NHK受信料を死亡後に解約する方法|返金・未払い・名義変更・廃止届まで完全解説

この度はご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。大切な方を亡くされ、悲しみの中で様々な手続きに追われていらっしゃることと存じます。この記事が少しでもお力になれれば幸いです。

結論からお伝えします:NHK受信契約は契約者が死亡しても自動的に解約されません。遺族がNHKに電話連絡した上で「放送受信契約解約届」を郵送することで解約できます。先払い済みの受信料は死亡月以降の分が返金されます。インターネットのみでの解約はできません。

この記事でわかること

  • 解約・名義変更どちらを選ぶべきかの判断基準
  • 電話・インターネット別の手続き手順と必要書類
  • 先払い受信料の返金額の計算方法と手続き
  • 未払い受信料がある場合の対処法と消滅時効
  • 名義変更の手順(同居家族が引き続き視聴する場合)
  • 相続放棄を検討している場合の注意点
  • NHK受信料の免除制度(障害者・生活保護等)
  • テレビを処分する場合の廃止届の手続き
  • よくある質問と注意点

解約か名義変更か——状況別の判断基準

NHK受信契約の手続きは、今後の住居・テレビの状況によって「解約」と「名義変更」に分かれます。

状況 必要な手続き 理由
一人暮らしで、誰も住まなくなる 解約 テレビを受信できる環境がなくなるため
一人暮らしで、家族が引越して住む予定 名義変更(引越した家族が新たに契約者に) 引き続き受信環境があるため
同居家族がいて、引き続き同じ家に住む 名義変更(同居の家族が新たに契約者に) 受信環境が継続するため。名義変更しないと故人宛に請求が続く
同居家族がいて、テレビを廃棄・譲渡する 解約(廃止届が必要) 受信機がなくなるため
施設に入所中で住居にテレビがない状態だった 解約 受信環境がすでにない
💡 判断に迷ったらまず電話で相談を

状況が複雑な場合は、NHKふれあいセンターに電話して「どちらの手続きが必要か」相談するのが最も確実です。電話番号は後述の連絡先をご確認ください。

解約手続きの手順(電話+郵送)

重要:NHK受信料の解約はインターネットのみでは完結しません。必ず電話連絡→書類郵送の手順が必要です。
1
NHKふれあいセンターに電話する
「契約者が亡くなったため解約したい」と伝える。手元に以下を準備しておくとスムーズ
・故人のお客様番号(NHKからの請求書・領収書に記載)
・故人の氏名・住所・生年月日
・連絡者(遺族)の氏名・続柄
2
「放送受信契約解約届」の郵送を待つ
電話後2〜3週間程度でNHKから「放送受信契約解約届」が自宅に郵送される
3
解約届に必要事項を記入して返送する
記入する内容:契約者氏名・住所・お客様番号・解約理由(死亡)・解約希望日・受信機の台数など。記入後はコピーを手元に保管しておくこと
4
必要に応じて死亡証明書類を同封する
死亡診断書のコピー・戸籍謄本(死亡の記載があるもの)のいずれかを求められる場合がある。案内に従って対応
5
解約完了の通知を受け取る
書類受理後、NHKから解約完了の通知が届く。先払い受信料がある場合は返金の案内も届く
📞 NHKふれあいセンター(解約・名義変更の窓口)
フリーダイヤル 0120-151515(通話料無料)
ナビダイヤル 0570-000-151(有料・IP電話等対応)
受付時間 9:00〜18:00(年中無休)
IP電話・フリーダイヤル非対応の場合 050-3786-5003(有料)

フリーダイヤル(0120-151515)は混雑して繋がりにくい場合があります。時間帯を変えて何度かお試しください。

✅ 解約の連絡が遅れた場合でも死亡月に遡って処理できる

解約の連絡が遅れた場合でも、死亡の事実を証明する書類(死亡診断書・戸籍謄本等)を提出すれば、死亡月以降の受信料は返金または請求されません。手続きが遅くなったことを気にせず、連絡してください。ただし一部の窓口では案内されないケースもあるため、「死亡月に遡って処理したい」と明示的に伝えることをお勧めします。

