死亡届と火葬許可証の手続きは葬儀社が代行してくれます
死亡届の提出・火葬許可証の取得は、葬儀社が代行してくれるのが一般的です。「自分でやらなければならないのか」と心配する必要はありません。ただし、書類に記入する内容(死亡日時・場所・故人の情報等)の確認は喪主が行う必要があります。
当日の流れ
| 場面 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 式場での葬儀(通夜・告別式) | 斎場または別会場で実施。式場併設の場合は移動不要 |
| 出棺・移動 | 式場と火葬場が別の場合、霊柩車・マイクロバスで移動。式場併設の場合は徒歩または施設内移動 |
| 受付・火葬許可証の提出 | 火葬場の受付で「死体火葬許可証」を提出。これがないと火葬不可 |
| 納めの式 | 火葬炉前で行う最後のお別れ。僧侶の読経・焼香を行う場合も |
| 待機時間(約1〜2時間) | 市民休憩室・遺族控室で待機。軽食・飲み物を持参するか、販売機を利用 |
| 収骨(お骨上げ) | 火葬後、骨壺に遺骨を納める。長時間の立ち仕事になるため高齢者は注意 |
⚠ 友引について(大阪市の場合)
大阪市立斎場は友引日でも通常通り火葬を実施しています。ただし一部の自治体・斎場では友引を休場日に設定しているところもあります。他の市の斎場を利用する場合は事前に確認してください。
よくある質問
住民票が入居施設のある市町村にある場合、その市町村の火葬場を使えば市民料金が適用されます。ただし大阪市のように「申請者(喪主)が市民なら市民料金適用」という市の場合は、喪主の住民票がある市の斎場を市民料金で使える可能性があります。実際の状況を葬儀社に詳しく伝えて確認してください。
火葬料金(市民料金:大人10,000円など)は5か所すべて同額です。ただし式場使用料は各斎場によって異なります。また小林斎場は2025年7月から建替工事により式場が利用停止中ですが、火葬は通常通り実施されています。
火葬場の予約は葬儀社が専用システムで行います。遺族が直接予約することはできません。通常、ご逝去から2〜3日後に火葬できるケースが多いですが、年末年始は5〜7日待ちになることもあります。法律上、死後24時間以内の火葬は禁止されています。希望する斎場・日時を葬儀社に伝えてください。
公営火葬場の火葬料金は条例で定められた公定価格のため、どの葬儀社に依頼しても同一です。葬儀社から火葬場の領収書が発行されます。ただし葬儀社への委託費・式場費用・搬送費などはそれぞれ異なりますので、総額での比較が重要です。
燃える素材のものなら入れられます。よく入れられるものとして、故人が好んでいた衣服(天然素材)・手紙・写真(紙焼き)・生花などがあります。ただし量が多い場合は追加の費用がかかる場合があります。プラスチック・ガラス・金属製品・大きな果物・厚い本などは禁止されています(副葬品の禁止リストを参照)。
大阪市の場合、葬儀執行日から2年以内です。期限があるため、葬儀後の落ち着いたタイミングで早めに申請することをお勧めします。申請窓口は故人が加入していた保険によって異なります(国民健康保険・後期高齢者医療保険は区役所、社会保険は勤務先の健康保険組合)。申請には葬儀の領収書(喪主名の記載があるもの)が必要です。
大阪市立斎場では、職員へのチップ(心づけ)は一切不要と明示されています。他の公営斎場でも同様に不要とされているところがほとんどです。葬儀社のスタッフへのお礼は慣習として行う方もいますが、必須ではありません。
まとめ:費用を抑える3つのポイントと確認事項
- ①住民登録を確認:故人と申請者(喪主)の住民票がどの市町村にあるかで、火葬料金が大きく変わる。大阪市の場合、故人・申請者のどちらかが大阪市・八尾市民なら10,000円
- ②式場併設斎場を選ぶ:大阪市立5斎場はすべて式場と火葬場が同一施設内。霊柩車・マイクロバスが不要で約10万円の節約になる場合がある
- ③補助制度を活用:国民健康保険・後期高齢者医療保険加入者は葬祭費50,000円の支給あり(申請期限:葬儀から2年以内)
- 火葬場の予約は葬儀社が行う。直接予約は不可
- 心づけは不要(公営斎場)。火葬料金はどの葬儀社でも同額(公定料金)
- ペースメーカー・体内金属は申込時に必ず申告
- 小林斎場は2025年7月から建替工事中(式場利用停止、火葬は通常通り)
- 料金・条件は変更になる場合があるため、利用前に各斎場・葬儀社へ最新情報を確認
最終更新:2026年5月|TERASU by 玉泉院 編集部
参考:大阪市公式サイト(市立斎場のご案内)、各葬儀社公開情報、大阪市立北斎場・鶴見斎場ほか
※料金・施設情報は変更される場合があります。利用前に必ず各施設へご確認ください。

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