名義変更の手順

同居家族が引き続き同じ家に住んでテレビを視聴する場合は、解約ではなく名義変更が必要です。

電話での名義変更

1
NHKふれあいセンター(0120-151515)に電話し、「契約者が死亡したため名義変更したい」と伝える
2
新しい契約者(遺族)の氏名・住所等の情報を伝える
3
自宅に必要書類(口座振替変更届等)が郵送されるので記入して返送
4
続柄を確認する書類(戸籍謄本等)の郵送を求められる場合あり

インターネットでの名義変更(電話より簡単)

NHK公式サイト「受信料の窓口」内の「放送受信料 契約者氏名変更のお手続き」から手続きが可能です。必要事項を入力フォームに記入して送信するだけで完了するため、電話より簡単に手続きできます。

名義変更後は、新しい契約者として受信料の支払い義務が発生します。支払い方法の変更(口座振替・クレジットカード等)も合わせて手続きしてください。名義変更後に免除制度の対象となる場合は、別途免除申請が必要です(後述)。

先払い受信料の返金

NHKの受信料は2ヶ月・6ヶ月・12ヶ月の前払い制が原則です。契約者が亡くなった場合、解約届が受理された月の翌月以降に相当する先払い分が返金されます。

返金の計算イメージ

支払い方法 返金対象
2ヶ月払い 解約月の翌月以降の未消化分 5月死亡・6月解約届受理の場合→残り1ヶ月分が返金
6ヶ月払い 解約月の翌月以降の未消化分 6ヶ月分を前払い中、3ヶ月目に死亡→残り約3ヶ月分が返金
12ヶ月払い 解約月の翌月以降の未消化分 年払いで7ヶ月経過後に死亡→残り約5ヶ月分が返金
口座振替(2ヶ月ごと) 解約月翌月以降の前払い分 同上の計算で返金
💡 返金額と返金先口座の確認

返金される金額と振込先口座の確認は、解約届の記入時またはNHKからの案内書類で行います。返金先は故人の口座ではなく遺族(手続きを行う方)の銀行口座を指定します。銀行口座の情報(金融機関名・支店名・口座番号)を手元に準備しておきましょう。

⚠️ 相続放棄を検討している場合は返金を受け取る前に確認を

先払い受信料の返金は「相続財産の取得」にあたる可能性があります。相続放棄を検討している場合は、返金を受け取ると「単純承認」とみなされて相続放棄ができなくなるリスクがあります。返金の受け取りは、相続放棄の手続きが完了してから行うか、事前に弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。

未払い受信料がある場合の対処法

故人が受信料を滞納していた場合、その未払い分は相続財産の「負債」として相続人が引き継ぎます。以下の対処法があります。

対処法①:消滅時効の援用(5年以上の未払いがある場合)

NHK受信料の消滅時効期間は5年です。死亡時点で5年以上前の未払い受信料については、消滅時効を主張(援用)することで支払い義務を免れることができます。

1
NHKから届いている督促状・請求書で未払い期間を確認する
2
5年以上前の分について、内容証明郵便でNHKに「消滅時効を援用する」旨を通知する
3
手続きに不安がある場合は弁護士・司法書士に相談する
消滅時効の援用により、長期の未払いがある場合でも支払うべき金額を直近5年分に抑えることができます。NHKからの督促が来ている場合でも、支払いを行う前に時効の確認をすることをお勧めします。

対処法②:相続放棄(未払い額が多い場合)

受信料の未払い額が多く、他の負債も合わせてプラスの相続財産を上回る場合は、相続放棄を検討することができます。相続放棄すれば、未払い受信料を含む故人の一切の負債を引き継がずに済みます。ただし、プラスの財産も受け取れなくなります。

対処法③:相続する場合は支払い(債務控除の活用)

未払い受信料を支払う場合、それは相続税申告の際に「債務控除」として遺産総額から差し引くことができます。ただし、控除できるのは故人の存命中(死亡月まで)の未払い分のみです。死亡後に同居家族が継続して視聴した分は控除の対象になりません。

相続放棄との関係と注意点

行為 相続放棄への影響
NHKに死亡の連絡をする 影響なし
解約届を提出する 解約届の提出自体は影響なし
先払い受信料の返金を受け取る 「単純承認」とみなされる可能性あり→相続放棄できなくなるリスクあり
未払い受信料を相続財産から支払う 「単純承認」とみなされる可能性あり→相続放棄できなくなるリスクあり
未払い受信料を自分の財産から支払う 相続放棄自体には影響しないが、支払いが損になる可能性あり
⚠️ 同居の配偶者は相続放棄しても一部支払い義務が残る場合あり

相続放棄をした場合でも、故人と同居していた配偶者は「日常家事債務の連帯責任」により、死亡後の受信料の支払い義務を負う場合があります(民法761条)。ただしこれは受信契約が継続している場合の話です。解約手続きを速やかに行えば、死亡以降の受信料については請求されません。

受信料免除制度(名義変更後に使える)

名義変更後に新しい契約者(遺族)が以下の条件に該当する場合、受信料の全額または半額免除を申請できます。

全額免除の対象

対象 条件
生活保護受給世帯 生活保護法に規定する扶助を受けている
障害者のいる世帯(全額) 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳いずれかの交付を受けている方がいて、世帯構成員全員が市町村民税非課税
社会福祉施設入所者 社会福祉法に規定する施設に入所している
奨学生等 親元を離れて暮らす学生で、奨学金受給・授業料免除等の条件を満たす場合

半額免除の対象

対象 条件
重度障害者が世帯主の場合 身体障害者手帳1・2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級に相当する方が世帯主で受信契約者
視覚・聴覚障害者が世帯主の場合 身体障害者手帳の交付を受けている視覚または聴覚障害者が世帯主で受信契約者
✅ 免除申請はNHKの公式サイトまたは申請書郵送で

免除申請はNHK公式サイト「受信料の窓口」の免除申請ページから行えます。郵送での申請も可能です。申請には免除対象であることを証明する書類(各種手帳・保護受給証明等)が必要です。

テレビを処分する場合——廃止届の手続き

故人の死亡後にテレビを廃棄・譲渡・売却する場合、または一人暮らしの故人の家から全ての受信機(テレビ・ワンセグ対応機器等)がなくなる場合は、「廃止届(受信機廃止届)」の提出が必要です。

廃止届が必要になる主なケース

  • テレビを粗大ゴミとして廃棄した
  • テレビをリサイクルショップ・家電量販店等に売却・譲渡した
  • 引越し・施設入所等でテレビのない環境になった
  • 家族全員がスマートフォン・パソコンのみに移行し、テレビを持たなくなった
廃止届はNHKふれあいセンターへの電話連絡と書類郵送で手続きします。受信機がなくなった日付を証明できる書類(家電リサイクル券の控え等)を求められる場合があります。手元にない場合は電話で確認してください。
⚠️ スマートフォンでのワンセグ視聴も受信契約の対象

テレビを廃棄しても、ワンセグ対応のスマートフォンを持っている場合はNHK受信契約の義務が生じると最高裁判例で認められています(2017年最高裁判決)。ただし実務上、スマートフォンのワンセグのみを理由に受信料を請求されることは稀です。テレビ本体の廃棄後にNHKから案内があった場合は、状況をそのままお伝えください。

手続きチェックリスト

確認項目 内容・補足
□ 解約か名義変更か判断した 同居家族がいてテレビを継続視聴する→名義変更。それ以外→解約
□ お客様番号を確認した NHKからの請求書・領収書・払込通知書に記載
□ NHKふれあいセンターに電話した 0120-151515(9:00〜18:00 年中無休)
□ 「放送受信契約解約届」に記入・返送した(解約の場合) 記入後はコピーを手元に保管
□ 必要書類(死亡診断書・戸籍謄本等)を同封した(求められた場合) コピーで対応可能か事前に確認を
□ 先払い受信料の返金先口座を確認した 遺族名義の口座を準備。相続放棄検討中の場合は受け取り前に専門家に相談
□ 未払い受信料の有無を確認した 督促状・NHKへの問い合わせで確認。5年以上前の分は消滅時効の可能性あり
□ 名義変更後の免除申請可否を確認した(名義変更の場合) 生活保護・障害者手帳等の条件に該当するか確認
□ テレビを処分する場合は廃止届を提出した 処分後にNHKへ廃止届の手続きを忘れずに

よくある質問

NHKの解約はインターネットだけでできますか?
できません。死亡による解約は必ずNHKふれあいセンターへの電話連絡が必要です。その後、郵送される「放送受信契約解約届」に記入して返送する手順となります。名義変更はインターネットのみで手続き可能です。
解約の連絡が数ヶ月後になってしまいました。死亡月に遡って処理してもらえますか?
はい、死亡を証明する書類(死亡診断書・死亡が記載された戸籍謄本等)を提出すれば、死亡月以降の受信料は返金または請求しないという対応をNHKは行っています。手続きの際に「死亡月に遡って処理したい」と明示的に伝えてください。なお、一部の窓口では案内されないこともあるため、案内がなければ専門の窓口に確認するようお伝えください。
お客様番号がわかりません。どうすればいいですか?
NHKからの請求書・払込通知書・領収書に記載されています。これらが見当たらない場合は、氏名・住所・生年月日をNHKに伝えることで照会してもらえます。お客様番号がわからなくても手続きは進められますので、まず電話してみてください。
同居していた配偶者が名義変更せずに視聴を続けるとどうなりますか?
名義変更をしないと、故人宛に受信料の請求が続きます。また、故人名義での受信契約が継続することになり、後々のトラブルの原因になることがあります。同居家族が引き続き視聴する場合は、速やかに名義変更の手続きを行ってください。名義変更はインターネットから比較的簡単に手続きできます。
未払い受信料はどのくらいの期間さかのぼって請求されますか?
NHK受信料の消滅時効は5年です。5年以上前の未払い分については消滅時効を主張(援用)することで支払い義務を免れることができます。督促状が届いている場合は期間を確認し、5年以上前の分があれば弁護士・司法書士に消滅時効援用の手続きを相談することをお勧めします。
解約後にNHKから請求書が届き続けています。どうすればいいですか?
解約の手続きが完了していれば、請求書は届かなくなるはずです。解約届を郵送した後も請求が続く場合は、NHKふれあいセンターに「解約届を送付済みだが請求が続いている」と問い合わせてください。解約届のコピーを手元に保管しておくと、問い合わせの際に役立ちます。
NHK受信料の支払いを口座振替にしていた場合、解約後も引き落とされますか?
解約が正式に受理されれば、それ以降の引き落としは停止されます。解約手続き中に引き落としが発生した場合は、NHKに問い合わせることで調整してもらえます。解約届送付のタイミングによっては1〜2ヶ月分余分に引き落とされることがあるため、解約後の明細を確認してください。
生活保護を受けるようになった場合、受信料は免除されますか?
はい、生活保護受給世帯は受信料が全額免除されます。名義変更後に生活保護を受給することになった場合は、NHK公式サイトまたは郵送で免除申請を行ってください。免除申請には生活保護を受給していることを証明する書類が必要です。

まとめ:NHK受信料の死亡後手続きの要点

  • NHK受信契約は死亡後も自動的に解約されない——放置すると請求が続く
  • 解約はインターネットのみでは不可——電話(0120-151515)+郵送の「解約届」が必要
  • 同居家族がいて視聴継続する場合は名義変更——インターネットからも手続き可能
  • 解約が遅れても死亡月に遡って処理可能——死亡証明書類を提出すれば返金・請求なし
  • 先払い受信料は解約月翌月以降の未消化分が返金——返金先は遺族の口座を指定
  • 未払いがある場合、5年以上前の分は消滅時効の援用が可能
  • 相続放棄を検討している場合は返金の受け取り前に専門家へ相談
  • テレビを処分する場合は廃止届の提出が必要
  • 名義変更後に生活保護・障害者手帳等の条件を満たせば免除申請で全額・半額免除

どうかご無理なさらないでください。手続きに行き詰まった際は、NHKふれあいセンターに遠慮なくご相談ください。担当者が丁寧に案内してくれます。